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「星と半月の海」川端裕人

星と半月の海タイトル:星と半月の海
著者  :川端裕人
出版社 :講談社
読書期間:2007/07/31 - 2007/08/02
お勧め度:★★★

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西オーストラリアの海でジンベエザメと深く交わっていく研究者たち。いつしか心までサメとシンクロし、命の存在感を思い知らされる-。表題作ほか、動物をテーマにした作品全6編を収録した短編集。

獣医や動物にかかわる仕事をしている人たちが登場する短編集。西オーストラリアの女性獣医とジンベイザメの物語を描いた表題作をはじめ、「みっともないけど本物のペンギン」など全6編から構成されます。

ペンギンとかサメとかパンダとか動物園や水族館では見たことがあるけど、生態には全く知識がないので、興味深く読みました。個人的に好きだったのは、「みっともないけど本物のペンギン」「星と半月の海」の二編。

「みっともないけど本物のペンギン」は、ペンギンの飼育係である主人公が、絶滅したはずのペンギンの写真を見つけてその謎を追うお話。わくわくするけど、種の絶滅のことを思うと、ちょっとしんみり。近年の環境の変化のことを考えずにはいられませんでした。

「星と半月の海」は、オーストラリアの研究者とチームを組み、ジンベエザメの回遊の秘密を追う日本人女性獣医の話。女性が男社会の一線で頑張っていくことがどんなに難しいことなのか。数十年の後に再開したジンベエザメと主人公、主人公とその娘の関係がうまく対比されていました。今後娘との関係に変化が起こりそうな予感が・・・。

前述二編のほかに「ティラノサウルスの名前」「世界樹の上から」「パンダが街にやってくる」「墓の中に生きている」を収録しています。どの作品も違ったテイストで楽しませてもらえましたが、後半やや尻すぼみしてしまいました。でも、独特の世界を持っている良書だと思います。

+++++

【みなさまのご意見】


「てのひらの中の宇宙」川端裕人

てのひらの中の宇宙タイトル:てのひらの中の宇宙
著者  :川端裕人
出版社 :角川書店
読書期間:2006/11/06
お勧め度:★★★

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ミライとアスカ、2人の子どもたちと暮らすぼく。妻は、再発癌で入院した。子どもたちが初めて触れる死、それは母親の死なのだろうか。地球の生命、その果てしない連鎖。死は絶望でないと、どうやって伝えたらよいのだろう?生命のつながり、心打つ宇宙小説。

妻は癌の再発で入院。意識したくなくても身近に迫る死。子どもたちが持つ疑問に、やさしく答える父親を主人公とした四人家族のお話です。

著者の作品はこれで「銀河のワールドカップ」「夏のロケット」に続き3冊目になります。「銀河のワールドカップ」では溌剌とした子どもたちの描写を楽しく読み、「夏のロケット」ではロケットに関する薀蓄を楽しませてもらいました。本作は、何にでも疑問を持つ子どもと比較的易しめの天文や生物の薀蓄で話が成り立っていて、雰囲気としては両方が混ざった感じでしょうか。

ただ、面白さは前述二作ほどではありませんでした。子どもが興味を持つことに対して父親がわかりやすく真摯に語る姿にはそうあるべき、そうありたいとは思いますが、内容は半透明な膜がかかったようにおぼろげで、あまり興味がわきませんでした。

若くして母親が癌に侵されているということは別として、父親と子どもの会話というありきたりの日常を描いているのに、その姿があまりイメージできませんでした。それが、今ひとつ物語の中に溶け込めなかった理由と思います。残念・・・。

+++++

【みなさまのご意見】


「夏のロケット」川端裕人

夏のロケットタイトル:夏のロケット
著者  :川端裕人
出版社 :文春文庫
読書期間:2006/07/21 - 2006/07/25
お勧め度:★★★★

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火星に憧れる高校生だったぼくは、現在は新聞社の科学部担当記者。過激派のミサイル爆発事件の取材で同期の女性記者を手伝ううち、高校時代の天文部ロケット班の仲間の影に気づく。非合法ロケットの打ち上げと事件は関係があるのか。ライトミステリーの筋立てで宇宙に憑かれた大人の夢と冒険を描いた青春小説。第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞のデビュー作。
サントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞作。ミステリーの要素は皆無と思いますが・・・。高校生のころの夢を忘れられない大人たちの青春小説。

高校時代に「天文部ロケット班」でロケットの打ち上げ実験を繰り返していた主人公・高野。社会人となり、新聞社で科学記事を書く新聞記者となった。あるとき、そのロケットの知識を買われて、過激派のミサイル爆発事件を手伝う事になった。現場写真を見てみると、そこには何やら特徴のある部品が・・・。事件を追ううちに、「ロケット班」のメンバーが勢ぞろいする。

高野を始め、ロケット班のメンバーがすごく魅力的。みんなから「教授」と呼ばれ、ロケットの設計図を書くリーダー・日高。手先がものすごく器用で何でも手作り、機会を使うのを嫌う職人気質の・清水。歌手、そして事務所も経営する、現在のロケット班のスポンサー・氷川。巧みな話術を武器に、交渉を一手に引き受ける・北見。どの一人が欠けても、今回の計画−ロケットを作って宇宙へ−はうまくいかなかったと思われます。

純粋に火星を目指していた高校時代と違い、年月を経て集まったメンバーはそれぞれに大人の事情を抱えていますが、ロケット作りの最中は一心不乱に打ち込みます。大人になっても何かに熱中できるのは、うらやましい限り。僕の場合、飛行機さえ苦手なのに、ロケットに乗るのは絶対無理。でも、彼らと同じ時間と空間を共有してみたいなぁと思わせられました。

川端さんは、ロケットの構造や歴史など入念な下調べを行って、本書を仕上げたのでしょうね。日高の薀蓄や高野のロシア訪問に現れていると思います。ただ、調べたことを全部書こうとしたせいか裂かれたページ数が膨大で、メインストーリーのスピード感を損なっているのが残念です。

とは言っても魅力ある作品出ることは間違いありません。おススメです。

+++++

【みなさまのご意見】


「銀河のワールドカップ」川端裕人

銀河のワールドカップタイトル:銀河のワールドカップ
著者  :川端裕人
出版社 :集英社
読書期間:2006/07/07 - 2006/07/10
お勧め度:★★★★

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元プロサッカー選手の花島勝は、公園で見かけた三つ子の少年たちのサッカープレイに魅了され、小学生チーム桃山プレデターの監督に就任。個性豊かな面々が大会を勝ち進み、ついにはスペインでレアルと夢の対決に臨む!?
諸所のブログで高評価だったので手に取って見ました。大興奮のサッカー小説でした。

過去に問題を起こし、サッカーから足を洗っていた元プロの花島が、ひょんなことからサッカーチームの監督に。問題児だらけのチームの夢は銀河一になること。果たして花島と子どもたちは、夢を掴むことが出来るのか・・・。

スポーツ大好きでテレビ観戦もよくするのですが、こと小説となるとなかなか手が伸びません。というのも、漂う嘘っぽさに飽き飽きとしてしまうから。この本を読む前も同じようなことを考えていたのですが、杞憂に終わりました。

登場する人物、特に子どもたちが非常に活き活きと書かれていて、とても好感が持てます。個性豊かで、サッカー技術も抜群。想像力と好奇心が豊富で、好きなことに打ち込む姿がきらきらと輝いています。世界のサッカーをテレビで頻繁に見かけるようになり、三兄弟のように真似をして技術を磨く子どもたちはたくさんいるのでしょうね。うらやましいです。終盤の展開以外は、割と現実感を持って読み進めることが出来ました。

序盤、終盤と二度盛り上がりがありますが、序盤の展開の方が好きかなぁ。そういう意味では、やや尻すぼみの印象で評価もややマイナス。後日譚に女の子二人も登場させて欲しかったし。とはいえ、些細なことだと思います。

読んでいるだけで、どんどんエネルギーを分けてもらえます。この子たちが将来の日本代表だったら、日本のサッカーはものすごく楽しいだろうなぁって想像してしまいます。今の代表選手たちは重圧に潰されて楽しむことを忘れてしまっている気がする・・・。

サッカーのルールに詳しい人も、そうでない人も楽しめる一冊。W杯での日本の姿にがっかり来た人は、この本を読んですかっとしましょう。オススメです。

+++++

【みなさまのご意見】