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「ぼっけえ、きょうてえ」岩井志麻子

ぼっけえ、きょうてえタイトル:ぼっけえ、きょうてえ
著者  :岩井志麻子
出版社 :角川ホラー文庫
読書期間:2005/07/05 - 2005/07/07
お勧め度:★★★

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−教えたら旦那さんほんまに寝られんようになる。…この先ずっとな。時は明治。岡山の遊郭で醜い女郎が寝つかれぬ客にぽつり、ぽつりと語り始めた身の上話。残酷で孤独な彼女の人生には、ある秘密が隠されていた…。岡山地方の方言で「とても、怖い」という意の表題作ほか三篇。文学界に新境地を切り拓き、日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞を受賞した怪奇文学の新古典。
表題作「ぼっけえ、きょうてえ」は第6回日本ホラー大賞、第13回山本周五郎賞受賞作品。その他3編が収録されている。

何が怖いってこの表紙。髪を纏め上げた女性がなんとなく笑っている。宮部みゆき「とり残されて」も怖かったがこれも怖い。まぁこちらはホラー文庫として売っているのでこれでよいかもしれないですが。タイトルもそうだし、表紙にもインパクトがあります。

さて、表題作について。岡山の遊郭で女郎が語るぼっけえきょう(恐)てえ寝物語。客に請われ「聞いたら寝られなくなる」と断りつつ話し始める。少女時代、岡山の山村で母親と暮らしていた。近代化が進みつつも、依然として古い因習が幅を利かせているこの村で母がしている仕事は、身ごもってしまった子供をおろすことであった。母娘ともども村八分にされ、孤独の中育つ。しかし寂しくなんかはない。なぜなら彼女の体には・・・。

女郎が語る言葉のみというシンプルな構成。しかし一方的に語っているのではなくどうも合間に客からの質問が入っているようで、それも女郎の言葉からわかるという仕組みである。この演出がなかなかに効果的。こちらから聞きたいことが絶妙な合いの手として入ってくる。恐怖の種類はというと、映画で見られるようないつ何かが飛び出してくるかわからず構えるような類ではなく(長い・・・)、なんだかよくわからない理解しがたいことに対する恐怖なのである。

もう一つ効果を挙げているのがやはり岡山弁。全く聞いたことがなかったのだけれど、なんだか独特の艶っぽさがありますね。最初は読み進めるのに苦労したけど、慣れてくるとあまり気にならなくなって、途中から適当に節をつけてすらすらと進むようになりました。方言って独特の味があって好きです。言ってる事がわからないのは困りますが・・・。

テレビで見た岩井さんには、正直あんまりいい感情を持っていなかったんだけど、書かれる文章はとてもきれいでちょっと見直しました。何事も試してみないとわからないものです。

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【みなさまのご意見】


「博士の愛した数式」小川洋子

博士の愛した数式タイトル:博士の愛した数式
著者  :小川洋子
出版社 :新潮社
読書期間:2004/08/18 - 2004/08/21
お勧め度:★★★


第一回本屋大賞受賞作。「本屋大賞」は、全国の書店員が過去一年の間に自分で読んで「自分の店で売りたい」と思った本に投票することで決定します。つまり、本のプロ達が選んだ本ってこと。その他、各紙の書評でも絶賛されていたので期待して読み始めました。

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家政婦として働く「私」。ある日、年老いた元大学教師の家に派遣される。彼は優秀な数学者であったが、17年前の交通事故の後遺症で、80分しか記憶を維持することができなくなったという。数字にしか興味を示さない彼とのコミュニケーションは難しく、「私」の前に何人も家政婦が変わっている。ご多分に漏れず「私」も苦労したが、10歳になる息子との出会いをきっかけに、その関係に変化が。彼は、息子を笑顔で抱きしめると「ルート」と名づけ、「私」たちも彼を「博士」と呼ぶようになる。

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あおちゃんは数学が好きだ。好きになったのは、小学校のとき。担任の先生が面白おかしく、加えて分かりやすく数学を教えてくれたからだと思う。そして、分からなくても怒ったりせず、分かると褒めてくれたからだとも思う。

本文中、私とルートに博士が語る数学の美しさと面白さ。簡単には答えを教えず、自分で考えさせる教え方。まさにあおちゃんが小学校時に受けたのと同じ。自分で問題を解くことで、より一層興味が数学への増して行くのだ。おそらくルートは最後には・・・、と思っていたらやはりそうなった。

タイトルに「数式」って入っているけど、数学があまり得意ではなくても(詳しくなくても)楽しめる本。作品中の「私」と自分を重ねて読み進めることが出来ると思う。

物語は淡々と進む。その中に数多語られる博士との交流。最初から最後までやさしさと愛情に満ち溢れた作品だ。数学については突っ込みが甘いので、もし数学に興味を持たれたのなら、参考文献に挙げられている「フェルマーの最終定理(著者:サイモン・シン)」を読んでみることをお勧めする。こちらも、数学が得意でなくても楽しむことができる本。

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【みなさまのご意見】
文学的?なブログさん('06/07/10追加)