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「黄昏の百合の骨」恩田陸

黄昏の百合の骨タイトル:黄昏の百合の骨
著者  :恩田陸
出版社 :文春文庫
読書期間:2006/07/05 - 2006/07/06
お勧め度:★★★★★

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「自分が死んでも、水野理瀬が半年以上ここに住まない限り家は処分してはならない」亡き祖母の奇妙な遺言に従い、「魔女の館」と噂される洋館に、理瀬は、やってきた…。華麗なる恩田ミステリー。
「三月」シリーズ、現在までの完結編。"あの学園"を卒業して海外留学中だった理瀬は、亡くなった祖母の遺言に従うため帰国。「理瀬が半年以上住まない限りは家を処分してはいけない」という何とも奇妙な遺言。祖母の真意が読めぬまま、理瀬は「魔女の館」と称される洋館で二人の叔母と共同生活を始める。

理瀬の生い立ちや周りを囲む一癖も二癖もある人物たち。先の数冊を読んで知識たっぷりなので、冒頭から人物間に漂う独特な緊迫感がひしひしと伝わってきます。これから読んでも面白いだろうけど、順番通り読むほうが面白さが倍増しそう。これから読む人は是非順番通りに読みましょう。ちなみに順番は、「三月は深き紅の淵を」→「麦の海に沈む果実」→「黒と茶の幻想」→「黄昏の百合の骨」。「黒茶」と「黄昏」は逆でも可です。

自分が特別な存在であることを深く受け止めている理瀬ですが、所詮まだ十六歳。誰かの世話にならずには生活していけません。性格の異なる二人の叔母・梨南子と梨耶子、従兄弟・稔と亘、そして同級生・雅雪などからの助力をうまく利用しながら、目的に向かってまっしぐらな理瀬はやはりただ者ではないかも。ただ、完璧であろうとする中に女の子っぽい部分が見え隠れし、何だか妙なリアルさと甘美な香りを感じたのは僕だけでしょうか。

周りを囲むキャラも魅力的。男の子たちがみんな性格がよく、少女漫画にでも出て来そうなのは恩田さんの趣味か?と思わなくもないですが。中でも雅雪がとてもよい。明らかに理瀬とは違う世界を生きる男の子ですが、包容力や洞察力が優れていて、理瀬との会話では張り詰めていた緊張の糸が緩むのを感じました。ところで、雅雪って何かの作品に出てましたっけ?何だか初対面とは思えなくて。

館の謎も解け、これで一件落着と思いきや・・・。ラストにはとても驚かされました。理瀬でなくとも人間不信に陥りそう。

今後この物語はどのように展開されるのでしょうか。願わくば、僕がこのシリーズの内容を覚えている間に出て欲しいものです。まぁ、もう一度この世界を楽しむという手もありますが。

+++++

【みなさまのご意見】
+ChiekoaLibrary+さん
本のある生活さん
+++こんな一冊+++さん
こばけんdaysさん
本を読む女。改訂版さん
苗坊の読書日記さん
本を読んだら・・・さん
ナナメモさん
多趣味が趣味♪さん('06/07/26追加)
"やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!!さん('06/09/16追加)
猛読酔書さん('06/09/16追加)
本を読もうさん('07/04/16追加)
きょうのできごと・・・。さん('07/06/13追加)
たこの感想文さん('07/06/15追加)
*モナミ*さん('08/04/06追加)


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comment

あおちゃんさん、こんばんは。
私、読んだのが去年の9月。
えぇ、もちろん忘れていますとも!
続編がでたら再読です。

雅雪は、他の作品には出てないと思うんですが、
「麦海」の黎二にイメージを重ねてしまいました。
(好みなんです♪)
ラストは驚きましたよね。まさかこうくるとは・・。

  • june
  • 2006/07/19 11:41 PM

あおちゃんさん、TBありがとうございます^ ^

続編はもちろん出て欲しいと期待しているのですが、
そもそも『三月』が4章構成で、
その中で語られる“幻”の『三月』も4部構成、
『黒茶』の主人公たちも4人で、物語も4章構成、
と、ここまで4できてたら、
シリーズも4作目の『黄昏』で締めくくるのでは??

なんて、悲しい想像をしてたりもします。。(T_T)
でもまだまだ読みたいですよね!

■ななさん
僕も「三月」は既に忘れています・・・。「麦海」もあやしい・・・。
たぶん再読することになると思います。また楽しみましょうね。

  • あおちゃん
  • 2006/07/20 8:57 PM

■juneさん
そうですか、雅雪はどこにも出てきてませんか・・・。勘違いかな。
作中で理瀬も言っていたように、雅雪は黎二と重なりますね。
恩田さんの本には美男子が多い。おそらく恩田さんは面食いと思われます、、、。

  • あおちゃん
  • 2006/07/20 9:00 PM

■こばけんさん
なるほど。すべてが"4"で繋がっていると推測されているのですね。
ただ、ラストは次へ含みを持たせているように感じ取れたのですが・・・。
期待せずにゆっくり待ってみましょうね。

  • あおちゃん
  • 2006/07/20 9:01 PM

こんにちは〜^^
遅くなりましたが、TBありがとうございました。
恩田さんの本は、最後に拍子抜けしてしまうものも多いのですが^^;
この作品は、納得して終わったように思います。
最後の最後はびっくりでしたけどね^^;
女はこわいったら。
私も雅雪好きです。

■苗坊さん
この本は最後までしっかり書ききっていますよね。
恩田さんの本って謎が謎のままで終わるものが多いから・・・。
まぁそれは作風の一つかもしれませんが。

  • あおちゃん
  • 2006/07/24 1:13 AM

こんばんは。
ついに「三月シリーズ」読み終わりました。
ミステリーとしてはとても面白く思い、読み終わりました。
大どんでん返しが2回もあったし。
最後は特に驚きましたね〜。
ただ、どうも理瀬が理解できず・・・。
うーん、精進します・・・。

■tomekitiさん
こんにちは。
冒頭に"完結編"なんて書いてましたが、まだ出るかもしれませんよね。
ちょっと書き直してみました。
理瀬は大人っぽさと子どもっぽさ、表の顔と裏の顔を併せ持っていて複雑ですよね。
その部分が共感できないことにつながっているのではないでしょうか。

  • あおちゃん
  • 2006/07/26 4:52 PM

そうですね〜。
彼女の複雑さがよくわからないのかもしれませんね。
しかも、女は女に厳しいのです!(爆)
今日、短編が掲載されているという『図書館の海』を借りてきたので、そちらも読んでみますね!

■tomekitiさん
「図書館の海」はいろんなお話が詰まっていて、恩田作品の総覧みたいになっているので、
お得な感じがします。もっと恩田さんの本を読みたくなるかも。
感想、おまちしてます。

  • あおちゃん
  • 2006/07/28 2:59 AM

やっと読みました♪
うん、とってもおもしろかった。
やっぱりこれは、あおちゃんおっしゃるように、シリーズ読みですね。
ラスト、びっくりでした?
えっ!そう???な〜んて思う私は、分かってないのかな〜。。。なんか不安(^^;)

■そらさん
びっくりしませんでした?
えっ、まさか、信じてたのに・・・、って感じでした。
また何かの形で理瀬たちに会いたいなぁって思います。

  • あおちゃん
  • 2006/11/01 11:37 AM








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