2018/04

01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

<< >>


スポンサーサイト

  • -
  • スポンサードリンク
  • -
  • -

一定期間更新がないため広告を表示しています


「イッツ・オンリー・トーク」絲山秋子

イッツ・オンリー・トークタイトル:イッツ・オンリー・トーク
著者  :絲山秋子
出版社 :文藝春秋
読書期間:2005/07/23
お勧め度:★★★★

[ Amazon | bk1 | 楽天ブックス ]


引越しの朝、男に振られた。東京・蒲田−下町でも山の手でもない、なぜか肌にしっくりなじむ町。元ヒモが居候、語り合うは鬱病のヤクザに痴漢のkさん。いろいろあるけど、逃げない、媚びない、イジケない、それが「私」、蒲田流。おかしくて、じんわり心に沁みる傑作短篇集。第96回文学界新人賞受賞。十年に一度の逸材、鮮やかなデビュー作。
逃亡くそたわけ」で第133回直木賞候補に挙がった著者のデビュー作。この本で第96回文学界新人賞受賞、そして第129回芥川賞候補となっています。デビュー作で候補になってから3回連続芥川賞候補になり落選、直木賞も落選と賞には恵まれてない感ありですが、しかしこれほど落選続きだと逆に気になるのが人間の心理?!。

「直感で蒲田にすむことにした」出だしのこの一文にやられました。何で"直感で"しかも"蒲田"なんだろうと。それが気になって一気読み。表紙からほのぼのとしたお話を想像していたのですが、予想とは180度違って結構ヘビーです。

躁鬱病を患う無職の女性が主人公。都議を目指すEDの同級生、鬱病のヤクザ、ネットで知り合った痴漢など主人公の周りにいる男性陣との係わり合いを描いています。男性との微妙な距離感・空気感を嫌い、簡単に寝てしまう主人公ですが、実は普通の愛情には飢えていて・・・。淡々とした主人公の語りのおかげで重たくは感じさせません。かといって、現実感がないかというとそうでもなく、割り切りや退廃的な部分が病気を患う主人公にふさわしくて妙にリアル。うまくは言えないけれど、何となく主人公の気持ちはわかるし、普通に受け入れられました。

もう一編収録されている「第七障害」は、ほんとに同じ人が書いたのかなぁと疑いたくなるほど打って変わってすがすがしい作品。馬術競技で愛馬を亡くし心の傷を抱えた女性の恋愛と蘇生を綴っています。乗馬クラブ時代にはライバルであった男性・篤、元カレの妹・美緒など登場人物も魅力的。ラストでの篤との今後を予感させる描写がとても心地いいです。

どちらも甲乙付けがたい2編でした。デビュー作にしてその懐の深さを見せてくれて、次作以降がとても楽しみ。すでに「海の仙人」は入手済みなので読むのが待ち遠しいです。

【関連ページ】

+++++

【みなさまのご意見】


スポンサーサイト

  • 14:19
  • -
  • スポンサードリンク
  • -
  • -


related search by amazon
comment

『海の仙人』もよいですよ〜。
夏にぴったりです!

あおちゃんさん、はじめまして。
トラックバックありがとうございました。
私はこの本で、絲山さんの作品に惚れました。
「海の仙人」では、涙。
いまだに、なぜ泣いたのかわからないのですが。

私もTBさせていただきます。
今後もどうぞよろしくお願い致します!

■chiekoaさん
夏にぴったりとは?その真意や如何に。
帯とかまったく読まない人なんで・・・。
でも、楽しみ!

  • あおちゃん
  • 2005/08/02 1:09 AM

■ましろさん
はじめまして。
僕もとても気に入ってしまいました。独特な空気を持った作家さんですね。
刊行作品は少ないですが、どれも楽しみです。
こちらこそ今後ともよろしくお願いします。
次の読書の参考にさせていただきますね。

  • あおちゃん
  • 2005/08/02 1:33 AM








preview on
ご利用のブラウザ、設定ではご利用になれません。

trackback

◎「イッツ・オンリー・トーク」 絲山秋子 文藝春秋 1500円 2004/2

 第129回芥川賞候補になった表題作「イッツ・オンリー・トーク」と「第七障害」との2編の短編が収められた本書である。  「イッツ・オンリー・トーク」うんうん悪くない。文体的に、こういうサラッとしたの評者好き♪ただ、主人公の女性が性的に歯止めのないよう

  • 「本のことども」by聖月
  • 2005/08/01 2:23 PM

絲山秋子のことども

  ◎ 『イッツ・オンリー・トーク』 ◎◎ 『海の仙人』 ◎◎ 『袋小路の男』 ◎◎ 『逃亡くそたわけ』

  • 「本のことども」by聖月
  • 2005/08/01 2:24 PM

イッツ・オンリー・トーク [絲山秋子]

イッツ・オンリー・トーク絲山 秋子文藝春秋 2004-02-10 表題作の「イッツ・オンリー・トーク」と「第七障害」という二つの短編が収録されています。 「イッツ・オンリー・トーク」はデビュー作だったんですね。 主人公は蒲田で一人暮らしをしている女性、橘優子

  • + ChiekoaLibrary +
  • 2005/08/01 4:07 PM

イッツ・オンリー・トーク

 引っ越そうと電話線を抜こうとしたその時、別れ話をもちかけられる。コミュニケーションとして、誰とでもつい寝てしまう。合意のもと、出会い系で知り合った痴漢と付き合っている。いとこから自殺予告メールがくるなど、異色な出来事盛り沢山の絲山秋子・著『イッツ・

  • まっしろな気持ち
  • 2005/08/01 4:10 PM

イッツ・オンリー・トーク (絲山秋子)

『イッツ・オンリー・トーク』『第七障害』の2編が収録されています。 インプレはデビュー作『イッツ・オンリー・トーク』のみです。 別掲の『海の仙人』にはかなり否定的な印象を抱いてしまいましたが、こちらの方は、好みではないけれど読み応えを感じました。

  • 読んだモノの感想をわりとぶっきらぼうに語るBlog
  • 2005/08/02 10:03 AM

イッツ・オンリー・トーク

イッツ・オンリー・トーク絲山 秋子 / 文藝春秋(2004/02/10)Amazonランキング:27,014位Amazonおすすめ度:Amazonで詳細を見る 蒲田に住もうと思い立って、住む場所を決めて引っ越しという日の朝、男に振られた女、橘優子。世間から半ばドロップアウトしたような形で

  • 雑食レビュー
  • 2005/08/02 9:16 PM

「イッツ・オンリー・トーク」絲山 秋子

「イッツ・オンリー・トーク」絲山 秋子(2004)☆☆☆★★ ※[913]、国内、現代、小説、文芸、文学、文学界新人賞 ここのところ、ネットのぼくのまわりで話題の作家。幾編かを読んでいるが、本作が彼女のデビュー作。第96回文学界新人賞受賞。本書は表題作「イッツ

  • 図書館で本を借りよう!〜小説・物語〜
  • 2005/08/03 8:29 AM

絲山秋子【イッツ・オンリー・トーク】

短編2つを収録した本。表題作の『イッツ・オンリー・トーク』と、『第七障害』。 『イッツ・オンリー・トーク』は、『やわらかい生活』というタイトルで映画化された。 本の帯に寺島しのぶと豊川悦司の写真がある。 『

  • ぱんどら日記
  • 2006/08/17 1:28 PM