タイトル:プリズンホテル 秋
著者 :浅田次郎
出版社 :集英社
読書期間:2007/12/05 - 2007/12/10
お勧め度:★★★
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花沢支配人は青ざめた。なんの因果か、今宵、我らが「プリズンホテル」へ投宿するのは、おなじみ任侠大曽根一家御一行様と警視庁青山警察署の酒グセ最悪の慰安旅行団御一行様。そして、いわくありげな旅まわりの元アイドル歌手とその愛人。これは何が起きてもおかしくない…。仲蔵親分の秘めた恋物語も明かされる一泊二日の大騒動。愛憎ぶつかる温泉宿の夜は笑えて、泣けて、眠れない。
シリーズ第二弾。「プリズンホテル」にヤクザと警察が投宿して大騒動が起こります。
前作以上にどたばたした内容。金に糸目をつけないヤクザと一泊食事付き一万円の貧乏旅行の警察。差がないサービスを心がけるホテルマンたちですが、どうしても食事には差がついてしまいます。とうとう夕食で両者が対面してしまい・・・。このどたばたは笑いの部分。結局ヤクザも警察も裸になってしまえば同じ人間なんだよね・・・。
そして、泣きの部分は旅回りの元アイドルとそのマネージャーの人生模様。そして、小説家が囲っている愛人の娘です。「プリズンホテル」の温泉は、硬く凝り固まった心を解きほぐす成分が含まれているようです。たった一泊ですがみんな憑き物をすっかり落として帰っていきます。
一方捻くれた小説家は、自分の中にある父性を若干意識した始めたような気がします。ただ、暴力や言動は相変わらず。何もかもを許すことは出来るのでしょうか。
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