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「邪魔」奥田英朗

邪魔タイトル:邪魔
著者  :奥田英朗
出版社 :講談社
読書期間:2006/01/28 - 2006/01/31
お勧め度:★★★★★

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始まりは、小さな放火事件にすぎなかった。似たような人々が肩を寄せ合って暮らす都下の町。手に入れたささやかな幸福を守るためなら、どんなことだってやる−現実逃避の執念が暴走するクライム・ノベルの傑作、ここに誕生。
第4回大藪春彦賞受賞作にして、2002年版「このミス」第2位の本作。著者第二作の「最悪」と同じ多視点の犯罪小説です。同じような雰囲気を感じるものの、追う立場、追われる立場の人間か描かれているせいか、本作の方が重たい雰囲気が立ち込めています。

追われる立場は及川茂則・恭子夫妻と高校生・渡辺裕輔、追う立場は刑事・九野薫。それぞれ重要な位置を担っているのは間違いないが、そのなかでも及川恭子と九野薫がメインと言えます。

普段はおとなしく、人の上に立つことをしたがらない性格の及川恭子。パート先の雇用条件を巡る争いに巻き込まれ、なぜか先頭に立って行動するようになる。一方、周囲から孤立。追い討ちをかけるように夫・茂則の会社では放火事件が発生し、夫を疑い始める・・・。その放火事件を追うのが九野薫。妻を交通事故で亡くし、以来不眠症を患っている。早い段階から及川茂則を本ボシと睨み、行動確認を取る毎日。ある日見かけた茂則の妻・恭子に事故でなくした妻の面影を感じる・・・。

人間が追い詰められた時の行動。傍からみたら、なぜそうなるのかと疑いたくなります。しかし、冷静な判断が失われてしまっているため、当人にとってはもうそれしか考えられないのでしょう。逃げ場を求めて雇用条件闘争していったり、子供のけんかに飛び出していったり(原因は放火事件)、ラストに車を飛ばしてあのような行動を取ったりなど、及川恭子の行動は素の状況下では理解しかねます。しかし、もし自分がその立場に立たされたら・・・、やはり似たような行動になるかも・・・。そう考えると背筋がゾクッとしてきます。

他方、九野刑事はというと追い詰める立場でありながら、職場の軋轢で自身も追い詰められるのが面白いです。同僚の素行調査を担当した事から逆恨みされたり、及川茂則が怪しいと言うことを上司に報告せず(それはコンビを組んだキャリアの意向であったのだけど)、署内の立場が怪しくなります。生きている意味を自問自答する様子が読んでいて苦しかったです。

「最悪」と比べて重厚な分、読後感は「最悪」よりいいとは言えませんが、僕はこちらの方が好みでした。

あと、読了後どうしてもわからなかったことがあります。どなたかわかる方、コメント欄で教えてください。(以下ネタばれ含むため、伏字とします。コメントへの回答も読んだら削除させていただくかもしれませんので、ご了承ください)

〜ここから〜
九野の義母は、妻と同じく事故死した? 入院して5日後に死亡したとの記述があったが・・・。ならば、九野が義母と思っていた人は誰? 何の目的にそんなことをしたのだろうか?
〜ここまで〜

+++++

【みなさまのご意見】


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comment

おはようございます。
TBありがとうございました。リンクもはっていただき、ありがとうございます。

伏字の部分、自分の考えをお答えしたいところですが、なんせ随分前に読んだため、記憶がさだかではありません。
私も、気になりましたが、確かめようにもあの厚さなもので(苦笑)
お答えできなくてどうもすみません。

  • ゆう
  • 2006/02/14 10:41 AM

こんにちは。りょーちと申します。トラックバックいただいたよーなのでおじゃましてみました。
一見何の接点もなさそうな面々が実は重なり合うように夫々接点を持っている。まさに小説っぽい小説でした。
自分のblogにも書いたのですが、物語の終盤に及川恭子のとった行動は理解不能でした・・・orz
でもなかなかにして読み応えのある小説でした。
#ちなみに私は「最悪」の方が好みです(^^;

ではでは。

■ゆうさん
こんにちは。コメントありがとうございます。そう、あの厚さがね・・・。
横着して知ってる人に聞いてしまえと思って伏字部分を書いてしまいました。
さらっと読み直して確認してみたいと思います・・・。

あっ、知ってる方のコメントは継続して受け付けますので、
よろしくお願いします。m(_ _)m

  • あおちゃん
  • 2006/02/14 12:02 PM

■りょーちさん
こんにちは。
読み応えありましたね〜。内容も厚さもたっぷりでした。
終盤の及川恭子の行動は理解不能でいいんじゃないでしょうか?
おそらく当人もよくわからないで行動しているものと思われますし・・・。

  • あおちゃん
  • 2006/02/14 6:46 PM

TBしておいてなんですが,きれいさっぱり忘れていますw
私は『最悪』の方が好きですね。これで奥田に嵌ったというのもありますし。

  • シリウス
  • 2006/02/19 2:39 AM

■シリウスさん
僕も奥田さんの初読みは「最悪」で、しかも刊行直後に読みました。
でも2冊目を読んだのは最近。まさか直木賞作家になるとは・・・。
「最悪」の方が面白いっていう方のほうが多いですね。
僕がすこしずれてるのかなぁ。

  • あおちゃん
  • 2006/02/21 10:39 AM

はじめまして。
「奥田英朗 邪魔」で検索してたどりつきました。
たぶんもう答えられたかたがいるのだと思いますが(そうでしたら削除してください)、
いちおう九野の義母のことを。
おそらく九野が義母だと思っていた人は、九野の頭の中にいただけで、
実際には存在しなかったのでしょう。
作中に、九野が電話をかけても義母が出ないシーンが何度かありますが、
それも九野の義母(正確にはそのふりをしていた人)が実際には存在しなかったとすれば、
出ないのも当然です。
そう考えて、序盤の九野と義母があっているシーンを読み返すと背筋がこおるようです。
そりゃ井上も逃げたくなるでしょう。

■はなぶささん
はじめまして。コメントありがとうございます。
久野の義母のこと、すごく納得できました。それならばつながります。
すっきりしました!

  • あおちゃん
  • 2006/09/26 1:26 PM








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trackback

邪魔*奥田英朗

☆☆☆☆・  狂おしいまでの孤独と自由。  奥田英朗は、やっぱり凄い。  始まりは、小さな放火事件にすぎなかった。  似たような人々が肩を寄せ合って暮らす都下の町。

  • +++ こんな一冊 +++
  • 2006/02/13 8:00 PM

邪魔 奥田英朗 ◆

邪魔奥田 英朗講談社 2001-04by G-Tools 渡辺裕輔、いわゆる不良の高校生。仲間の弘樹・洋平と共に、夜の街で遊び暮らす毎日。ある日3人が親父狩りのターゲットに選んだ男は刑事の九野だった。3人は、九野に逆襲され、怪我を負う。 及川恭子、34歳。サラリーマン

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奥田英朗の自伝的小説『東京物語』は、1989年の11月10日の「バチェラー・パーティー」で終わっている。主人公は30歳になろうとしていたが、「現在の仕事の充実と収入増を考えつつも、どこか仮の姿という意識をもっていた」彼は得意先である地上げ屋社長の胡散

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邪魔〈上〉奥田 英朗 / 講談社(2004/03)Amazonランキング:8,851位Amazonおすすめ度:一級のクライムノベル説得力がある日常との連続性これでミステリー嫌いを克服?Amazonで詳細を見るBooklogでレビューを見る by Booklog 邪魔〈下〉奥田 英朗 / 講談社(2004/03)Amazo

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  • 2006/02/15 2:19 AM

「邪魔」(奥田英朗著)

 今回は 「邪魔」 奥田 英朗著 です。この本は第4回大藪春彦賞受賞作ですね。

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  • 2006/02/16 7:28 PM

奥田 英朗の「邪魔」読了

邪魔 奥田 英朗 著 「邪魔」 ★★★☆ 始まりは、小さな放火事件にすぎなかった。似たような人々が肩を寄せ合って暮らす都下の町。手に入れたささやかな幸福を守るためなら、どんなことだってやる―現実逃避の執念が暴走するクライム・ノベルの傑作、ここに誕

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  • *モナミ*
  • 2008/08/31 9:38 PM

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  • 2015/03/11 5:53 PM