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「ロング・グッドバイ」レイモンド・チャンドラー

ロング・グッドバイタイトル:ロング・グッドバイ
著者  :レイモンド・チャンドラー著/村上春樹訳
出版社 :早川書房
読書期間:2007/09/28 - 2007/10/04
お勧め度:★★★

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私立探偵フィリップ・マーロウは、億万長者の娘シルヴィアの夫テリー・レノックスと知り合う。あり余る富に囲まれていながら、男はどこか暗い蔭を宿していた。何度か会って杯を重ねるうち、互いに友情を覚えはじめた二人。しかし、やがてレノックスは妻殺しの容疑をかけられ自殺を遂げてしまう。が、その裏には哀しくも奥深い真相が隠されていた…大都会の孤独と死、愛と友情を謳いあげた永遠の名作が、村上春樹の翻訳により鮮やかに甦る。アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀長篇賞受賞作。
相当久しぶりに翻訳モノを読みました。

超有名なハードボイルド作品に村上春樹訳。当然刊行直後からその存在を知っていましたが、チャンドラーの著作を読んだことがない、村上春樹の著作も読んだことがない、しかもこの厚さ・・・、なので手が伸びませんでした。読者大賞blogの「2007年新刊本ベスト」にエントリーがなかったら読まなかったと思います。

ストーリーは言わずもがなと思いますが、私立探偵のフィリップ・マーロウが、とある酒場でテリー・レノックスという青年と出会い、泥酔したレノックスの面倒を見ることから始まります。数ヶ月の後、再び現れたレノックスは、出国するための車の運転をマーロウに依頼、出国後ほどなくしてレノックスに殺人容疑が持ち上がります。時をおいてマーロウには、アル中の有名作家のボディガードの依頼が舞い込みます。この二つの事件が予想外のところで結び付き、意外なラストへと展開していきます。

この作品が長い間売れ続けているのは、もちろん意外性のあるラストもあるでしょうが、マーロウの持つダンディズムと巧みな翻訳表現なのでしょう。マーロウは一本の筋が通った人生哲学を持っていて、どんなことがあろうとそれを曲げて生きたりはしないところが格好いいです。こんなの真似したくてもなかなか真似できない・・・。

ただ、マーロウの格好良さは登場する周辺の人物たちあってのものとも思いました。最近マーロウに憧れる探偵を描いた作品を読みましたが、発する一言に相手がどう反応するかで、それが格好よく見えるのか、それとも道化に見えるのかが大きく異なると思います。そういう意味では、マーロウ以上にレノックスが気になりました。

ずっと以前に刊行されている清水俊二訳の「長いお別れ」とも読み比べてみたいし、いつかは原作とも読み比べてみたいなと思ってます。原作の方はかなり先となりそうですが・・・。


「東京タワー」リリー・フランキー

東京タワータイトル:東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜
著者  :リリー・フランキー
出版社 :扶桑社
読書期間:2005/12/21 - 2005/12/28
お勧め度:★★★★

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読みやすさ、ユーモア、強烈な感動!同時代の我らが天才リリー・フランキーが骨身に沁みるように綴る、母と子、父と子、友情。この普遍的な、そして、いま語りづらいことがまっすぐリアルに胸に届く、新たなる「国民的名作」。『en-taxi』連載、著者初の長編小説がついに単行本化。
長編小説ってことだけど、作った部分はほとんどなくってすべて事実だろうと容易に想像できます。私小説もしくは想い出話といった方がぴったりくるかも。文章自体はすごく上手ってわけじゃないけど、ぽつりぽつりと書かれている文体が内容にぴったり。笑いのエッセンスも随所に盛り込まれて、すらすらと読み進められます。

登場人物はタイトルにもなってる通り、ボク(マーくん)とオカン、オトンの3人。九州の田舎に住んでいるが、オカンとオトンはボクが物心付いた時から別居をしていて、オトンとはオトンの気が向いたときにだけ会うような関係です。田舎が嫌で15歳で親元を離れ、大学で上京。オカンから仕送りを受けながら放蕩生活を続け、でも何とか仕事で飯を食えるようになります。田舎で肩身を狭くして暮らしていたオカンを東京に呼び、ようやく胸を張って生活できるようになったオカンとボク。そんな生活の中母に病気が見つかって・・・。

とにかくオカンがすてきです。ボクが連れてきた人たちにはとにかく飯を振舞って「若いモノはたくさん食べんといかん」というオカン。丹精込めてぬか床を育てて、食材、食事時間に合わせて夜中にぬか床をかき回しちゃうオカン。おおらかだけど、他人に迷惑をかけることは絶対にいけないと教えるオカン。こんなオカンの周りには、いつも人が溢れていて、ボクの友だちもボクがいなくても家に来てご馳走になったり、いろいろ話をしたり、ボクよりもより親しい友だちになってる。

それと比較するとオトンは調子いいヤツにしかみえないんだけど、夫婦の間でしかわからない何かが確かに存在してます。別居の真相は最後の方にわかって実はそれは本心からじゃないんだけど、そうしてしまった後悔が見え隠れ。本当はお互いに気に掛け合っている。ボクにとってオトンは"時々"だけの存在だけど、オトンがいてのオカンで、オカンがいてのオトンであるのだなぁと深く感じました。

当然いつか来るであろう現実を迎えた時に自分はどうするのか?まだまだ実感はないけれど、親孝行は生きているうちにしか出来ないってことを痛感しました。

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