200905
Thursday
ある善良な家族の上に降りかかった一つの殺人事件。被害者の遺族、そして加害者の家族がその運命を狂わされていく様を、多感な年頃の少女・真裕子を主人公にして描いた社会派問題作。
200711
Wednesday
標高1100メートルの山荘にて、父と息子のアンチ・スローライフな日々が始まる。「猛スピードで母は」で芥川賞を受賞した著者が、「低スピード」な父との関係をジャジーに描く。
200711
Monday
「なんか誘拐みたいだね。脅迫状書いてよ」「嫌だよ。おまえが俺を脅迫してるんじゃないか」 失業中の俺が預かるはめになった隣家の女の子。何をしても不満気な彼女だが、スピーカーから歌が流れ出した時…。全4篇の短編集。
200709
Friday
自分とセックスしている夢を見て、目が覚めた―。女から女へと渡り歩く淫蕩なレズビアンにして、芝居に全生命を賭ける演出家・王寺ミチル。彼女が主宰する小劇団は熱狂的なファンに支えられていた。だが、信頼していた仲間の裏切りがミチルからすべてを奪っていく。そして、最後の公演の幕が上がった…。スキャンダラスで切ない青春恋愛小説の傑作。俊英の幻のデビュー作、ついに文庫化。
200708
Sunday
「私、結婚するかもしれないから」「すごいね」。小六の慎は結婚をほのめかす母を冷静に見つめ、恋人らしき男とも適度にうまくやっていく。現実に立ち向う母を子供の皮膚感覚で描いた芥川賞受賞作と、大胆でかっこいい父の愛人・洋子さんとの共同生活を爽やかに綴った文学界新人賞受賞作「サイドカーに犬」を収録
200708
Tuesday
首都テレビ報道局のニュース番組で映像編集を担う遠藤瑤子は、虚実の狭間を縫うモンタージュを駆使し、刺激的な画面を創りだす。彼女を待ち受けていたのは、自ら仕掛けた視覚の罠だった!?事故か、他殺か、一本のビデオから始まる、超一級の「フー&ホワイダニット」。第43回江戸川乱歩賞受賞の傑作ミステリ。
200706
Wednesday
東京・下町の解体工事現場から白骨死体が三つ。そして大家である徘徊老人の撲殺事件。真夏の下町を這いずり回ること二カ月あまり。中年の毒気を撤き散らす滝沢の奇妙な勘働きと、女刑事・音道貴子の大脳皮質は、「信じられない善意の第三者」でようやく焦点を結んだ。名コンビは狂気の源に一歩ずつ近づいてゆく…。
200611
Wednesday
ケッヘル番号が、わたしをこの世の果てまで連れてゆく。モーツァルトの音楽に取り憑かれた男と、過去の亡霊から逃げ続ける女。出会うはずのない二人の人生が交差した瞬間、狂おしい復讐の幕が上がる。(上巻)
真に人間らしい人生とは、誰かをひたむきに愛し、愛される、薔薇色の不安に満ちあふれた人生のことだ。絶望の淵から生まれた恋。だが復讐の連鎖は止まらない。著者新境地にして最高傑作。(下巻)
200605
Friday
唯一の憧憬にすがって生きる男の、無様で惨めな「一踊り」を描いた、あまりに暗くて、惨めで、だから可笑しくて、稲光が目の前に閃く創作集。表題作のほか、「墓前生活」「一夜」の2篇を収録。大正期の作家・藤澤清造に傾倒するある男の日常を綴った作品。芥川賞候補となった表題作を含む全3編が収録されています。