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「ハードボイルド・エッグ」荻原浩

ハードボイルド・エッグタイトル:ハードボイルド・エッグ
著者  :荻原浩
出版社 :双葉文庫
読書期間:2005/08/17 - 2005/08/19
お勧め度:★★★★

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フィリップ・マーロウに憧れ、マーロウのようにいつも他人より損をする道を選ぶことに決めた「私」と、ダイナマイト・ボディ(?)の秘書が巻き込まれた殺人事件。タフさと優しさを秘めたハードボイルド小説の傑作。
荻原本3冊目。「オロロ畑〜」「なかよし小鳩組」の流れを汲む"笑い"と"ほろり"に推理の要素が組み込まれた意欲作。推理にはあまり重きを置いていないようですが。

レイモンド・チャンドラー作のフィリップ・マーロウ扮する探偵シリーズをこよなく愛して探偵になった男が主人公。しかし探偵の仕事は皆無でもっぱらペットの迷子捜しが主な仕事。そんな現状を打破しようと探偵は秘書を雇う。電話の声音とダイナマイト・ボディの写真を使って採用されたのは、実は80過ぎの老婆だった。

最初の方は探偵の日常が淡々と展開。秘書を雇い、ある一匹のシベリアンハスキーを捜して欲しいという依頼をきっかけに物語は大きく動き始めます。ストーリーはそれほど突飛ではないのですが、探偵と老婆の掛け合い、脇を固める登場人物たち(ヤクザやホームレス)がみんな魅力的でどんどん引き込まれてきます。

ユーモア(アイロニー)と泣かせの部分が絶妙に組み合わさっていて、じんわり心に染み込んでくるというか胸を打つというか。どちらも大げさに書きすぎると興ざめなんだけど、その辺のバランス感覚は絶妙ですね。筆力を感じます。

とりあえず文庫化されたものから読み進めてますが、評価の高い単行本も早く読みたいところです。

+++++

【みなさまのご意見】
読んだモノの感想をわりとぶっきらぼうに語るBlogさん
本を読む女。改訂版さん
IN MY BOOKさん
辻斬り書評さん
本だけ読んで暮らせたらさん
+ChiekoaLibrary+さん('05/09/18追加)
たこの感想文さん('06/02/28追加)
yazlog.さん('06/06/26追加)


「なかよし小鳩組」荻原浩

なかよし小鳩組タイトル:なかよし小鳩組
著者  :荻原浩
出版社 :幻冬舎文庫
読書期間:2005/08/04 - 2005/08/07
お勧め度:★★★★

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倒産寸前の零細代理店・ユニバーサル広告社に大仕事が舞いこんだ。ところが、その中身はヤクザ小鳩組のイメージアップ戦略、というとんでもない代物。担当するハメになった、アル中でバツイチのコピーライター杉山のもとには、さらに別居中の娘まで転がりこんでくる。社の未来と父親としての意地を賭けて、杉山は走りだすが―。気持ちよく笑えて泣ける、痛快ユーモア小説。
「オロロ畑でつかまえて」に続き零細広告代理店・ユニバーサル広告社を舞台とした長編。今回このいつ潰れてもおかしくない会社に舞い込んだのは、任侠団体・小鳩組のCI(コーポレートアイデンティティ=企業イメージ統合戦略)であった。

「オロロ畑〜」よりもキャラクタの個性は抑え目に感じたけど、アル中バツイチの杉山、相変わらずマイペースの村崎、バイト先探しに忙しい猪熊、口八丁で気の弱い石井など前作から引き続きのキャラに加え、小鳩組の面々も個性的。何考えてるかよくわからん小鳩組長を始め、広報部長・川田は姿に似合わず子煩悩だったり、組長を引っ掻いた猫に拳銃をぶっぱなしちゃう組員がいたりなどなど。周りにはすごんで見せているけど、ヤクザさんたちは実は義理人情に厚い、いい人ばかりなのだ。

笑い一辺倒だった前作と比べ、今作は笑いに加えて杉山の人間的な成長も重要ポイント。一時また酒におぼれそうになった杉山、一人娘・早苗や元妻の病気などもあって、このままではいけないと大きな一歩を踏み出す。それが、若いチンピラとの交友を生み、物語のラストへ向けて見事におさまっていくのです。うん、実にうまい。

杉山も立ち直っちゃったし、猪熊が名前を嫌う理由もわかっちゃったし、これ以上このシリーズは続かないかなぁと思ってますが、荻原さんにはまたとにかく笑える小説を書いていただきたいなぁ。

+++++

【みなさまのご意見】


「オロロ畑でつかまえて」荻原浩

オロロ畑でつかまえてタイトル:オロロ畑でつかまえて
著者  :荻原浩
出版社 :集英社文庫
読書期間:2005/07/26 - 2005/07/27
お勧め度:★★★★

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人口わずか三百人。主な産物はカンピョウ、ヘラチョンペ、オロロ豆。超過疎化にあえぐ日本の秘境・大牛郡牛穴村が、村の起死回生を賭けて立ち上がった!ところが手を組んだ相手は倒産寸前のプロダクション、ユニバーサル広告社。この最弱タッグによる、やぶれかぶれの村おこし大作戦『牛穴村 新発売キャンペーン』が、今始まる−。第十回小説すばる新人賞受賞、ユーモア小説の傑作。
第18回山本周五郎賞受賞、本屋大賞2位の「明日の記憶」が気になっている荻原さんですが、まずはデビュー作をということで手にとりました。山本周五郎賞は、宮部みゆきさんを始め蒼々たるメンバーが受賞して、候補に上がった方々も気になる作家さんばかり。信用している文学賞なのです。

さて、本書。過疎にあえぎ野球のメンバーや神輿の担ぎ手を集めるのすら厳しい状況の大牛郡牛穴村。青年会のメンバーがお金を出し合い、村おこしを企画する。手を組んだのはふらりと入った広告会社・ユニバーサル広告社。倒産寸前のこの会社が企画した村おこし大作戦とは・・・。

1時間ほどの通勤時間が主な読書時間なのですが、電車の中でにやにやしてながら読んでました。傍からみたら気持ち悪かったかも・・・。随所に散りばめられたユーモアのセンスが光る作品です。なんともダサいんだけど面白い。

口八丁で生きてきた社長石井、酒癖の悪い杉本、牛穴村の青年会長(大卒)慎一、牛穴村の中でもさらに田舎に住む悟などなど、ユニバーサル広告社の面々も牛穴村の人たちもみんな個性的。そして、みんなまじめで純粋。登場人物が一生懸命であればあるほど、滑稽にうつって笑いが出てきます。踊りの掛け声「右、右、左〜」ってのがツボでした。

村おこし作戦の成功、うそがばれて世間からの非難を浴びラストへ。最後はベタというか見え見えだったんだけど、それでも明るい展開で読了感はさわやか。足元にもきれいなものは転がっているよってところでしょうか。

次は続編(?)の「なかよし小鳩組」を読む予定。8月中に3作品読んで「My Best Books!」に投票するのが目標です。

+++++

【みなさまのご意見】
のほ本♪さん
本を読む女。改訂版さん
宙の本棚さん
読んだモノの感想をわりとぶっきらぼうに語るBlogさん
ひなたでゆるりさん('05/08/04追加)
IN MY BOOKさん('05/08/04追加)
Music Bar & Book Cafeさん('05/08/04追加)
+ChiekoaLibrary+さん('05/08/08追加)
大阪生活、ときどき本。さん('05/08/24追加)
多趣味が趣味♪さん('06/02/05追加)
Grave of memoryさん('06/04/24追加)
たこの感想文さん('06/07/10追加)
たりぃの読書三昧な日々さん('06/08/10追加)
奥様は149cmさん('07/11/29追加)
higeruの大活字読書録さん('08/01/17追加)