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「ミーナの行進」小川洋子

ミーナの行進タイトル:ミーナの行進
著者  :小川洋子
出版社 :中央公論新社
読書期間:2006/11/27 - 2006/11/29
お勧め度:★★★★

[ Amazon | bk1 | 楽天ブックス ]


美しくて、か弱くて、本を愛したミーナ あなたとの思い出は、損なわれることがない―懐かしい時代に育まれたふたりの少女と、家族の物語。

家庭の事情により、芦屋の伯母の家に預けられることとなった中学一年生・朋子と伯母一家の一年間を描いた作品です。1970年代の出来事を盛り込んだ懐かしさの漂う作品。

芦屋といえば誰もがイメージするのが超高級住宅地ですが、伯母一家も飲料品会社の社長一家ということでお屋敷に住んでいます。暖炉があり、シャンデリアがあり・・・。

タイトルに登場するミーナは、伯母の一人娘で朋子の一つ下。喘息持ちで体が弱く、コビトカバ・ポチコに乗って学校に通う女の子です。そのほかに大きな屋敷には、ローザお祖母ちゃん、伯父、伯母、ミーナの兄、家政婦の米田さん、運転手の小林さんが住んでいます。

朋子にとって芦屋のお屋敷は異次元の世界で最初は戸惑いますが、仲良くなったミーナや優しい伯父さんのおかげですぐに打ち解けていきます。端から幸せいっぱいのお屋敷での暮らしのはずですが、その中に朋子はちょっとした歪みや悲しみを見つけてゆきます。

故郷を思うローザお祖母ちゃんの悲しさやここにしか居場所のない米田さんの気持ち。ミーナは喘息で死に掛けたこと数知れず。そしてほとんど家にいない伯父さん。すべてが揃っていそうで、実はすべてが揃ったことはなく、常にどこかが少し足りない。そんな印象を受けました。

そんな中にあって、二人の淡い恋心が寂しさを打ち消してくれました。ミーナはマッチを届けてくれるフレッシー配達青年に憧れ、朋子は図書館の司書に恋心を抱いています。ミーナの受け売りの感想で感心され、うれしくも微妙な気持ちや、その後自分の言葉で感想を言って褒められた時の誇らしげな気持ちなどすごく伝わってきます。

特に大きな事件が起こるわけでもなく、淡々と物語は進んでいくのですが、朋子の心はどんどん成長していっていて、事件など起こらなくてもそれを読むだけでとても満足でした。そして、気を揉んでいたミーナのその後について知ることも出来、気持ちよく本を置くことが出来ました。

+++++

【みなさまのご意見】
ナナメモさん
まっしろな気持ちさん
粋な提案さん
本を読んだら・・・さん
日だまりで読書さん
おいしい本箱Diaryさん
こんな一冊さん
ぼちぼち。さん
活字中毒日記!さん
本のある生活さん
まったり読書日記さん
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とんとん・にっきさん('06/12/30追加)
ChiekoaLibraryさん('07/01/16追加)
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*モナミ*さん('07/06/17追加)
"やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!!さん('07/06/26追加)
聞いてあげるよ君の話をさん('07/07/30追加)


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comment

>すべてが揃っていそうで、実はすべてが揃ったことはなく、常にどこかが少し足りない
なので、いつかこの世界が壊れてしまうのではないかと不安でたまらず、この美しい世界を存分に堪能できなかった大ばか者が私です(*^_^*)
またぜひ再読したい作品です。

翳りがあるからこそ、穏やかな毎日がかけがえのない大切な日々に思える、そんな作品でしたね。
そのバランスがとっても良かったと思います♪

■そらさん
僕も不安でしたよ、結末が。なので、ラストを読んでほっとしました。
再読しても、この本の素晴らしさが色あせることはないでしょうね。

  • あおちゃん
  • 2006/12/11 9:04 PM

■エビノートさん
淡々と日々の出来事をつづっているのに、それが胸に響いてくるお話でした。
感受性が豊かな時期をこんなところで過ごせたなんて、うらやましい限りです。
ジュースを飲み放題ってのもうらやましい限り・・・。

  • あおちゃん
  • 2006/12/11 9:08 PM

こんばんは。
この本、私的には今年の3本の指に入るものだと思っております。ふふふ。
微妙なバランス感が抜群でした。壊れそうで壊れない、完全そうで不完全…。
じわじわと心にしみこむ物語でした。

フレッシーは気になる飲み物ですね。やはりプラッシーを思い出しますが。

そうでした。
物語の初めから、もしかしたらラストは悲しいのでは?
そんな事を心配しながら一つひとつのエピソードを
朋子の視線でゆっくりと堪能したんでした。

私もこの本は今年のベスト3に入ります。

あおちゃん☆こんばんは
わたしもミーナが死んじゃったらどうしようって、ドキドキしてました。(・_・;)
ああいうラストで良かったです。(^^)v
その時は普通だと思っていたことが、後になってみればかけがえのない思いでいなることってあるんですよね。

  • Roko
  • 2006/12/11 10:29 PM

この本は、読み終えた直後も好きだ!と思ったんですが、
時間がたっても全く色あせません。
あおちゃんの感想を読んで、再びあの世界にひたっています。

  • june
  • 2006/12/12 12:27 PM

あおちゃんさん、コンニチハ。
どこかが欠けていて、閉ざされていて…そんな世界がわたしはとても好きです。
というか、小川洋子作品なら無条件に好きなのですが(笑)
寂しいのに後味がほっこりあたたかで、いい作品でした。
いまだにその余韻は消えません。

■ちきちきさん
プラッシーって飲み物を知らないのですが・・・、今でも売られているのでしょうか?
このお話、何か大きな出来事があるってわけじゃないけど、胸に響くものがありますよね。
独特の世界が心地よかったです。

  • あおちゃん
  • 2006/12/12 5:09 PM

■ななさん
もう屋敷はないってことが早々にわかったので、悲しいラストを想像していました。
ああいったラストでほんとよかったです!

  • あおちゃん
  • 2006/12/12 5:12 PM

■Rokoさん
朋子が芦屋での一年間を大切に思っているってことが、すごく伝わってきました。
自分にはそういう思い出はないかも・・・。

  • あおちゃん
  • 2006/12/12 5:23 PM

■juneさん
僕は読んだらすぐに内容を忘れてしまうのですが、この本は覚えていられそうです。
特別なことが起こるわけじゃないけれど、印象深い一冊でした。

  • あおちゃん
  • 2006/12/12 5:24 PM

■ましろさん
小川さんの本をたくさん読まれているようですね。僕はこの本で二冊目です・・・。
これからもっと読みたいと思ってるので、オススメがありましたら、教えてくださいね。

  • あおちゃん
  • 2006/12/12 5:29 PM

私も最後までちょっと冷や冷やしながら読んでました。
小川さんは、ミーナに幸せになってほしかったんだと思います。
私も小川さんの本は大好きですよ。
個人的には「沈黙博物館」が好きです。あ、ぜひ一度「アンネ・フランクの記憶」を読んでみてください。紀行文ですが、私にとっても大切な本です。

  • ERI
  • 2006/12/12 8:17 PM

こんばんは。
洋館が存在しない現在の様子が、
回想形式で書かれていたことで、緊張感を持たせていましたね。

素敵な物語でした。
私もこの本は今年のベスト3に入ります。

■ERIさん
そうですね。小川さんの気持ちは、すごい伝わってきました。
オススメありがとうございます。読んでみます!

  • あおちゃん
  • 2006/12/13 10:33 PM

■藍色さん
素敵なお話でしたね。どきどきしながら読んで、最後にはほっとさせられて。
みなさんの評価が高い理由も納得です。

  • あおちゃん
  • 2006/12/13 10:40 PM

特別なことはないけれど私が朋子だったら特別な思い出になりそうです
哀しくてそして素敵なお話でした

■きりりさん
大きな盛り上がりはないけれど、独特な空気がとても心地よかったのを覚えています。
この本は、昨年読んだ本の中でも上位にくる本でした。
小さいときにこんな体験が出来るなんて、少しうらやましいです。

  • あおちゃん
  • 2007/08/02 8:42 PM








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