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「安政五年の大脱走」五十嵐貴久

死にぞこないの青タイトル:安政五年の大脱走
著者  :五十嵐貴久
出版社 :幻冬舎文庫
読書期間:2005/08/01 - 2005/08/04
お勧め度:★★★

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安政五年、井伊直弼に謀られ、南津和野藩士五十一人と、美しく才気溢れる姫・美雪が脱出不可能な絖神岳山頂に幽閉された。直弼の要求は姫の「心」、与えられた時間は一カ月。刀を奪われ、逃げ道を塞がれた男達は、密かに穴を掘り始めたが、極限状態での作業は困難を極める…。恋、友情、誇りが胸を熱くする、痛快!驚愕!感動の娯楽大作。
気になる作家さんとして挙げていた五十嵐さん。本人(?)からコメントをいただいたことをきっかけに読んでみることにしました。五十嵐さんは掲示板やブログに登場することで有名らしいですね。

南津和野藩の姫・美雪を見初めた時の大老・井伊直弼。側室へ迎え入れようとするが姫は首を縦に振らない。業を煮やした直弼は、家臣・長野主繕の知略を借り、姫と南津和野藩士51人を謀反の濡れ衣で幽閉する。場所は四方を崖に囲また絖神岳。南津和野藩士・櫻井敬吾の指揮の元、藩士たちは脱出不可能と思われるこの山からの脱出を企てる。

絶対的な権力者に無下に逆らえず圧力を加えられながらも、その心根を曲げない姫と藩士の強さが描かれています。前後の道を立たれても何もかもを取り上げられても、自分の誇りと他人を敬う心を持って立ち向かう姿に、力では何も変えられないということを深く感じました。

やや物足りなく感じたのは、タイトルにある通り、これは映画「大脱走」を意識してると思いますが、穴掘りの場面の描写がやや薄く感じたこと。読んでいる時はそれなりに面白かったけど、思い返してみるとあまり覚えていないのです。覚えているのは「腐れ風」くらいでしょうか。

あと気になっているのが史実との整合性。調べる気力がわかないのでほったらかしてますが、井伊直弼も長野主膳もこれほどまでに悪い人だったのかということ。井伊直弼の政治的手腕は彦根藩を立ち直らせるなど認めてもいいものと思われるし、長野主膳は忠実な家臣と言う意味では褒められてもいいのかもしれない。善と悪を明確にすることでよりわかりやすい展開となりますが、ここまで悪に書いてもいいものかと。

と書きましたが、ラストの展開には驚かされました。考える直すとあれが伏線だったのかと思いあたる点が多々あって、なかなかうまく出来ていると思います。そして、脱走その後のお話がさわやかな読後感をもたらしてくれます。

※この本をオススメいただいた「のほ本♪」のゆこりんさんに多謝!おっ、ゆこりんさんは最近五十嵐さんの新作「2005年のロケットボーイズ」を読了されたようですね。

+++++

【みなさまのご意見】
本のことどもさん
のほ本♪さん
たこの感想文さん
デコ親父はいつも減量中さん('06/09/20追加)
多趣味が趣味♪さん('07/02/08追加)
雑読日記さん('07/06/25追加)


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comment

こんにちは♪
記事に私の名前が・・・(∩。∩;)ゞ
面白いと言ってもらえて、うれしいです(*^▽^*)
「TVJ」もおすすめです♪

■ゆこりんさん
オススメどうもでした。
すごく楽しめました。ラストは想像付かなかったなぁ・・・。
「TVJ」は、「安政五年〜」とは全く違う作品のようですね。これも面白そう!
次は「TVJ」を読んでみようと思います。

  • あおちゃん
  • 2005/08/10 7:44 PM

どうも、五十嵐貴久です。本人だったりします。
感想、どうもありがとうございます。
さて、そんなこんなで私の新刊「パパとムスメの7日間」が、このたび朝日新聞社から発売されました!47歳のパパと、17歳のムスメの体と心が入れ替わって起きる大騒動を描いた話でございます。よかったら、試しに読んでみていただければ嬉しいです。ではでは。五十嵐貴久でした。

  • 五十嵐貴久
  • 2006/10/11 6:44 PM

■五十嵐さん
ご本人からコメントいただけるなんて感激です!
なのに、まだ数冊しか作品を読んでません。すみません、、、。
新作、既刊本いずれも読んでみたいと思います。

  • あおちゃん
  • 2006/10/11 10:00 PM

最後には驚かされましたね!
あれで本当に飛べるのか・・・というのが疑問ですが、
それはエンタメ小説というころでご愛嬌でしょうか。
別作品も読んでみたいと思います。

■tomekitiさん
ラストがああいう展開になると誰が予想できたでしょう!
気になる点は多々あったのですが、ラストで気分も晴れました。
僕も今年は五十嵐さんの読み残している作品を読んでみるつもりです。

  • あおちゃん
  • 2007/02/08 2:39 PM








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trackback

安政五年の大脱走(五十嵐貴久)

側室の話を断った津和野藩の美雪姫。怒った大老井伊直弼は津和野藩に謀反の疑いをか...

  • のほ本♪
  • 2005/08/10 3:30 PM

(書評)安政五年の大脱走

著者:五十嵐貴久 江戸幕府大老・井伊直弼によって、小藩の姫と藩士51名が、切り立

  • たこの感想文
  • 2005/08/10 6:23 PM

読書感想「安政五年の大脱走」

読書感想「安政五年の大脱走」 安政五年の大脱走 【評価】★★★★

  • 三匹の迷える羊たち
  • 2006/04/01 12:02 AM

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  • デコ親父はいつも減量中
  • 2006/09/19 11:36 PM

五十嵐貴彦『安政五年の大脱走』

五十嵐貴久『安政五年の大脱走』 幻冬舎 2003年4月25日発行 大老・井伊直弼のはかりごとにより、 50人の津和野藩士と姫・美雪が脱出不可能な断崖絶壁の山頂に幽閉された。 直弼の要求は美雪の「心」・・・。 誇りをかけた男たちの大脱走計画とは・・・?

  • 多趣味が趣味♪
  • 2007/02/07 10:37 PM

安政五年の大脱走

本書の著者である五十嵐貴久氏は、ウェブ上の 書評などにコメントをつけることが多いらしいですね。 確かに、巡回したいくつかのブログにコメントがありました。 そういえば、つい最近「本の雑誌」の読者投稿欄にて、 五十嵐氏が「次どんな小説を書いたらよいでし

  • 雑読日記
  • 2007/06/23 9:51 PM