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「マークスの山」高村薫

マークスの山(上) 講談社文庫マークスの山(下) 講談社文庫タイトル:マークスの山
著者  :高村薫
出版社 :講談社文庫
読書期間:2005/03/23 - 2005/04/01
お勧め度:★★★★

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下巻 → [ Amazon | bk1 | 楽天ブックス ]


「俺は今日からマークスだ!マークス!いい名前だろう!」―精神に「暗い山」を抱える殺人者マークス。南アルプスで播かれた犯罪の種子は16年後発芽し、東京で連続殺人事件として開花した。被害者たちにつながりはあるのか?姿なき殺人犯を警視庁捜査第一課七係の合田雄一郎刑事が追う。直木賞受賞作品。(上巻)

殺人犯を特定できない警察をあざ笑うかのように、次々と人を殺し続けるマークス。捜査情報を共有できない刑事たちが苛立つ一方、事件は地検にも及ぶ。事件を解くカギは、マークスが握る秘密にあった。凶暴で狡知に長ける殺人鬼にたどり着いた合田刑事が見たものは…。リアルな筆致で描く警察小説の最高峰。
高村本2冊目。直木賞受賞作ということで、否が応でも期待度が高まる。賞を受賞していない本でも毎回期待して読んでいますが。

「山が舞台」「警察官が主人公」との情報から、どうしても横山作品(書評はこちら)と比較してしまう。先に読んだ本「黄金を抱いて翔べ」にも言える事だが、「マークスの山」も横山作品に見られるエンタテインメント性は皆無。文章のテンポがよくなくて無骨な印象だ。でも、それが内容とマッチしているので気にはならない。

昭和51年に南アルプスで発生した殺人事件と16年後の東京で発生した連続殺人事件。一件繋がりのない事件が実は「マークス」によって繋がっている・・・。

真犯人「マークス」の犯行は周到となど言えず、むしろ杜撰の部類に入る。それにも関わらず、次々に犠牲者は増えてゆく。被害者たちの繋がり、合田刑事を始めとする個性的な刑事たちと犯人を結ぶ繋がりとは何か。

犯人の視点、合田の視点が交互に書かれているので、犯人探しという面ではやや物足りなさは残るだろう。どんでん返しもない。実際に犯人と被害者を結ぶ糸を知っても特に驚きも感じなかった。本作の読みどころは、「犯人当て」ではなく「どうして連続殺人を防げなかったか」なのであるから、どんでん返しなどなくてもよいのだ。また、「マークス」の描写が弱い(実際下巻ではほとんど現れない)という意見もあるだろうが、意図的にそうしているのが見えるので、これもまたこれでよいのだろう。

これは警察小説なのだろうか。舞台は警察なので、そう呼ぶのが正解なのだろう。しかし、なんだかそんな枠にはめてしまうには勿体無い人間ドラマがこの話では展開されている。

最後にはしんみりとさせてくれるが、全編通じて重苦しい雰囲気。みんなが口々に面白いと語っているのが不思議なくらい読者を選ぶ作品だ。みんなにお薦めとは言えないが、自分と趣味が合う人には是非薦めてみたい。

+++++

【みなさんのご意見】
日々のことわりさん
無駄口日記さん
Nonsense Talkさん
ICHIメンバーの独り言さん
mihengの本棚さん
たこの感想文さん('05/08/09追加)
本を読む女。改訂版さん('05/08/10追加)
"やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!!さん('07/04/09追加)


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comment

TBありがとうございます。
私はこの作品というより、この作者にはまったクチで、この作品からこの作者の作品はほぼ全作読んでいます。この作者がドフトエフスキー『罪と罰』、辻邦生『背教者ユリアヌス』に影響されたとのコメントをどこかで読んだ記憶がありますが、私にとっても辻邦生『背教者ユリアヌス』は記憶に残る一冊であり、この作者の重厚さは私にとっては心地よい重苦しさとなっています。

■あさやんさん
コメントどうもです。
ドフトエフスキー『罪と罰』、辻邦生『背教者ユリアヌス』は、共に名前は聞いたことがありますが未読です。ちょっと敷居が高いような気がして・・・。今だったら読めるかもとも思うので、本屋さんで見かけたら手にしてみたいと思います。

  • あおちゃん
  • 2005/04/13 12:05 PM

めちゃくちゃ久しぶりにやってきたら、高村先生の作品が
載っているではありませんか!
エンターテイメント性皆無・・・ですか。
意外とドラマ化、映画化されてるねんけど、たしかに
暗いかも。
高村先生は推理小説を書いているつもりじゃないらしいです。
あと、うちのシャチョウ曰く「純文学作家」とか。

高村先生の作品を立て続けに読んでいた頃、私も精神的に
ボトムの底の底をさまよっていて(今でもちゃんと立ち直れて
いないが・・・)、出てくる人と気持ちが共鳴しすぎて
かなりヤバかった記憶があります。
「レディ・ジョーカー」なら、エンターテイメント性高いかも?

  • 小麦
  • 2005/05/03 6:36 PM

■小麦さん
お久しぶり。忙しいようですね。
この本、すごく重かったですわぁ。何のために生きるのかをずっと問いかけられてる感じ。文章もごつくて重々しいし読み進めるのが大変でした。純文学か・・・。なるほどそうかもしれませんね。最近はエッセイとか軽いものばかり読んでます。その合間に宮部さんとか。また高村さんを読み始めようかな〜。

  • あおちゃん
  • 2005/05/03 11:10 PM








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trackback

本を片手に。[マークスの山]

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  • ICHIメンバーの独り言
  • 2005/04/11 12:31 AM

(書評)マークスの山

著者:高村薫 南アルプスで16年前に起こった事件により、心に「暗い山」を抱えた殺

  • たこの感想文
  • 2005/08/09 2:57 PM

「マークスの山」高村薫

例によってサイトの過去記事をアップしています。 これ↓、読んだ直後に興奮して書いたため、ネタバレしてます。 読んだ方だけ「続きを読む」をクリックしたほうがよさそうです。 まあ、興奮して書いてるので意味わかんないけどね。 読み終わって茫然自失で

  • 本を読む女。改訂版
  • 2005/08/10 2:21 PM

マークスの山 高村薫

マークスの山 この本は、日だまりで読書のそらさん、ディックの本棚のディックさんにオススメしてもらいました。ありがとうございました。 ■やぎっちょ書評 そらさんに「この本は単行本で」という指導を受けていたのでその通りに。 文庫を読んでいないからわから

  • "やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!!
  • 2007/04/09 12:35 AM

マークスの山

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  • のほほんの本
  • 2009/07/26 12:53 PM