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「脳男」首藤瓜於

脳男タイトル:脳男
著者  :首藤瓜於
出版社 :講談社
読書期間:2008/07/10 - 2008/07/11
お勧め度:★★★

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連続爆弾犯のアジトで見つかった、心を持たない男・鈴木一郎。逮捕後、新たな爆弾の在処を警察に告げた、この男は共犯者なのか。男の精神鑑定を担当する医師・鷲谷真梨子は、彼の本性を探ろうとするが…。そして、男が入院する病院に爆弾が仕掛けられた。全選考委員が絶賛した超絶の江戸川乱歩賞受賞作。

感想はそのうち・・・。


「ビッグバン宇宙論」サイモン・シン

ビッグバン宇宙論 上ビッグバン宇宙論 下タイトル:ビッグバン宇宙論
著者  :サイモン・シン
出版社 :新潮社
読書期間:2008/04/29 - 2008/05/27
お勧め度:★★★

上巻 → [ Amazon | bk1 ]
下巻 → [ Amazon | bk1 ]


決闘で鼻を失った天文学者。聖書を精密に分析し、宇宙の年齢をはじき出した大司教。カヤックで海を渡って亡命しようとした物理学者に、世界トップクラスの天体画像分析チームを率いたメイド、重度の難聴ながら歴史に残る発見を成し遂げた女性ボランティア…。創世神話からプトレマイオス、コペルニクスにケプラー、ガリレオらを経て、ついにはアインシュタインの先へ―。宇宙はどうやって生まれたのか?人類最大の謎に迫る有名無名の天才たちの苦闘を描く傑作科学ノンフィクション。(上巻)

悠久の過去に生まれた宇宙誕生の証拠を探せ-。古代から20世紀に至る天才たちの知的格闘の歴史、壮大なるドラマを描く科学ノンフィクション。下巻では、ビッグバン宇宙vs定常宇宙の論争、パラダイム・シフトについて収録。(下巻)

感想はそのうち・・・。


「殺人ダイヤルを捜せ」島田荘司

殺人ダイヤルを捜せタイトル:殺人ダイヤルを捜せ
著者  :島田荘司
出版社 :講談社
読書期間:2008/02/22
お勧め度:★★★

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綾子は商社の電話交換手である。夜の退屈しのぎに女友達からそそのかされて、テレフォン・セックスを始めた。そしてある夜、ダイヤルをまわしたとたん、耳に入ったその声!綾子がその番号の持ち主を知ったとたん、事態は恐ろしい方向へとすすみ、彼女をがんじがらめに…。鬼才が都市の恐怖、人間の弱点を衝撃的に描いたサスペンス秀作。

時代を感じさせる一冊でした。

電話交換手の30歳OL・綾子が退屈しのぎに始めたテレフォン・セックス。ある夜、いつもと同じように相手探しをしていた時、電話先から叫び声が聞こえた。殺人事件に巻き込まれてしまった綾子は、事件の全貌を明らかにするため一人で調査を進めるが・・・。

欲求不満の30歳OLがテレフォン・セックスという設定にまず時代を感じてしまいます。今時こんな人はまずいないでしょうね。使っている電話もダイヤル式(黒電話)っぽいし、昭和の香りがたっぷりです。

ドロドロとした欲望が書かれているけれどまったくいやらしくなってすらすら読めてしまいます。が、出てくる人たちにいい人が一人もいなくって誰にも共感できず。早々と興味はトリックについてのみとなりました。

そのトリックですが、へぇと感心はしたものの、構造がわからないので大きく驚くことも出来ず。やや拍子抜け。リアルタイムで読めれば、もっと楽しめたのかもしれません。

作中出てくる「ナウイ」という言葉に脱力してしまいました。こんな時代もありましたね・・・。


「私の男」桜庭一樹

私の男タイトル:私の男
著者  :桜庭一樹
出版社 :文藝春秋
読書期間:2008/02/14 - 2008/02/18
お勧め度:★★★★

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優雅だが、どこかうらぶれた男、一見、おとなしそうな若い女、アパートの押入れから漂う、罪の異臭。家族の愛とはなにか、超えてはならない、人と獣の境はどこにあるのか? この世の裂け目に堕ちた父娘の過去に遡る−。黒い冬の海と親子の禁忌を圧倒的な筆力で描ききった著者の真骨頂。

第138回直木賞受賞作。

主な登場人物は二名。交通事故で家族を失い、一人だけ生き残ってきた少女・花(当時9歳)。その少女を引き取った男性・淳悟(当時25歳)。加えて、少女を引き取った当時に男性と付き合っていた女性、少女が結婚相手に選んだ男性の四人の目線で物語は展開していきます。

現在からターニングポイントとなった過去へと順々に遡っていく構成。各章のタイトルが時代とキーワードが入っていて、年代を読み誤ることなく読み進めることが出来ました。

前六章のうち、序盤の一、二章は正直ぼんやりとした感じで掴みきれずに読み進めましたが、中盤意向はぐいぐいとひきつけられました。それぞれの抱えた孤独と寂しさを埋めるために寄り添う二人。その方法には全く共感は出来ませんが、フィクションとして普通に楽しく読みました。

最終章まで読んでみて、読者は第一章のその後を想像することと思います。いい未来が展開していればよいのですが・・・。

好き嫌いが別れそうですが、直木賞を受賞したことにはまぁ納得できると思いました。

+++++

【みなさまのご意見】
ぱんどらの本箱さん('08/02/28追加)
栞のさんぽみちさん('08/03/11追加)


「ワーキング・ホリデー」坂木司

ワーキング・ホリデータイトル:ワーキング・ホリデー
著者  :坂木司
出版社 :文藝春秋
読書期間:2008/01/25 - 2008/01/28
お勧め度:★★★

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元ヤン・ホストが宅配便(特別仕様車)ドライバーに転身!? 血気さかんな若者と所帯じみた小学生、親子と仕事と仲間によるひと夏の贈り物。

親子のひと夏の物語。

ホストのヤマトの元に息子だという小学生・進が現れ、夏休みの間、二人暮らしをすることに。そんな中、客を殴ってしまったヤマトはホストをクビとなり、リアカー宅急便のドライバーに転職する。最初はぎこちなかった二人がやがて打ち解けてきて・・・。

著者の作品では、初読みだった「シンデレラ・ティース」で大いに楽しませてもらいました。本作も似たようなほんわりと温かい作品となっています。

誰一人として悪い人が出てこない、そんなお話。進は何事にもきっちりしていて、料理の腕前は玄人はだしの腕前だけど、実は女の子にもてたい普通の小学生。ヤマトは勝手な振る舞いで離婚したけど、悪事は許せない熱血漢。ホストクラブと宅急便屋さんのオーナーも見た目は・・・だけど先の先まで見ているし、ホストクラブの同僚や店の客、宅急便の同僚もみんな一癖ありながらも、困っている人に手を差し伸べるのを惜しみません。

始めてあった父子が次第に打ち解けて最後には・・・というお約束の展開でしたが、宅急便屋という設定が目新しかったです。「地域密着型の宅急便」というのは今一つピンと来ませんが、心温まる作品となっていると思います。

「シンデレラ・ティース」から本作までしばらく間が空いていたのに、その後ぽんぽんと二冊新作が出ているようです(「ホテルジューシー」と「先生と僕」)。要チェックです。

+++++

【みなさまのご意見】
苗坊の読書日記さん('08/02/17追加)


「治療島」セバスチャン・フィツェック

治療島タイトル:治療島
著者  :セバスチャン・フィツェック
出版社 :柏書房
読書期間:2007/12/25 - 2007/12/26
お勧め度:★★★

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目撃者も、手がかりも、そして死体もない。著名な精神科医ヴィクトルの愛娘ヨゼフィーネ(ヨーズィ)が、目の前から姿を消した。死に物狂いで捜索するヴィクトル、しかし娘の行方はようとして知れなかった。4年後、小さな島の別荘に引きこもっていた彼のもとへ、アンナと名乗る謎の女性が訪ねてくる。自らを統合失調症だと言い、治療を求めて妄想を語り始めるアンナ。それは、娘によく似た少女が、親の前から姿を隠す物語だった。話の誘惑に抗し難く、吹き荒れる嵐の中で奇妙な"治療"を開始するヴィクトル、すると失踪の思いもよらぬ真実が…2006年ドイツで発売なるや、たちまち大ベストセラーとなった、スピード感あふれるネオ・サイコスリラー登場。

ラジオ(J-WAVEだったと思う)で紹介されていて気になっていた本。

著名な精神科医ヴィクトルの娘ヨゼフィーネ(ヨーズィ)が、目の前から忽然と姿を消した。病院の診察室の中に入っていったのを最後に、ヨーズィはどこかに行ってしまったのだ。必死に娘の行方を捜すが、手がかりはない。それから4年、精神を病み、小さな島に引きこもっていたヴィクトルのもとに、アンナと名乗る女性が治療を求めてやってくる。アンナが語り始めた物語は、ヨーズィが姿を消した状況と告示していた。アンナの治療を開始したヴィクトルが知った驚愕の真実とは・・・。

物語は精神病院に入院するヴィクトルが主治医に語るという形式で、回想と現実を行き来しながら進みます。ヴィクトルとアンナのやり取りがメインで、そのやり取りに緊迫感があって手に汗握りました。アンナの語る物語の先を知りたがるヴィクトル。勿体つけながら先をなかなか急がないアンナ。そして、アンナに対する島民の言動やヴィクトルの行動の矛盾。真相に近付いては離れ、離れては近付く、もやもや感を胸に抱えながら読み進めました。

しかし、このラストは・・・。Amazonの書評を読むと、「ミステリーを読みなれた人なら数ページで結末が予測できる」ようなことが書かれていますが、全く思い浮かびませんでした。どんでん返しは嫌いではありませんが、この結末ってあり? 反則技っぽくて好きになれませんでした。

期待が大きかったのでちょっとがっかりしましたが、本書がデビュー作とのこと。新刊が出ているようなので、気が向いたら手にしてみようかと思います。


「赤朽葉家の伝説」桜庭一樹

赤朽葉家の伝説タイトル:赤朽葉家の伝説
著者  :桜庭一樹
出版社 :東京創元社
読書期間:2007/10/18 - 2007/10/23
お勧め度:★★★★

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"辺境の人"に置き忘れられた幼子。この子は村の若夫婦に引き取られ、長じて製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれ輿入れし、赤朽葉家の"千里眼奥様"と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。―千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもないわたし。高度経済成長、バブル景気を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる三代の女たち、そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の姿を、比類ない筆致で鮮やかに描き上げた渾身の雄編。

第60回日本推理作家協会賞受賞作。ですが、推理の部分はラストにほんの少し・・・。

鳥取の旧家で製鉄業を営む赤朽葉家に生きる女たちの三代(祖母の万葉、母親の毛鞠、その娘の瞳子)に渡る物語が語れています。戦後の動乱期から平成までを、瞳子が万葉から聞いた話として語られる構成。不思議な千里眼を持つ祖母・万葉。暴走族から少女漫画家へと転身をして一世を風靡する母・毛毬。偉大な祖母、母と比べて自分には何もないと感じる瞳子。しかし、最後にその瞳子が、万葉の残した謎を解き明かします。

山陰地方には行ったことがないのですが、頭の中で思っていてイメージと一、二章で語られる情景がばっちり一致しました(実際は異なると思いますが)。ただ、登場人物の設定や生きざまからはあまりリアリティは感じられず、どこかファンタジックな印象を受けました。漫画っぽい?

一番印象に残ったのは、そのファンタジックさの大元である第一章の万葉の物語。不思議な力を持つゆえ息子や夫の生涯を見通してしまい、一人で苦しみを背負い込みます。ただその力が赤朽葉家の繁栄に大きく貢献しているのは皮肉なものです。

第一章と第二章で語られる破天荒な毛毬の生涯は楽しく読んだのですが、第三章での瞳子の謎解きに入ると一気にパワーダウンしていったように感じました。第二章、第三章の空気の違いから、現在の人々には"熱"が足りないのを感じ取ることを出来ましたが・・・。

登場人物の名前の付け方といい、設定といい、大真面目なんだか笑わせようとしているのかよくわからないけど、そこが妙に後を引きました。

+++++

【みなさまのご意見】
ぱんどらの本棚さん('07/11/29追加)
多趣味が趣味♪さん('07/11/29追加)
かみさまの贈りもの〜読書日記〜さん('07/12/21追加)
栞のさんぽみちさん('08/01/05追加)
聞いてあげるよ君の話をさん('08/01/22追加)


「どれくらいの愛情」白石一文

どれくらいの愛情タイトル:どれくらいの愛情
著者  :白石一文
出版社 :文藝春秋
読書期間:2007/04/13 - 2007/04/18
お勧め度:★★★★

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HOW DEEP IS YOUR LOVE? 離れていても、愛し合えるのか。現実よりもリアルで、映画よりも素敵な恋の物語を4話収録。『小説宝石』『オール読物』掲載作品に、書き下ろしの表題作を加えて単行本化。

さまざまな愛の形を描いた中編四編が収録されています。第136回直木賞候補作。

大人の男女の揺れる心。ドロドロした話が多いのに、すべて前向きなラストを迎えるので割と心地よく読み終えました。派手な展開はない小説ですが、心にすっと入り込んできて、ガシっと鷲掴みにするような力強さを感じました。

以下各編の内容と感想を少しずつ。

「20年後の私へ」
別れた夫と偶然再会し、現在の自分に思い悩む主人公女性。そんな折、一通の手紙が届く。差出人は自分。20年前の自分が未来の自分へ宛てた手紙だった。自分を悲劇の主人公と考えていると、周りの人がどれほど気遣ってくれているかに気が付かないものです。未来の手紙が気付かせてくれるなんて・・・、うまい!! 手を差し伸べていた同僚にも、ほろっときました。

「たとえ真実を知っても彼は」
突然妻から別れを切り出された主人公。自分と妻の子だと疑ったこともない息子が、なんと自分が担当している恩師ともいえる先生と妻との子だった。それを知った主人公の取った行動は・・・。タイトルから結末は大体予測できましたが・・・。にしても、ドロドロでどうしよう展開になりそうなのに、うまく纏めたなぁという印象。読み心地は悪くありませんでした。

「ダーウィンの法則」
とても嫌っていた父親と同じく不倫をしてしまう主人公女性。この辺がダーウィンの法則。ただ、進化はしていないと思うけど。不倫相手の男性の発言にいちいち納得してました。スキンシップは重要かと。

「どれくらいの愛情」
失恋をバネに家業を拡大、そして成功を収めたぜんざい屋の若社長。ただ、成功とは裏腹に、心にはまだ満たされない思いが充満していて・・・。何の検証もしないで、相手の言うことを鵜呑みにし、悲劇の主人公になっていた自分。人のためにここまで出来るとは・・・。ラストがとても微笑ましかったです。

+++++

【みなさまのご意見】


「銀の砂」柴田よしき

銀の砂タイトル:銀の砂
著者  :柴田よしき
出版社 :光文社
読書期間:2007/04/02 - 2007/04/03
お勧め度:★★★

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売れない作家の佐古珠美はかつて、女流ベストセラー作家・豪徳寺ふじ子の秘書だった。珠美は恋人の俳優・芝崎夕貴斗をふじ子に奪われ、彼女のもとを去った。夕貴斗はその後ふじ子とも別れ、いまは音信不通である。ある日、珠美のもとをフリーライターの男が訪ねてきた。夕貴斗のことを訊きたいという。なぜ今さら?過去が追いかけてくる。手に入れたはずの平穏な生活が崩れ始める―。女たちの悲劇を描く長編サスペンス。

少々前に読んだ「求愛」がなかなか良かったので、また読んでみました。

ベストセラー作家・豪徳寺ふじ子(藤子)の秘書をしていた佐古珠美のもとに、フリーライター・島田が訪れるところから物語はスタートします。島田は、かつて珠美の、そして藤子の恋人だった消息不明の俳優・芝崎夕貴斗の話を聞きたいといいます。珠美と藤子、二人の関係を軸に、夕貴斗の謎に迫っていきます。

珠美と藤子の切っても切り離せない関係は少々理解出来ませんでした。恋人を奪われながらどうしても藤子を切り捨てられない珠美。そこまでひどいことをされて、なぜ藤子の元を去らないのか。奥底に潜む微妙で繊細な胸のうちは、女性でないと理解できないのかな。

一方、奔放な藤子の性格が形成されていくことは、理解できる気がします。無関心な夫、締め付けが厳しい姑。自由を得るために働きに出て、胡散臭い仕事に手を出して・・・。小説家となっても、失敗と成功の繰り返し。浮き沈みの激しい人生です。「子ども」がキーでしたね。

ラストで唐突に夕貴斗が消息不明の謎が明らかになります。二人のドロドロがどのように収斂するのかと思っていたので、割とすっきりと終わって、うまく締めたなぁと感心しました。謎にも軽く驚かされましたし。

ただ、毎度こういう愛憎劇だと疲れちゃうかもしれないので、次は別な感じのサスペンスを読みたいです。

+++++

【みなさまのご意見】


「シンデレラ・ティース」坂本司

シンデレラ・ティースタイトル:シンデレラ・ティース
著者  :坂本司
出版社 :光文社
読書期間:2007/03/12 - 2007/03/13
お勧め度:★★★★★

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じっと我慢していても、夏は動かない。歯も治らない…。個性豊かなデンタルクリニックのスタッフと、訪れる患者さんたちがそれぞれに抱えている、小さいけれど大切な秘密。都心の歯科医を舞台にした、ひと夏の青春小説。

歯医者さんを舞台にした日常系ミステリー。この手のニッチを狙ったお話って、舞台裏を覗いているようでとても興味深いです。表題作「シンデレラ・ティース」のほか、「ファントムVSファントム」「オランダ人のお買い物」「遊園地のお姫様」「フレッチャーさんからの伝言」の五編からなる短編集です。

大学二年生のサキは歯医者が大嫌いなのに、母に騙され伯父の働くデンタルクリニックで受付アルバイトをすることに。クリニックで働くドクターや歯科技工士、歯科衛生士、患者さんたちと接し、おっとりしたサキが成長してゆくひと夏の出来事を描いています。

すごく温かい雰囲気のお話でした。まずクリニックの雰囲気がいい。人間関係も風通しがよくって、誰もがみなお互いに付かず離れず、適度な距離を保っているようで好感が持てました。

そして描かれている人びとがいい。他人にはそれほどではなくても、本人にとっては重大な問題を親身になって解決しようとしてくれる。ただの好奇心から謎を探ってるのではないのがよく分かります。歯の治療と共に心の治療までしているようでした。

最後に、サキと四谷さんの淡い恋。徐々にお互いの距離が縮まっていく様子がちょっといいなと思いました。出会って一ヶ月にして遠距離恋愛(しかも数年!)になってしまい、今後二人はどうなるのでしょう。展開が楽しみです。

初読だったのですが、とても気持ちよい読書が出来ました。ちょうど今月から歯医者に通おうと思っていたところ。こんな雰囲気のよいところならいいのだけど・・・。

+++++

【みなさまのご意見】