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「サイン会はいかが?」大崎梢

サイン会はいかが?タイトル:サイン会はいかが?−成風堂書店事件メモ
著者  :大崎梢
出版社 :東京創元社
読書期間:2007/08/24 - 2007/08/25
お勧め度:★★★★

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同一書籍に四件の取り寄せ依頼。ところが連絡を入れると、四人が四人ともそんな注文はした覚えがないと…。「ファンの正体を見破れる店員のいる店でサイン会を開きたい」−若手ミステリ作家のちょっと変わった要望に、名乗りを上げた成風堂だが…。駅ビル内の書店・成風堂を舞台に、しっかりものの書店員・杏子と、勘の鋭いアルバイト・多絵のコンビが、書店に持ち込まれる様々な謎に取り組んでいく。短編五本を収録した本格書店ミステリ、好評シリーズ第三弾。

短編、長編ときて再び短編に戻ったシリーズ第三弾です。「取り寄せトラップ」「君と語る永遠」「バイト金森くんの告白」「サイン会はいかが?」「ヤギさんの忘れもの」の五編が収録されています。

前作の長編では途中だらけてしまって物足りない印象が残りましたが、本作は短編だけあってテンポがよく、どの編も面白さを堪能することが出来ました。やっぱりこのシリーズは短編の方がいいみたい。ネタの続く限り、シリーズを続けて欲しいものです。

以下、短評。

取り寄せトラップ
同一本に四人から取り寄せ依頼が入るが、みんな依頼した覚えはないという。そんな不思議が再び起きて・・・。自分はあまり取り寄せを利用しないのですが、活用される方は結構いるのですね。取り寄せ依頼しても取りに来ない人、逆に依頼したと勘違いされている人。どちらが迷惑かな。本屋だけで解決するのは危険な謎だった気がします。

君と語る永遠
社会見学でやってきた小学生が、それ以来頻繁に書店を訪れるようになる。でも、どこか行動が不審で・・・。書店にこんなエピソードが転がっているとは思っていませんでした。恥ずかしながら、ちょっとうるっときました。

バイト金森くんの告白
バイトの金森君が宴会で語る失恋話。今時こんな純朴な青年がいるのかな。逆の勘違いをする人の方が多いのでは・・・。

サイン会はいかが
人気上昇中のミステリ作家のサイン会の話が舞い込む。ただし、サイン会を開く条件として作家があげたのが「ある熱烈なファンを探して欲しい」というものだった。多絵が楽に解く謎を作家は解けない。二人の違いは「人を思いやる心」でしょうか。

ヤギさんの忘れもの
書店内で写真を入れた封筒がなくなってしまった。立ち寄った棚を隈なく探すが見つからず。誰かが持っていってしまったのだろうか? これは書店員、しかも本に詳しい人じゃないと解けない問題ですね。もちろん僕には解けませんでした・・・。

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【みなさまのご意見】


「晩夏に捧ぐ 成風堂書店事件メモ・出張編」大崎梢

晩夏に捧ぐタイトル:晩夏に捧ぐ 成風堂書店事件メモ・出張編
著者  :大崎梢
出版社 :東京創元社
読書期間:2007/01/10 - 2007/01/12
お勧め度:★★★

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以前成風堂にいて、今は故里に帰り、地元の老舗書店に勤める元同僚の美保から、杏子のもとに一通の手紙が届いた。勤務先の宇都木書店、通称「まるう堂」に幽霊が出るようになり、店が存亡の危機に立たされている、ついては名探偵のアルバイト店員を連れて助けに来い、というのだ。杏子は気が進まぬながら、多絵を伴って信州の高原へと赴く。そこで待ちかまえていたのは、四半世紀ほど前に弟子の手で殺されたという老大作家の死に纏わる謎であった…!「本の雑誌」二〇〇六年上半期ベストテンの堂々第二位に輝いた「配達あかずきん」で今もっとも注目を集める著者、初の長編推理小説。

「配達あかずきん」の続編で、今回は長編となります。老舗書店「まるう堂」のピンチに、成風堂書店の店員・杏子と多絵が立ち上がります。

場の雰囲気や細かい心理描写が得意なのでしょうね。情景がとても活き活きと描かれていて、目に浮かぶようです。本屋に対する愛情のなせる業でしょうか。特にまるう堂の紹介がとても興味深くて、一度この手の老舗に訪れてみたくなりました。

ただ、ミステリとしてはややパンチ不足で謎にも無理があるような気がしますし、展開はスピーディーさに欠けてて謎を解きたいと思わせてもらえなかったし、種明かしをする多絵にも洞察力が鋭すぎと思ってしまいました。こういった大きな謎よりも、日常に潜む小さな謎を描く方が合っているように思いました。

本作で杏子と多絵のキャラもはっきりしてきました(非常に不器用な多絵が微笑ましい・・・)。次回作では、二人の出会いのエピソードが明らかになるのかな。次はまた短編に戻るらしいので、非常に楽しみです。

+++++

【みなさまのご意見】


「配達あかずきん」大崎梢

配達あかずきんタイトル:配達あかずきん
著者  :大崎梢
出版社 :東京創元社
読書期間:2006/10/25 - 2006/10/26
お勧め度:★★★★

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「いいよんさんわん」―近所に住む老人に頼まれたという謎の探求書リスト。コミック『あさきゆめみし』を購入後、失踪した母の行方を探しに来た女性。配達したばかりの雑誌に挟まれていた盗撮写真…。駅ビル内の書店・成風堂を舞台に、しっかり者の書店員・杏子と、勘の良いアルバイト店員・多絵のコンビが、さまざまな謎に取り組んでいく。初の本格書店ミステリ、第一弾。

元書店員である著者が書く書店ミステリ。書店で日常起こる出来事をミステリ仕立てにしており、「パンダは囁く」「標野にて。君が袖振る」「配達あかずきん」「六冊目のメッセージ」「ディスプレイ・リプレイ」の5編が収録されています。

日常系ミステリなだけに、あっと驚く大きな仕掛けはありませんが、書店の裏側と絡んでいるのでとても興味深かったです。定期購読本をお店に配達に行く(取り置きはするだけと思っていた)とか、本を平積みするときは売れ行きとジャンルをうまく考えて行うとか。舞台設定も駅ビルの書店ってことで、普段利用している書店がまさにイメージにぴったりで想像しやすかったのもよかったかも。

収録されているなかでお気に入りは「パンダは囁く」と「六冊目のメッセージ」。パンダ、読書好きならピンと来ますよね。しかし、そこからの展開はぜんぜん読めなかった。そして、多絵が選んだ一冊にも驚きました。「六番目のメッセージ」では、謎を解く過程よりも結末がすごくよかったですね。本屋でこんな出会いがあったらいいですねぇ。

晩夏に捧ぐあったかい結末のものばかりで読了後はしばらくいい気持ちでした。同じ登場人物たちで長編を読んでみたいなぁと思っていたら、続編「晩夏に捧ぐ」が出ているじゃないですか! 早速図書館に予約しました。予約順は3番目。楽しみです。

+++++

【みなさまのご意見】
Gotaku*Logさん
ひなたでゆるりさん
たりぃの読書三昧な日々さん
マロンカフェ〜のんびり読書〜さん
ナナメモさん
今日何読んだ?どうだった??さん
雑食レビューさん
おいしい本箱Diaryさん
本を読む女。改訂版さん
まったり読書日記さん('06/11/16追加)
ついてる日記IIさん('06/12/04追加)
苗坊の読書日記さん('07/01/18追加)
道草読書のススメさん('07/01/18追加)
"やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!!さん('07/02/05追加)
BOOKCASEさん('07/02/08追加)
聞いてあげるよ君の話をさん('07/05/06追加)
たこの感想文さん('07/06/17追加)
みかんのReading Diary♪さん('07/08/12追加)
多趣味が趣味♪さん('07/10/26追加)