200709
Friday
ネットオークションにはまる専業主婦。会社が倒産し、主夫となる営業マン。夫と妻。ちょっとずれていて、でも愛情がないわけでなく…。ずっと外にいた夫の王国か。ずっと家にいた妻の城か。ビター&スウィートな「在宅」小説。
200709
Thursday
小学校六年生になった長男の僕の名前は二郎。父の名前は一郎。誰が聞いても「変わってる」と言う。父が会社員だったことはない。物心ついたときからたいてい家にいる。父親とはそういうものだと思っていたら、小学生になって級友ができ、ほかの家はそうではないらしいことを知った。父はどうやら国が嫌いらしい。むかし、過激派とかいうのをやっていて、税金なんか払わない、無理して学校に行く必要などないとかよく言っている。家族でどこかの南の島に移住する計画を立てているようなのだが…。型破りな父に翻弄される家族を、少年の視点から描いた、長編大傑作。
200609
Wednesday
さ、いっちょ真面目に働きますか。キュートで強い、肚の据わったキャリアガールたちの働きっぷりをご覧あれ。爽快オフィス小説。
200608
Friday
離島に赴任した精神科医の伊良部。そこは、島を二分して争われる町長選挙の真っ最中だった。伊良部もその騒動に巻き込まれてしまい…。「空中ブランコ」「イン・ザ・プール」でお馴染みの、トンデモ精神科医の暴走ぶり健在!伊良部シリーズ第三弾。掲題作のほか、3本の中編を収録。
200606
Thursday
人事異動で新しい部下がやってきた。入社四年目の彼女は、素直で有能、その上、まずいことに好みのタイプ。苦しい片思いが始まってしまった(表題作)ほか四十代・課長達の毎日をユーモアとペーソス溢れる筆致で描く短編5編を収録。上司の事、お父さんの事、夫の事を知りたいあなたにもぴったりの一冊です。表題作含む5編の短編を含む短編集。
200605
Monday
人間不信のサーカス団員、尖端恐怖症のやくざ、ノーコン病のプロ野球選手。困り果てた末に病院を訪ねてみれば…。ここはどこ?なんでこうなるの?怪作『イン・ザ・プール』から二年。トンデモ精神科医・伊良部が再び暴れ出す。精神科医伊良部シリーズ第二弾。第131回直木賞受賞作で、5編の短編からなる連作短編集。本作で4度目の直木賞候補となり、見事受賞となりました。
200605
Sunday
どっちが患者なのか?トンデモ精神科医伊良部の元を訪れた悩める者たちはその稚気に驚き、呆れ…。水泳中毒、ケータイ中毒、ヘンなビョーキの人々を描いた連作短篇集。精神科医伊良部シリーズの第一弾。表題作含む5編の短編が収録された連作短編集です。続編「空中ブランコ」では直木賞を受賞、そして先日シリーズ最新刊「町長選挙」が刊行されました。
200604
Monday
1978年4月。18歳の久雄は、エリック・クラプトンもトム・ウェイツも素通りする退屈な町を飛び出し、上京する。キャンディーズ解散、ジョン・レノン殺害、幻の名古屋オリンピック、ベルリンの壁崩壊…。バブル景気に向かう時代の波にもまれ、戸惑いながらも少しずつ大人になっていく久雄。80年代の東京を舞台に、誰もが通り過ぎてきた「あの頃」を鮮やかに描きだす、まぶしい青春グラフィティ。退屈な田舎町を飛び出し、東京へと出てきた青年・田村久雄の18歳から29歳までを描いた連作短編集。70年代後半から80年代にかけて、時事ネタと絡めながら、久雄の成長を描いています。久雄=奥田さんでしょうか?
200602
Monday
始まりは、小さな放火事件にすぎなかった。似たような人々が肩を寄せ合って暮らす都下の町。手に入れたささやかな幸福を守るためなら、どんなことだってやる−現実逃避の執念が暴走するクライム・ノベルの傑作、ここに誕生。第4回大藪春彦賞受賞作にして、2002年版「このミス」第2位の本作。著者第二作の「最悪」と同じ多視点の犯罪小説です。同じような雰囲気を感じるものの、追う立場、追われる立場の人間か描かれているせいか、本作の方が重たい雰囲気が立ち込めています。
200511
Wednesday
その町には幸と不幸の見えない境界線がひかれている。事業拡大を目論んだ鉄工所主・川谷を襲うウラ目ウラ目の不幸の連続。町のチンピラの和也が乗りこんだのは、終わりのない落ちるばかりのジェットコースター。「損する側のままで終わりたくない!」追いつめられた男たちが出遭い、1本の導火線に火が点いた。奥田さんのデビュー第2作。1999年の発売当時、「王様のブランチ」で松田哲夫さんが大絶賛していたのを見て購入、6年ぶりに再読しました。内容はほとんど忘れていました、、、。