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「求愛」柴田よしき

求愛タイトル:求愛
著者  :柴田よしき
出版社 :徳間書店
読書期間:2007/03/01 - 2007/03/03
お勧め度:★★★★

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フリーランスの翻訳者・弘美は、親友の死の真相をつきとめたことをきっかけに、探偵事務所の調査員となる。自殺願望の女子中学生、浮気疑惑のエリート医師夫人、砂場に生ゴミを埋める主婦…、ささやかな毎日を懸命に生きる女たちと関わって、弘美自身が掴んだ人生の真実とは…!?自殺した親友から届いた、一枚の絵葉書。雨で滲んだ文字が語る、予期せぬ悲劇…。異才が贈る、感動のサスペンス・ロマン。

「金と銀の香り」「細い指輪」「憎しみの連鎖」「紫陽花輪舞」「飛魚の頃」「ライヤー」「復讐」「求愛」の8編からなる連作短編集。

死後に送られてきた一通の葉書から、親友の死の真相をつきとめた翻訳家・弘美。一歩早ければ親友はしなずに済んだかもしれないと悔やむ弘美は、その事件のきっかけを作り出した人物を突き止めるため、翻訳家の仕事を辞め、探偵事務所で調査員として働き始めます。

調査員としての仕事をこなす弘美は、様々な人間模様を目の当たりにして"調査員"という仕事の不毛さに落ち込み、"調査員"として働く意義に悩みながらも、心の奥底に潜む思いに目覚めることになるのですが…。

8編の短編は、調査員となるところから、人物を探し出すところまで時間経過を追う形で展開していきます。探偵事務所で働き出してから弘美が絡む事件は、なかなかに面白く読めました。「紫陽花輪舞」では自殺を図りそうな女子中学生の尾行調査、「飛魚の頃」では医師の妻の浮気調査、「ライヤー」に出てくる主婦などは、いいところを突いてくるなぁと感心しました。

タイトルから、ドロドロの恋愛劇を想像していましたが、いい意味で予想を裏切られました。全体を通して暗いトーンで進みますが、嫌いではない雰囲気でした。表題作のみ書き下ろしで、その他は結構古い作品。今になりこの連作短編を完結させる意味はどこにあるのかについては、作者しかわからないでしょうね。

他の本も読んでみます。

+++++

【みなさまのご意見】


「黒い太陽」新堂冬樹

黒い太陽タイトル:黒い太陽
著者  :新堂冬樹
出版社 :祥伝社
読書期間:2007/02/15 - 2007/02/18
お勧め度:★★★★

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キャバクラに勤める新人黒服の立花は「風俗王」藤堂社長に見込まれ、幹部研修で辣腕ホール長の長瀬と出会う。若きカリスマ・ホール長に刺激を受けた立花はその世界の魅力に取り憑かれていく。風俗業界の闇に挑んだサスペンス。

父親の入院費用を稼ぐため、立花はキャバクラ「ミントキャンディ」でホールとして勤務することになる。心の中では水商売を激しく嫌悪しながら、お金のためと割り切って働く立花は、「ミントキャンディ」のナンバー1キャスト・千鶴に思いを寄せる。

「ミントキャンディ」を経営するのは、「風俗王」の異名を取る藤堂。立花は藤堂から見込まれ、幹部研修を受けるうちに次第にこの世界で行ける所まで行こうと決意を固める。立花に待ち受ける運命とは・・・。千鶴との関係は・・・。

純朴な青年だった立花が夜の世界にどっぷりと浸かり、心の底まで夜の人間となっていく。作中の千鶴ではないですが、まだ引き返せるぞ、まだやり直せるぞ、と一声掛けたくて仕方がありませんでした。

藤堂に見込まれ、藤堂の下で成長していくことを予想してましたが、立花は藤堂との対立を選びます。そして格の違いを見せ付けられることに・・・。立花のとる行動は、急場凌ぎのものであって、先を見越した行動には思えません。藤堂の店からキャストやホール長を引き抜いたり、キャストと寝て言いなりにさせたりと、信頼関係は時と共に危うくなっていくことが容易に予想されます。これで、立花が藤堂と肩を並べた、もしくは出し抜いたと思っているなら、夜の世界は向かないのでは。

キャバクラを題材とした作品は今まで読んだことがなかったので、非常に新鮮で、内容には引き込まれました。この本はテレビ化されていて、その際のキャスティングをちょっとだけ知っていたので、読みながら顔が浮かんでしまいました。先入観なく読めればもっと楽しめたかと少々残念です。

+++++

【みなさまのご意見】


「斜め屋敷の犯罪」島田荘司

斜め屋敷の犯罪タイトル:斜め屋敷の犯罪
著者  :島田荘司
出版社 :講談社文庫
読書期間:2006/09/01 - 2006/09/05
お勧め度:★★★★

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北海道の最北端、宗谷岬の高台に斜めに傾いて建つ西洋館。「流氷館」と名づけられたこの奇妙な館で、主人の浜本幸三郎がクリスマス・パーティを開いた夜、奇怪な密室殺人が起きる。招かれた人々の狂乱する中で、またもや次の惨劇が…。恐怖の連続密室殺人の謎に挑戦する名探偵・御手洗潔。本格推理名作。

今更ながら島田さんの初期の作品を読んでいます。「占星術殺人事件」でのトリックには驚かされました。某マンガで使われていたトリックとブログで知ったのに気がつかなかった・・・。今回も驚かせてもらえるのか?

最北端の地・宗谷岬に建てられた斜めに傾いて建つ「流氷館」で起こった密室殺人。その場に居合わせたものの犯行か、それとも外部の人間の犯行か。探偵・御手洗潔が謎に迫ります。

冒頭に登場人物の説明、建物の構造説明、部屋割りが説明されるのですが、まずこれを頭に入れるのが一苦労。しばらくの間は、構造図と本文を行ったり来たりしながら読み進めなくてはなりませんでした。そして、頭に染み付いたころに起こる第一の密室殺人。さらに第二の密室殺人が・・・。館を訪れた警官同様、犯行方法等が何も思い浮かびません。頼むから早く謎解きしてくれと、結構イライラとしました。

探偵は、終盤に登場します。そこからは急展開。傍目には奇妙に写る行動も、実はすべて意味があります。「占星術殺人事件」より、御手洗の行動には切れがあるなぁと感じました。単にページ数の影響かもしれませんが・・・。

それにしても奇抜で壮大なトリックを思いつくものです。かなり強引ですが、館の特性を大いに利用してます。トリックの衝撃度では、「占星術殺人事件」より上かもしれません。こんなの挑戦されても解けるはずないです・・・。

ただ、トリックに比べて、犯人の動機が弱い点が残念でなりません。ページを割いて語られてもぜんぜん納得できませんでした。

まだ2冊目ですが、御手洗シリーズはトリックを重要視したほうがよいのでしょうか。トリックも重要だけど、犯行の裏に潜む心理にも力が入れられているものが好みなのですが。これからシリーズをもっと読み進めれば、自ずと重要視すべき点が見えてくるように思います。

+++++

【みなさまのご意見】
Honey Vanityさん
本のことどもさん('06/09/21追加)
みかんのReading Diary♪さん('06/09/26追加)
月のブログさん('07/09/03追加)


「カタブツ」沢村凛

新参教師タイトル:カタブツ
著者  :沢村凛
出版社 :講談社
読書期間:2006/08/28 - 2006/08/29
お勧め度:★★★★

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気まじめに生きる男女ゆえの殺人、不倫、自殺…世界に例のないテイストの短編集
そうして、ふたりは結論をだした。どちらかひとりが死ぬしかないと。笑わないでほしい。ふたりはまじめにそう決めたのだから。そして、泣かないでほしい。たしかにこれは、滑稽なことではあるのだから・・・。<「バクのみた夢」より>

著者の本のうち「さざなみ」を既に読んでいますが、実はこの本がすごく読みたかったのです。いつも巡回しているブログで、面白いと評判だったから。しかも、徐々に徐々にみんなに広まってる感じでした。表紙だけ見ると、本屋で見つけても素通りしてしまいそうな地味な本ですが、こういう本が広まっていくのってブログの醍醐味ですね。

不器用でまじめな人々にスポットを当てた短編集。「バクのみた夢」「袋のカンガルー」「駅で待つ人」「とっさの場合」「マリッジブルー・マリングレー」「無言電話の向こう側」の六編が収録されています。

どの編も人物描写がうまく、現実的なんだけど、でもちょっと現実から浮いたような、微妙な雰囲気が漂っています。スポットを当てている人物像は似通っていても、話自体はミステリーっぽいのあり、ハートウォーミングなのもありとバラエティに富んでいて、各編飽きることなく読みきれました。

中でもお気に入りは「バクのみた夢」と「無言電話の向こう側」。「バクのみた夢」でがっちりと心を捕まれ、「無言電話の向こう側」でしっかりラストを締めてもらえました。どちらも、最後のオチがすばらしいです。

+++++

【みなさまのご意見】


「さざなみ」沢村凛

さざなみタイトル:さざなみ
著者  :沢村凛
出版社 :講談社
読書期間:2006/07/25 - 2006/07/26
お勧め度:★★★★

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次々に難題を出す謎の女主人。執事となった借金男が思いついた、波紋とシマウマと世界征服が一度に見える奇案が生む不測の結末。

著者の本を初読みです。いつもお邪魔していくつかのブログで「カタブツ」が好評、図書館で借りようと思ったのですが、運悪く貸し出し中だったのでこっちにしました。

方々から借金をし、その返済に困って執事の仕事をすることになった男の話と、胸ポケットの中身が重荷になっている男の話、そして数々の小さな親切の話、の三つの話から成り立ってます。どこかで話が交わるのだろうと思い読み進めましたが、なかなか交わらない・・・。序盤から中盤は、ややイライラ気味。

ただ、中盤に謎が解けると一気に面白くなりました。なるほど、うまい展開。そしてラストは・・・、なかなかハートフルでした。ただ読後感は、chiekoaさんゆうきさんのブログでも書かれていますが、良くもないし悪くもない、すっきりさわやかってわけじゃなくて、何となく後味の悪さも残る微妙な感じです。善意は巡る、ってことなのだけど、じゃ悪意も巡るのか、と考えたのも一つの原因かもしれません・・・。

インパクトには欠けるけど、手堅くまとまった面白い作品ではないでしょうか。あと、「さざなみ」っていうタイトルがいいと思います。

※今「カタブツ」の予約状況を見たら、待ちなしだったので予約しました。楽しみ!

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【みなさまのご意見】


「ハサミ男」殊能将之

ハサミ男タイトル:ハサミ男
著者  :殊能将之
出版社 :講談社文庫
読書期間:2005/06/29 - 2005/07/01
お勧め度:★★★★

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美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。三番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作。
著者デビュー作にして、第13回メフィスト賞受賞作。まず眼に留まったのが著者の名前とタイトルだ。なんて読むのこの名前?それにしてもなんとストレートなタイトルだろう・・・。Web検索してみると面白いという評判が多いようだ。というわけで、遅ればせながら読んでみることにした。

「ハサミ男」とはマスコミに付けられた名前。少女を殺害した後、喉にハサミを突き立てるというシリアルキラーだ。過去2件の殺害を犯し、3件目の犠牲者を決め、綿密な計画と調査の末、ついに犯行を・・・と思ったら、公園の影でその少女の死体を発見してしまう。しかも喉にはハサミが・・・。

殺人鬼が第一発見者となり犯人を捜すっていう展開にまず興味を抱く。心に深い闇を持ち、自殺志願者でもある「ハサミ男」。その気持ちはほとんど理解できないのだが、読み進めていくと何だか強く惹きつけられる。なぜだろう?

それにしても警察は不甲斐ない。3件目の殺人なんて調査し始めたらあっという間に解決してしまいそうだ。事件現場に証拠がたくさんってパターンだと逆に本ボシに行き着くまでには時間がかかってしまうのか。現実でもそういう話は数多く耳にするし。

「ハサミ男」の日常生活部分がやや冗長に感じられたのだが、真相を知ると無駄に書いていたわけではないことがわかる。おぉっと思い、ページを遡って読み返してしまった。すっかり騙された。そう言われれば確かにそうだ・・・。確信に触れる部分なのではっきり書けないのがもどかしい。

「ハサミ男」がなぜ殺人を繰り返すか結局理由がよくわからないのが不満だが、単純に楽しめた。続く作品は「美濃牛」。これまた興味をそそるタイトルである。

【関連ページ】

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【みなさまのご意見】
+ChiekoaLibrary+さん
本のことどもさん
酔眼漂流記さん
たこの感想文さん
本を読む女。改訂版さん('05/07/28追加)
spoon::blogさん('05/08/03追加)
本が好き 悪口言うのもちょっと好きさん('05/10/09追加)
鈴虫ホイッパーさん('05/12/19追加)
いったんたん〜素晴らしき哉、我が人生さん('06/01/07追加)
ゲームと本と酒の日々さん('06/01/09追加)
雑板屋さん('06/01/31追加)
葉兎の本棚さん('06/03/19追加)
聞いてあげるよ君の話をさん('06/07/21追加)
週末ライフの過ごし方さん('06/09/11追加)


「占星術殺人事件」島田荘司

占星術殺人事件タイトル:占星術殺人事件
著者  :島田荘司
出版社 :集英社文庫
読書期間:2005/06/16 - 2005/06/21
お勧め度:★★★★

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怪事件は、ひとりの画家の遺書から始まった。その内容は、6人の処女から肉体各部をとり、星座に合わせて新しい人体を合成する、というもの。画家は密室で殺された。そして1カ月後には、6人の若い女性が行方不明のあげくバラバラ死体となって…。奇想天外の構想、トリックで名探偵御手洗潔をデビューさせた、衝撃的傑作。
著者デビュー作、そして今後続く「御手洗シリーズ」第一作。著者はミステリ界に多大な影響を与えた方らしいのだが、恥ずかしながらこれが初読である。

本書の初版は1981年というから今から24年前。作品中の時代も古く文体から時代の空気というか重たい印象を受けたのだが、同時に何か古典芸能を見ているような凛とした気品と強さも感じた。

最初、専門的というか理解しにくい話が延々語り続けられ読みにくさを感じたが、そこを乗り切ると探偵の登場で一気に話は盛り上がる。理不尽な探偵(=御手洗)とそれに振り回される助手役(=石岡)。これだと京極夏彦「京極堂シリーズ」の京極堂と関口のような図式だが、京極堂と違い御手洗が少し頼りなさげなところに御手洗に対する好感が沸いてくる。

トリックは斬新で衝撃的だ。このネタを使った某マンガを読んでいたのにしっかりと騙された。解く手がかりはまさに「ピン1本」。これを外せばパタパタっと収まるべきものが収まるべき場所に落ち着く。

謎が大きい割に種はシンプルというのが好感が持てる。この点は著者の技量によるところが大きい。数冊読んで「異邦の騎士」というのがいいと教えていただいたので、そのコース通り進んでみたい。

※この本をオススメいただいた春日さんリサさんざれこさん小麦さんに感謝。

【関連ページ】

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【みなさまのご意見】
Honey Vanityさん
ひなたでゆるりさん
風のまにまに号さん
本のことどもさん('05/06/28追加)ミステリーマニアさん('06/11/23追加)