タイトル:片眼の猿
著者 :道尾秀介
出版社 :新潮社
読書期間:2008/01/16 - 2008/01/17
お勧め度:★★★
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俺は私立探偵。ちょっとした特技のため、この業界では有名人だ。その秘密は追々分かってくるだろうが、「音」に関することだ、とだけ言っておこう。今はある産業スパイについての仕事をしている。地味だが報酬が破格なのだ。楽勝な仕事だったはずが―。気付けば俺は、とんでもない現場を「目撃」してしまっていた。
一年くらいぶりに著書の本を読みました。ここで怒っても仕方ないですが、どうも図書館で返却期限を破ってずっと借りてた人がいた模様。本当なら昨年中に読めたはずなのに・・・。まぁいいですが。
前に読んだのは「シャドウ」で、その叙述トリックに完全に騙されてしまいました。今回もどうも同じく叙述トリックのよう。今回は騙されないようにと意気込んで読み始めましたが・・・、結局騙されました。
ある特技を持つ男(三梨)が、その特技のために事件に巻き込まれてしまい、その真相のために思い悩んで、その果てに自分の人生と取り巻く人々の人生を思い起こしたりして、最後に事件を解決するというお話。この文章では何のことかよくわからないと思いますが、ネタばれしないように書くのがなかなか難しいもので・・・。
主人公が特技を隠すために行っていることが実は違う理由のために行われていたり、登場人物たちの特技が得意なものではなく必然であったりなど、文章からは真逆の解釈をして読んでいました。犬がなぜ嗅覚がよいかのお話が決定打でした。完敗・・・。
タイトルについての講釈は本書や他のHPに譲るとして、知っていても知らないでいても他者と違う自分に対し、確固たる自分を持って生きていくことはなかなか辛いこと。能力ならまだしも身体的特徴ならなおさらではないでしょうか。そうありたいとは思うものの、そう出来るかと言われれば疑問符が付きます。
登場人物たちが実は・・・っていうのを楽しむ本であって、三梨が巻き込まれた事件を解く部分はそれほど重要視されていないのかも。考えてみればさほど難しくないトリックでした。
スカッと騙されたいときに著者の本を手に取ろうと思います。次は一年も間を空けずに読もうかと。
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