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「臨場」横山秀夫

臨場タイトル:臨場
著者  :横山秀夫
出版社 :光文社
読書期間:2004/11/16 - 2004/11/17
お勧め度:★★★

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「終身検視官」の異名をもつ捜査一課調査官・倉石義男をキーマンとした連作短編集。検視官(事件現場の調査を行い、自殺・他殺・事故等の判断を下す)であって検死官(死体を解剖し、死因を特定する)ではないので、お間違えなきよう。

一つ前に読んだ「看守眼」がやや物足りなくて不満だったんだけど、本作でその不満も吹っ飛びました。警察を舞台にした作品は横山秀夫の真骨頂ですね。すごくいい。警察モノ=横山秀夫と言っていいです。検視官・倉石は、明け透けな言動と上司を上司を思わない態度から疎んじられているけれど、長年の鑑識で磨いた洞察眼と花や虫にまで及ぶ豊富な知識で自殺と思えるものを他殺に、どうみても殺人事件というものを自殺と判定して行きます。またそれがズバズバと当たるのです(小説なので当然ですが)。

これまでの横山秀夫の作品の多くと同様に各短編の語り手はあくまでも別の人物とし、こんな倉石を各編で要所に登場させるに留めていることが、返って倉石のキャラクターと物語のストーリーが強く印象付けられています。倉石を主人公とすることでも一冊書けちゃうんだから、ある意味もったいない使い方ですよね。倉石のキャラは、「第三の時効」に出てきた捜査一課各班の班長・朽木、楠見、村瀬の三人と肩を並べるくらいなのに。

それにしても倉石調査官、格好良いです。仕事への誇り、どんな小さなことにも妥協しない姿勢、時折見せる情の厚さ。こんな人、どこかにいないかな。上司にいたらいいのになぁ。自分がそうなればいいんじゃ…という突っ込みは入れないで下さい、、、。

いつだったかの感想でも書いたけど、同じ主人公を使ったシリーズを作れないのかなぁと。無理して続ける必要はないと思うけど、短編一作で埋もれさせてしまうのはもったいないキャラなんですよ。そこのところ横山さんはどのように考えているのだろうか、知りたいところです。

お気に入りは「餞」と「黒星」。

+++++

赤い名刺
若い女性の首吊り死体が発見された。倉石の下で働く捜査一課・一ノ瀬和之は、その被害者がかつて不倫関係にあった女性だと知り、慌てふためく。

眼前の密室
東洋新聞記者・相沢靖之は、事件の経過を聞きだすために夜討ちを狙って捜査一課係長・大信田警部の家を張っていた。しかし、ほんの少し目を放した隙に、その家の内部では殺人が発生していた。不審人物は入室しなかったのだが・・・。

鉢植えの女
一ノ瀬は異動の内示を受けていたが、倉石に言い出せずにいた。そんな折、45歳女性と33歳男性の不倫心中死体が発見された。倉石は、この現場を「卒業試験」として一ノ瀬に任せ、自分は密室の書庫内部で発見された死体の検視に向かう。


もうすぐ定年を迎える刑事部長・小松崎周一。彼の元には長年「霧山郡」とだけ署名された手紙が送られ続けていたが、去年からぷっつりと途絶えた。それが誰なのか、小松崎は倉石に相談してみた。


司法研修に来ていた斎田梨緒が自殺した。彼女を指導していた三沢と浮島は動揺する。彼ら二人はそれぞれ梨緒に対して歪んだ思いを寄せていたのだ。

真夜中の調書
科捜研の友人の助けを借り、団地の先生殺しをスピード解決した刑事・佐倉鎮夫。友人を招き祝杯を挙げるはずが、倉石の「DNAをちゃんとやれ」の一言によってかき回される。

黒星
婦警・小坂留美は男運に恵まれない。仲のよかった同期三人と同じ機動隊員を巡って争ったが破れ、友人関係も無残に崩れ去った。主婦となった元婦警・町井春江から来た久しぶりの電話で、再びそのことを思い出し気が滅入る。しかし、その春江が・・・。

十七年蝉
不良上がりの警察官・永嶋武文は、季節外れの人事異動で調査官心得となった。調査官の運転手をしならがら検視のノウハウを勉強する調査官心得は、本来警部級が付くポストなのだが、倉石が引っ張ったと言う。なぜ自分が?そんな中、不良少年射殺事件が発生。永嶋は、倉石から野次馬に知り合いがいないか見て回れと指示される。

+++++

【みなさまのご意見】
deepsixさん
わいかむのホームワークさん
小人通信さん
COCO2のバスタイム読書さん
本のことどもさん
夢見る籠の鳥さん
powderjunkieさん
銀の龍を追いかけてさん
あらまの日々さん
ものぐさ日記さん
凪〜小説・写真サイト〜さん
Anego's Serendipityさん
みかんのReading Diaryさん
野ネズミの栖さん
B+lefty+LOG::さん('04/11/28追加)
Soi傍の石さん('05/10/24追加)
IN MY BOOKさん('06/01/16追加)
たこの感想文さん('06/06/19追加)
たりぃの読書三昧な日々さん('06/06/27追加)Brain Deathさん('07/09/13追加)


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comment

はじめまして!TBありがとうございました!
このご意見、私も全く同じです!!>一つ前に読んだ「看守眼」がやや物足りなくて不満だったんだけど、本作でその不満も吹っ飛びました。

私は「黒星」にしびれました(ρ_;)
来週ドラマで「清算」やるのも楽しみです♪(ってこれは「臨場」シリーズじゃないですが・・・)

私も実はJUGEMにもサイト持っているのですが、(http://anego.jugem.jp/)JUGEMは写真Blo&Moblog中心で、長い書評はYaplogに書いてます。よかったらこれからもよろしくお願いします!

  • 姉御
  • 2004/11/24 10:18 PM

 ども、はじめまして。TBありがとうございました。横山秀夫さんのファンでして、けっこう読ませていただきました。でも、どれも図書館等でレンタルしたものばかり…。すみません、印税にならなくて。
 私もみなさんの意見と同じで「黒星」がよかったです。タイトルとストーリーの関連性(これは横山作品ではおなじみですよね)、人情味、そしてやっぱりラストのオチが最高です。
 
 

  • わいかむ
  • 2004/11/25 2:59 AM

■姉御さん
はじめまして。

>来週ドラマで「清算」やるのも楽しみです♪
へぇ、そうなんですかぁ。月曜ミステリーで横山秀夫サスペンスをたまに放送しているのは知ってましたが、不定期なのでno checkでした。「清算」は単行本・文庫にはなっていないようですね。月曜9時か・・・、まだ仕事中かなぁ・・・。

  • あおちゃん
  • 2004/11/26 1:31 AM

■わいかむさん
はじめまして。

>タイトルとストーリーの関連性
たまにオチが分かっちゃうよってくらい、そのものズバリのタイトルのときがありますよね。

わいかむさんが書かれていたように、続編が出たら是非是非入手したいです。ただ、倉石検視官は体の具合が悪いのか、話が進むにつれて痩せていっていたようでしたね。そこから察するに、続編は難しいのかなぁと思いますが、消えるには惜しいキャラです。

  • あおちゃん
  • 2004/11/26 1:38 AM

こんにちは。
ウチの記事までご紹介に加えていただいてありがとうございます(^^
私も「餞」すごく好きです。
横山さんはストーリーの良さももちろんですが、仕事に懸けるオヤジ達の素敵さを描くのが上手い作家さんだなあ、とつくづく思いますねー。
ついついキャラクターに惚れてしまうのでした。

  • lefty
  • 2004/11/28 9:57 PM

■leftyさん
leftyさんの書評を読んで、共感する部分があったので、TBさせていただきました。「キャラクターに惚れる」かぁ。そうですね、そういえば毎回キャラクターに惚れてる気がしますね。
最近読んだ「クライマーズ・ハイ」も、主人公の新聞記者の設定、全体のストーリー共に秀逸の作品でした。leftyさんも読まれてるようですね。後ほどもう一度書評を読ませていただきますね。

  • あおちゃん
  • 2004/11/29 3:16 PM

こんにちは。
すごく丁寧な書評ですね!
私も、「黒星」が一番好きです。
あの一作で、それまでもかっこいいと思っていた倉石が、
本当に好きになってしまいました。
TBさせてください。

■ゆうきさん
TBどうもです。
久しぶりに自分の感想を読み直しました。熱い文章の割に、僕の評価は星三つですね・・・。今思うともっと評価が高くてもよかったと思ってます。
どこかでまた倉石さんに会いたいですね。

  • あおちゃん
  • 2006/01/16 11:54 AM

 ぜひシリーズ化して欲しいところですが、どうみても無さそうな気配ぷんぷんなのが残念です…。

■higeruさん
そうですね、ないですよね・・・。
それはそうと、横山さんの新刊がなかなか出ないですね。
どんなのでもいいから読みたいです。

  • あおちゃん
  • 2007/09/26 10:07 PM








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trackback

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