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「センセイの鞄」川上弘美

センセイの鞄タイトル:センセイの鞄
著者  :川上弘美
出版社 :文春文庫
読書期間:2005/07/12 - 2005/07/14
お勧め度:★★★★

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駅前の居酒屋で高校の恩師と十数年ぶりに再会したツキコさんは、以来、憎まれ口をたたき合いながらセンセイと肴をつつき、酒をたしなみ、キノコ狩や花見、あるいは島へと出かけた。歳の差を超え、せつない心をたがいにかかえつつ流れてゆく、センセイと私の、ゆったりとした日々。谷崎潤一郎賞を受賞した名作。
主人公となる女性・ツキコさんは40歳間近。一人で居酒屋にいって一杯飲んでしまうような女性です。いつものように居酒屋でつまみを注文していると、隣でやけに好みの合う注文をしている人がいる。それが、30数年ぶりの「センセイ」との再会でした。顔は覚えているが名前が出てこない「センセイ」。だから、名前を思い出した後もこの時の印象が尾を引き呼び方は「センセイ」のまま。

センセイは30歳近く年上、70歳近いのでしょうか。別に予定を合わせるわけでもなく、たまたま居酒屋であったら一緒に飲む。そんな関係からきのこ狩りや花見などを経て徐々に距離を縮めていく二人。しかし、そこは既に年齢を重ねた大人の恋愛。燃え上がるようなものではありません。ゆるゆるした時間の経過の中で徐々にお互いに惹かれていきます。

何とも独特な文体です。皆まで言わず、読み手に任せているような書き方。一見簡単そうに思えて、実はきっちり計算の上に成り立っている書き方。そのように感じます。時間の経過は常にゆるやか。目の前にうっすらと膜がかかったような感じで、この膜を通して見ると居酒屋で一緒に飲むとかきのこ狩りとか、日常の何気ないことが全てとても意味のあるものに思えてきます。

センセイとツキコさんの会話からは年の差は感じられません。しかし現実は残酷、一緒の時間もそう長くは続きません。ラストであっという間に訪れたセンセイの死、それを現実のものと受け止めるツキコの姿が何とも切ないです。最後まで読み終えて、今までの話はセンセイの死後におけるツキコの回想なのかなぁとも感じました。

また数年後に読み返してみよう。おそらく今とは違った印象を受けるに違いない。そんな気持ちにさせてくれるお話です。

※この本をオススメいただいたざれこさんMARUさんに多謝!!

+++++

【みなさまのご意見】


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comment

この本、ステキですよね…。『パレード』もオススメです!

■chiekoaさん
「神様」もオススメだって聞いてます。「パレード」もですね!
読みたい本がたくさんあって時間が足りません・・・。

  • あおちゃん
  • 2005/07/26 1:20 AM








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trackback

「センセイの鞄」川上弘美

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センセイの鞄 [川上弘美]

センセイの鞄川上 弘美平凡社 2001-06 ツキコと、高校時代の国語のセンセイの恋の物語。 ツキコさんは38歳、センセイはもうご老体。最初は全然「恋の物語」じゃなかったのですが、みるみるうちに恋の物語になりました。そうか、恋ってこういうものだよね…と思って

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『センセイの鞄』 川上弘美 (文春文庫)

センセイの鞄川上 弘美 / 文藝春秋(2004/09/03)Amazonランキング:3,699位Amazonおすすめ度:時間の流れ大好きですいいなあAmazonで詳細を見るBooklogでレビューを見る by Booklog 誰にでも思い入れの強い作品というものがあるであろうが、私にとってはこの作品はと

  • 活字中毒日記!
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センセイの鞄 (川上弘美)

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