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「ケッヘル」中山可穂

ケッヘル (上)ケッヘル (下)タイトル:ケッヘル
著者  :中山可穂
出版社 :文藝春秋
読書期間:2006/10/18 - 2006/10/23
お勧め度:★★★★★

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下巻 → [ Amazon | bk1 | 楽天ブックス ]


ケッヘル番号が、わたしをこの世の果てまで連れてゆく。モーツァルトの音楽に取り憑かれた男と、過去の亡霊から逃げ続ける女。出会うはずのない二人の人生が交差した瞬間、狂おしい復讐の幕が上がる。(上巻)

真に人間らしい人生とは、誰かをひたむきに愛し、愛される、薔薇色の不安に満ちあふれた人生のことだ。絶望の淵から生まれた恋。だが復讐の連鎖は止まらない。著者新境地にして最高傑作。(下巻)

過去の恋の影に怯え、数年に渡り海外を放浪していた主人公・伽椰は、ドーバー海峡に面したフランスの港町で不思議な男と出会う。海に向かって一心不乱に指揮棒を振る男・遠松鍵人。この出会いから、伽椰はモーツァルトをめぐる複雑な事件へと巻き込まれていく・・・。

久しぶりにどっぷりと物語に浸かりこんだ読書を堪能しました。素晴らしかった!! ここしばらく昔自分が体験したことを懐かしむような話が続いていたのだけれど、まったく違いました。間違いなく自分の身には起こらないだろう数奇な話の数々。それらを擬似的に体験させてもらいました。

伽椰と鍵人の目線で書かれた章が交互に構成されています。上巻は二人の過去について。伽椰の過去、それは恋愛と逃亡の日々。恋は恋でも同性との恋で、お互い夫のいる身でありながら惹かれあってしまいます。家庭の崩壊、そして夫から追われ逃げ惑う日々。似たもの同士の伽椰と千秋の先にあるのもまた崩壊でした・・・。

鍵人の過去は、音楽と放浪の日々。母と父から別々に音楽教育を施され、母の死後、父と日本各地を放浪。父、母共にモーツァルトを敬愛して止まず、父は移動にもケッヘル番号に拘る有り様。異常な環境で成長しながらも、感情豊かに成長してゆきます。

下巻はミステリ仕立て。二人の過去が絶妙に絡まりあい、徐々に収束に向かっていきます。純粋で同質のもの同士は、惹かれてしまうけどその先には破滅しかないのでしょうか・・・。途中ややもたつく感じもありましたが、犯人特定のあたりはスピード感が増して一気に読ませられます。

ミステリとして読むと詰めの甘さは感じるし、物語の構成にも若干詰めの甘さを感じますが、それらを補っても余りあるほど読み応えのある作品。著者がこの作品にどれだけの思いを込めたかがひしひしと伝わってきます。

稚拙な文章のせいでうまく伝わっていないと思いますが、本当に素晴らしい作品でした。でも、あまり話題になっていないような・・・。みんなに読んでもらいたいなぁ。そして感想を聞きたい。

モーツァルトに詳しくなくても大丈夫です。僕もよく知りませんでしたから。読み終わった今は、モーツァルトのことを知りたいと思っています。

+++++

【みなさまのご意見】
本のある生活さん('06/12/17追加)
たあさんの部屋別館さん('06/12/17追加)
ぱんどら日記さん('06/12/19追加)
本を読む女。改訂版さん('06/12/30追加)
■ChiekoaLibraryさん(上巻|下巻)('07/01/09追加)
miyukichin' mu*me*mo*さん('07/03/01追加)


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comment

新刊ベストにエントリありがとうございました。
この本、ずっと気になってたんですよー。評判いいんですよね。
エントリもいただいたことだし、上下巻だけど頑張ります。
全く自分が経験し得ない境地にいけるってのも、読書の楽しみですよねー。

■ざれこさん
結構な厚さだけど、一気読みできると思いますよ。
ぜひぜひ頑張って読んで感想を聞かせてください。
僕は新刊ベストのエントリ本を頑張って読みますよ〜。

  • あおちゃん
  • 2006/11/13 12:45 AM

この世界にどっぷりひたって、圧倒されました。
今もモーツァルト聞いてますから(笑)。
特に鍵人の人生にひかれたし、それが伽椰の人生に重なっていくところは
鳥肌ものでした。
ほんとよかったです。
でもそれだけにミステリー部分、残念です。

  • june
  • 2006/12/15 3:44 PM

美しい文章にただただ浸りこみました。
ミステリー部分は唐突な印象がありますね。
僕は気になりませんでしたが、気になる方がいても納得できます。

  • あおちゃん
  • 2006/12/17 8:05 PM

いやあ、すごかったです。ご紹介ありがとうございました。
ミステリ部分の粗にも目をつぶれるくらいのめりこみました。
モーツアルトは、高血圧予防のを今聴いております(笑)
ちゃんとしたCDを買おうと思いました。そして何度も観た映画「アマデウス」ももいっかいみたくなりました。いやしかしモーツアルトより中山可穂、ブラボーです。

■ざれこさん
ほんとすごかったですよね〜。
こんなに喜んでいただけるなんて、新刊本ベストにエントリーしてよかったです。
ざれこさんのことだからいつかは読まれただろうけど、少し後押しできたかなぁと思ってます。
なんと今日「アマデウス」のDVDを買ってきたところでした!
年始に見て、もう一度この興奮を思い出したいと思います。

  • あおちゃん
  • 2006/12/30 12:46 AM

私もモーツアルトは全然わからない人ですが…
なんかものすごく素晴らしいような気がしてきてしまうほど、
この本が素晴らしかったです…!
なんで直木賞候補にならなかったんでしょうね??
文藝春秋なのに…(ちょっと皮肉)。

■chiekoaさん
昨年はモーツアルトイヤーでテレビで特番も組まれていてよく見ていたのですが、
この本を読んでさらに興味が高まりました。
ほんとなんで直木賞候補にあがらなかったんでしょうね?
あがったら受賞していたと思うのに・・・。

  • あおちゃん
  • 2007/01/11 11:36 AM

 こんばんは♪
 TBどうもありがとうございました。

 ほんとに読み応えがある小説でしたね。
 私もこの物語にどっぷり浸かりました。

 図書館で借りたのですが、
 買ってじっくり読み返したいなんて思ってたりします。

■miyukichiさん
この本には読書の醍醐味を十分堪能させてもらいました。
どっぷりつかったので、読後しばらく放心してました。
僕も図書館で借りたのですが、買ってもよかったと思ってます。
文庫化したら必ず買います。

  • あおちゃん
  • 2007/03/02 2:22 PM

こんにちは〜 私は鍵人の少年時代からの話が一番好きでした ちょっと詰め込み過ぎてるな〜と思ったけど、マラケシュに引き続き、とても面白い本でした

■きりりさん
内容盛り沢山でしたね。目の前に情景が思い浮かぶほど、どっぷり浸りました。
その後、中山さんの本は一冊買ったものの積読してます。
どんどん読みたいです。

  • あおちゃん
  • 2007/05/09 7:48 PM








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