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「荒蝦夷」熊谷達也

荒蝦夷タイトル:荒蝦夷
著者  :熊谷達也
出版社 :平凡社
読書期間:2008/07/14 - 2008/07/16
お勧め度:★★★

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8世紀の陸奥国。大和朝廷に敢然と牙をむいたひとりの荒蝦夷がいた。その名は呰麻呂。彼はいったい何を守り、何のために闘ったのか。新直木賞作家・熊谷達也が、蝦夷の英雄・阿弖流為と坂上田村麻呂の戦いに先立って蜂起した服わざる者たちの大いなる神話的世界を描く、待望の古代東北歴史ロマン。直木賞・山本賞ダブル受賞作家待望の受賞第一作。

感想はそのうち・・・。


「ウエンカムイの爪」熊谷達也

ウエンカムイの爪タイトル:ウエンカムイの爪
著者  :熊谷達也
出版社 :集英社文庫
読書期間:2006/09/29
お勧め度:★★★★

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北海道で撮影旅行中の動物写真家・吉本はある日、巨大なヒグマに襲われ、九死に一生を得る。彼を救ったのは、クマを自在に操る不思議な能力を持つ謎の女だった。その女を捜し求める吉本が見たものとは?野性と人間の壮絶な闘いを通して、生命の尊厳と自立を描いた傑作。第十回小説すばる新人賞受賞作。

「邂逅の森」で第131回直木賞を受賞した著者のデビュー作。本作で第10回小説すばる新人賞を受賞しています。ちなみに荻原浩著「オロロ畑でつかまえて」が同時受賞作。

「邂逅の森」へと繋がる熊をモチーフにしたお話。本来交わることのない野生の熊と人間。無計画な山野開発により住処を失った熊たちが、街へ降りてきて食料を漁るといった話は、ここ最近よくニュースで見聞きするようになりましたね。熊と格闘して投げ飛ばしたおじさんの話は笑い話としてよく取り上げられますが、実際自分が遭遇したら・・・。笑ってなどいられません。この話はそういった現代への熊谷さんなりの警鐘と受け取りました。熊だけではなく、その他多くの野生動植物に対しても同じことが言えるのではないでしょうか。

序盤の熊との遭遇シーンや謎の女による救出シーンは非常に緊迫感があり読み手を引きつけますが、中盤から後半にかけてはややトーンダウン。ラストもあっさり終わった感が否めませんが、これまで(少なくとも僕は)見かけたことがなかったテーマを題材としていて、とても興味深いです。「邂逅の森」が出版されるまでに何冊か熊を題材とした本があるようなので、手を伸ばしてみようかと思います(しばらく先になりそうですが・・・)。

+++++
【みなさまのご意見】


「新参教師」熊谷達也

新参教師タイトル:新参教師
著者  :熊谷達也
出版社 :徳間書店
読書期間:2006/08/23 - 2006/08/25
お勧め度:★★

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安藤亮太。42歳。損保会社支社長から中学の数学教師へ。楽勝と思えた教師生活に暗雲発生。彼を窮地に陥れた怪文書の犯人は誰か?探偵を雇って見えてきたのは…。

「邂逅の森」で山本周五郎賞と直木賞を同時受賞した熊谷さんの最新刊。「邂逅の森」しか読んでないけど、あまりにもマタギのイメージが強かったので、内容の違いにびっくりしました。

勤めている民間企業の業績が落ちてきているのを機に、早期退職して教員となった主人公が、これまでの仕事とは違う「社会の常識が通用しない場所」で奮闘する様を描いたお話です。

教員の仕事の大変さはうっすらとわかっていたものの、想像以上に大変な職場だと感じました。日々の授業には生徒の興味を引くために趣向を凝らし、部活の顧問になれば休日返上。生徒が浮かれている修学旅行では、裏でネゴを取ったり、寝ずに巡回したりと休む暇がありません。先生の奇行ばかりがマスコミでクローズアップされてますが、ストレスの多い職場だなと思わずにはいられません。かといって、奇行は許せませんが・・・。

作中で主人公の親友が指摘している通り、ほとんど生徒に関する話題がないのが気になります(ラストへの布石となっていますが・・・)。教師の仕事を描きたかったのだろうと推測しますが、少々残念な展開です。

また、途中から主人公に嫌がらせをする犯人探しへと展開してますが、登場する探偵が、奥田英朗さんの精神科医・伊良部を一回り小物にしたような二番煎じのキャラで目新しさがなく、全体のストーリーから見ても浮いているような気がしました。

この手のお話なら、奥田英朗さんとか荻原浩さんの方が巧いし、読み応えもあると思います。たった2冊しか著作を読んでないので、こんなことを言うのは失礼かもしれませんが、熊谷さんの得意分野は、東北の自然とそれに立ち向かう人々を描いた、どっしりと深みのある物語ではないでしょうか。

+++++

【みなさまのご意見】


「邂逅の森」熊谷達也

邂逅の森タイトル:邂逅の森
著者  :熊谷達也
出版社 :文藝春秋
読書期間:2006/04/13 - 2006/04/18
お勧め度:★★★★★

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「家に帰って、妻の手を握りたい」熊に足を喰われ、朦朧とする意識の中で富治はそのことだけを考えた。奔放に生きてきた富治を巨大熊に向かわせたものは何か。俊英がおくる感動の物語。
「空中ブランコ」と同時直木賞受賞作。「空中ブランコ」と比べると地味な印象がありますが、読み応えたっぷりでかなりオススメ。

大正から昭和初期、秋田県阿仁町打当のマタギ・松橋富治の生涯を描いた長編小説。序盤は、身を置くマタギ組織、善之助組のシカリ(頭領)・鈴木善次郎と獣を殺す旅を続ける話が展開していきます。マタギとはどんな集団か、どんなスタイルで獣をしとめていくのかなど技術的なこと、山には神様が住んでるとして、山に入る前は身を清めて女性との関わりを絶つ信心深さ、山に入ってからもじっと身を潜める忍耐強さといったマタギの精神などが書かれており、知識として興味深い内容です。

エンターテインメントとして話が一気に面白くなるのは中盤から。祭りで出会った地元名士の娘・文枝と恋仲になり、密会を繰り返す日々。密会がばれて村を追われ、鉱夫に身を転ずる富治。鉱山で暮らしながらもマタギとして生きた日々が忘れられず、数年後鉱夫を辞めてマタギとして再出発をします。鉱山では今後の生涯を左右する見習い鉱夫・小太郎と出会い、さらにはその姉・イクとの出会いと結婚が富治を心を大きく変えていきます。

主人公は富治ですが、イクの存在はそれを凌ぐ物があります。わずか十二歳で女郎屋に売られた薄幸の女性・イク。厄介者として疎んじられてきましたが、富治との結婚で別人のように変貌を遂げ、陰で支える健気な妻となります。女性が女性として扱われない時代にあって、とても力強く生きる女。圧倒されるほどの迫力です。

そして物語はクライマックスへ。山の主・コブクロとの壮絶な戦いです。何度撃っても一向に倒れない大熊・コブクロ。ついにコブクロは富治を倒し、その右足を喰らいはじめます。自分の体が熊に食われてるような痛さと戦慄を覚えます。

文化・時代背景など重いテーマを、読みやすくかつここまで読み応えある小説に書き上げられたのは、東北に育ち、その文化と風土を大切に思っている著者だからこそではないでしょうか。自然というのは人間の考えを遥かに凌ぐ大きなチカラを持っていると深く感じました。

400ページを超える長編ながら一気に読めること間違いなし。冒頭にも書きましたがかなりオススメですので、未読の方は是非どうぞ。

+++++

【みなさまのご意見】
のほ本♪さん
図書館で本を借りよう!〜小説・物語〜さん('06/05/23追加)
日記風雑記書きなぐりさん('06/05/23追加)
本のある生活さん('06/06/04追加)
たりぃの読書三昧な日々さん('06/08/25追加)