タイトル:県庁の星
著者 :桂望実
出版社 :小学館
読書期間:2007/02/6
お勧め度:★★★
[
Amazon |
bk1 |
楽天ブックス ]
小学校の時からずっと成績優秀、品行方正。役人根性全開の県庁のエリートが、田舎のスーパーにやって来た。手に汗握る、役人エンターテインメント! サラリーマンも身につまされる役人意識構造改革ストーリー。
初読みだった「Lady,Go」が思いのほか面白かったので、この本を図書館から借りてきました。映画化とかで話題になってると、どうしても原作を読んでみる気持ちが失せてしまって、手が伸びずにいました。あまのじゃくな性格です・・・。内容は思っていたのとちょっと違いました。
県庁職員・野村聡は、民間企業との人事交流研修で地元の大型スーパーマーケットに派遣される。役所と民間のギャップに戸惑う野村。パートだがスーパーを取り仕切っている二宮に教育を受けながら、徐々に意識が変わっていく。
マニュアルを重視し、何事もかっちり調査しないと気がすまない野村は、臨機応変さが要求されるスーパーの中で一際浮いた存在です。世間一般が持っている展開的なお役人さまで、読み始めは何だかイライラしました。まぁ、作業を効率化するにはマニュアルも必要とは思いますが。
ただ、スーパーの人たちに共感して読んだかというと、そういうわけでもありません。向上意欲のなさにはほとほと呆れ、共感することは出来ませんでした。やる気がない→売り上げが下がる→リストラの恐怖→さらにやる気がなくなる、という負のスパイラルに完全にはまっちゃって、誰も改善する意欲がない。こんなスーパーつぶれるのも時間の問題、むしろつぶれてしまえとも思っちゃいました。
ひょんなことから始まった弁当売り上げ競争を機に野村の意識は変わって、そしてみんなが野村を見る目も変わって、最終的にはスーパーの雰囲気さえも変わっちゃって、非常に都合のよい展開でしたが、スピード感と盛り上がりがあったので一気に読めました。現実ではありえないだろうけど。
てっきり役所の批判をするお話かと思ったら、スーパーの再生話がメインでした(僕にはそう思えました)。自分の描いていた展開と違いましたが、そこそこ楽しめました。
+++++
【みなさまのご意見】