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「破裂」久坂部羊

破裂タイトル:破裂
著者  :久坂部羊
出版社 :幻冬舎
読書期間:2007/11/22 - 2007/11/28
お勧め度:★★★★

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医者の診断ミスで妻を傷つけられた元新聞記者の松野は、“医療過誤”をテーマにしたノンフィクション執筆を思いつく。大学病院の医局に勤務する若き麻酔科医・江崎の協力を得て、医師たちの過去の失敗“痛恨の症例”や被害患者の取材を開始した。その過程で、「父は手術の失敗で死んだのではないか」と疑念を抱く美貌の人妻・枝利子が、医学部のエリート助教授・香村を相手に裁判を起こす。が、病院内外の圧力により裁判は難航。その裏で医療を国で統制しようと目論む“厚生労働省のマキャベリ”佐久間が香村に接触を始める…。枝利子の裁判の行方は?権力に翻弄される江崎と松野の運命は?そして佐久間の企図する「プロジェクト天寿」とは?大学病院の実態を克明に描き、来る日本老人社会の究極の解決法まで提示する、医療ミステリーの傑作。

医療ミス、来るべき高齢化社会、大学病院での権力闘争など、医学界に関する考えうる問題を一冊に書き記した意欲作。

患者側に協力しながらも、医師の立場と患者の立場の間で揺れる麻酔科医江崎と告発されたエリート心臓外科医・香村助教授の法廷での戦いを軸に、香村の教授選、医師たちの過去の失敗に関するノンフィクション小説、医療を巡る国家プロジェクトなど複数の要素が密接に絡み合います。

話の芯となるのは医療裁判ですが、著書が一番書きたかったことは高齢化時代を迎えた先にある終末医療でしょう。先に読んだ「廃用身」では老老介護の負担軽減のため意図的に手足を切断するという衝撃的な方法を提示していました。本書ではぎりぎりまで人生を謳歌し、終わりを突然迎える「ピンピンぽっくり」を国家レベルで操作するという、これまた衝撃的な方法を提示しています。

患者当人にとって何が最良の医療なのか。残される家族にとって最良の方法とは。家族に迷惑をかけるくらいなら、死んでしまいたいという患者の気持ちもわかります。苦しい姿を見たくない気持ちもわかるし、一秒でも長く生きて欲しいという家族の気持ちもわかります。何が正しいかはわかりませんが、あえて自分の意見を言うならば、僕は医療はやはり「生かす」ことをまず考えるべきであって、安らかに亡くなることの手助けをするべきではないのではないかと思います。

本書といい「廃用身」といい、何とも言えない気味の悪さがあります。絶大な力を持つ医師が人間の死に関与する。医師が語る論理はある意味では正しく、もやもやを抱えながらも思うように反論できないのが気味の悪さの原因と思います。正解が出るのは、自分が介護を受ける時、でしょうか。

読み応えはたっぷりですが、いろいろな要素を詰め込み過ぎの印象もあって評価は少々割り引きました。それと主要な登場人物たちが死に過ぎです・・・。


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  • 2008/05/17 5:56 PM