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「僕たちの戦争」荻原浩

僕たちの戦争タイトル:僕たちの戦争
著者  :荻原浩
出版社 :双葉社
読書期間:2008/08/04 - 2008/08/05
お勧め度:★★★

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"根拠なしポジティブ"の現代のフリーターと、昭和19年の「海の若鷲」にあこがれる軍国青年が時空を超えて入れかわった! それぞれの境遇に順応しつつも、ふたりはなんとか元の時代に戻ろうとするが…。おもしろくてやがて切ない、愛と青春の戦争小説。

感想はそのうち・・・。


「サニーサイドエッグ」荻原浩

サニーサイドエッグタイトル:サニーサイドエッグ
著者  :荻原浩
出版社 :東京創元社
読書期間:2007/09/21 - 2007/09/26
お勧め度:★★★

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フィリップ・マーロウに憧れる私は、むろん私立探偵である。が、やむなく、失踪したペットの捜索を請け負うこともある。ある日、和服を着た若く美しい女性が事務所を訪れてきた。ペット捜しならもう―「うちの猫を捜してほしいんです」はい喜んで。一カ月ぶりの仕事ではないか。しかもそうこうするうち、なんと「ブロンドで青い目の若い」秘書まで雇えることに。え、な、なんだこいつは!?おまけに猫捜しも、ただの猫捜しではなくなっていくのだった…。『ハードボイルド・エッグ』続編。最上俊平ふたたび。

「ハードボイルド・エッグ」の続編。ほんとは「オロロ畑〜」の続編が読みたいのだけど、まぁよしとしましょう。

フィリップ・マーロウに憧れる私立探偵・最上俊平。しかし、舞い込む依頼は動物捜索ばかり。今度も和服美人から猫(ロシアン・ブルー)の捜索を依頼され、二つ返事で引き受ける。前作では電話と写真に騙されて老婆を秘書に採用したが、今回は「ブロンドで青い目をした若い秘書」を雇うというが・・・。

相変わらずぎりぎりの生活を続けている最上俊平。前作から相当数の動物捜索を手がけたのか、動物捜索のプロフェッショナルと言っていいほどになってます。自分なりの手法を編み出していることがツボに嵌ってしまいました。

同時期に舞い込んだ二つのロシアン・ブルー探し。早々に読者はこの二匹は同じ猫であるとあたりを付け、興味はどのように繋がっているかに移行するでしょう。ただ、そこからの描写が妙に長い。最上の予想はあっちへ行ったりこっちへ行ったり。終いには連続動物虐殺事件に巻き込まれたり、雇った秘書の問題に引っ掻き回されたりと、内容を詰め込み過ぎの印象がありました。

"笑い"と"泣き"のバランスはさすがと言えるけど、本作より前作の方が個人的には好きです。

+++++

【みなさまのご意見】


「押入れのちよ」荻原浩

押入れのちよタイトル:押入れのちよ
著者  :荻原浩
出版社 :新潮社
読書期間:2007/07/09 - 2007/07/11
お勧め度:★★★

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今ならこの物件、かわいい女の子(14歳・明治生まれ)がついてきます…。幽霊とサラリーマンの奇妙な同居を描いた表題作ほか、「木下闇」「殺意のレシピ」「介護の鬼」など全9話を収録した、ぞくりと切ない傑作短編集。

表題作「押入れのちよ」のほか、「お母様のロシアのスープ」「コール」「老猫」「殺意のレシピ」「介護の鬼」「予期せぬ訪問者」「木下闇」「しんちゃんの自転車」の8編が収録されている短編集。

軽いホラーだけど笑えたり切なかったり、ミスリードを誘う作品があったりとバラエティ豊か。今までの作品にも垣間見えるツボを描きながらも、新しい一面を見せてくれました。荻原さん、幅が広いね。

平均しちゃうと評価は星三つくらいだけど、「コール」「押入れのちよ」「しんちゃんの自転車」あたりが好みでポイント高し。やっぱり荻原さんの作品では、温かな目線が感じられるものがいいかなぁと思います。

以下、備忘録。

コール
男二人と一人の女。三人の恋の行方やいかに。

押入れのちよ
安アパートに引っ越してきたら、14歳の女の子とが住んでいた。

老猫
遺産相続で受け取った家には、年老いた猫が・・・。

殺意のレシピ
夫婦最後の晩餐。食事の後に二人は・・・。

介護の鬼
寝たきりとなった舅にこれまでの恨みを晴らす嫁だったが・・・。

予期せぬ訪問者
うっかり愛人を殴り殺してしまった男のところに来訪者が・・・。

木下闇
15年前ぶりに訪ねた親戚の家で、当時行方不明になった妹を探す姉。

しんちゃんの自転車
近所に住む幼馴染・しんちゃんが、自転車に乗って誘いに来る。

+++++

【みなさまのご意見】


「明日の記憶」荻原浩

明日の記憶タイトル:明日の記憶
著者  :荻原浩
出版社 :光文社
読書期間:2007/01/23 - 2007/01/24
お勧め度:★★★★★

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人ごとだと思っていたことが、我が身に起きてしまった。若年性アルツハイマーと告げられた佐伯。彼には、記憶を全てなくす前に果たさねばならない約束があった…。身につまされる長編小説。

ただの物忘れと思っていたのに、それはアルツハイマーの初期症状だった・・・。50歳にして若年性アルツハイマーと診断された佐伯は、必死に病に闘いを挑むが・・・。主人公を自分に置き換えて読んでしまい、終始恐怖を感じていました。ちょっとした物忘れなんてよくあること。それが、アルツハイマーの初期症状だったら・・・。ほんと怖いです。

主人公の佐伯は、診断が下された後も必死に抵抗を試みます。ポケットが膨れ上がるほど何でもメモを取り、その日の出来事を日記につけ、本で自分の症状を調べ、体に良いといわれるものは何でも試す。プライドを捨てて、とにかくもがきます。それでも悲しいことに症状は進行していきます。

娘の結婚式まではと頑張ったのに会社に症状が知れ渡って左遷され、唯一日々の緊張から解放される陶芸教室では先生にお金を騙し取られる。どうしてこんなにつらいことばかり起きるのか。会社に相談していれば周りがもっと支えてくれただろうか、とか、もし自分がそうなったら、今勤めている会社では言うべきだろうか、とかぐるぐると考えてしまいました。

唯一の救いは、妻・枝実子との強く深い愛情を感じられたところです。ラストで暗示されたこれからの二人の生活が、平穏であることを祈らずにはいられません。

若年性アルツハイマーのきれいな面だけしか描いていないですが、描かれていたらつらくて最後まで読めなかったかも。内容が内容だけに気分が重たかったのですが、最後で優しさと温かさを感じられて少し気持ちが軽くなりました。

+++++

【みなさまのご意見】


「メリーゴーランド」荻原浩

メリーゴーランドタイトル:メリーゴーランド
著者  :荻原浩
出版社 :新潮社
読書期間:2007/01/19 - 2007/01/22
お勧め度:★★★★

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この俺が、超赤字テーマパークを立て直す?!たとえ何にもしなくても、毎朝デスクにたどり着きさえすれば満点なのが、正しいお役所ライフのはずなのに…。最愛の妻に可愛い子供と過ごす優雅なアフター5はどうなっちゃうんだ?地方都市の村興しと権力闘争に翻弄される公務員の、可笑しくてやがて哀しき奮闘を描く「宮仕え小説」の傑作。

東京で働いていた会社を辞め、地元「駒谷」に地方公務員としてUターンした遠野。市役所で働いていた遠野が異動となり、出向させられたのは「駒谷アテネ村リニューアル推進室」。超赤字のテーマーパーク「駒谷アテネ村」を立て直すのが、遠野の新たな仕事だった・・・。

昨年は、夕張市の財政破綻が話題となりました。この物語の舞台も夕張市と似た田舎町、いや、おそらくどこにでもある典型的な田舎町です。作ったのはいいけれど、閑古鳥が鳴いているテーマパーク。改善しようにも責任が問われるのを恐れて、次の一手を打てないパーク運営者たち。斬新なアイディアは揉み消される現状維持体質。

数少ないツテを使いながら孤軍奮闘する遠野の姿がとてもいいです。熱血漢でもない、特に秀でた才能があるわけでもない遠野が、今の状況に疑問を感じ、意識を変えてゆく。少しずつ人が集まるようになったテーマパークを見ると、何事もあきらめちゃいけないなぁって感じます。

テーマパークも入場者が増えてめでたしめでたし、と終わるのかと思いきや、最後にもう一つ皮肉の聞いた出来事が・・・。素直に終わらず、こういう一捻りあるところが荻原さんの巧さなんだよなぁ。ほろ苦いラストでしたが、読後感は◎でした。

+++++

【みなさまのご意見】


「噂」荻原浩

噂タイトル:噂
著者  :荻原浩
出版社 :新潮社文庫
読書期間:2006/06/09 - 2006/06/13
お勧め度:★★★★★

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「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。香水の新ブランドを売り出すため、渋谷でモニターの女子高生がスカウトされた。口コミを利用し、噂を広めるのが狙いだった。販売戦略どおり、噂は都市伝説化し、香水は大ヒットするが、やがて噂は現実となり、足首のない少女の遺体が発見された。衝撃の結末を迎えるサイコ・サスペンス。
これまで荻原さんの作品は10作近く読みましたが、その中でも1,2を争う出来。

「女の子の足首を切り落とすレインマンが渋谷に出没している。でも、ミリエルという香水をつけていれば狙われない」香水を売り出すために口コミで広めたでたらめな噂。作戦は成功し、噂は蔓延、香水は大ヒットする。しかし、その噂を利用した殺人事件が本当に起こってしまう。犠牲者は一人に留まらず、二人、三人と増えてゆく・・・。

妻に先立たれ、一人で高校生の娘を育てている刑事・小暮が主人公。被害者たちがちょうど娘と同年代ということで、小暮は犯人追跡に力が入ります。小暮とタッグを組むのは、夫に先立たれ、一人で息子を育てている女刑事・名島。名島の方が役職が上ということで、当初はギクシャクとしてましたが、地道な捜査で二人の間の溝は埋まり、だんだんよい感じに。最後は無事事件が解決、この二人が結ばれるのだろうなぁ、なんて予想を立てていましたが、甘かった・・・。

物証が見つかり、犯人を追い詰めていくところは、緊迫感があり、なかなか読み応えがありました。ところどころにこれまでの荻原作品で見られた笑いが書かれていて、息を呑む展開の中、ほっと一安心することも出来ます。やっぱり荻原さんはこうでなくっちゃね。重要な一文を読み落としたおかげで(?)、途中犯人に気が付くこともなく、最後まで楽しめました。自分の注意力不足が情けなく感じましたが。

予定通りに無事解決かと思いきや最後に大きな落とし穴が・・・。自分の読み間違いかと思って、最後の章を読み直すこと数度。読み終わったときは唖然呆然で、しばらく力が入らなかったです。改めて考え直してみて、中盤の「なぜここでこんな話が?」ってところは、ラストに繋がっていたのかと気が付きました。

犯人の心理をもうちょっと深く描いて欲しかったと思わなくもありませんが大満足です。しかし、登場人物たちの今後を考えると胸が苦しくなってしまいます・・・。

+++++

【みなさまのご意見】
本を読む女。改訂版さん
本を読んだら・・・さん
たこの感想文さん
読書感想文とブツブツバナシさん
+++こんな一冊+++さん
本のことどもさん
+ChiekoaLibrary+さん
Mememto-Moriさん('06/06/20追加)
たりぃの読書三昧な日々さん('06/07/17追加)
日だまりで読書さん('06/08/08追加)
マリーの本棚さん('06/09/14追加)
mikapapaの「こんな本を読んだ」さん('06/10/11追加)
聞いてあげるよ君の話をさん('07/03/27追加)
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higeruの大活字読書録さん('07/04/30追加)
奥さまは149cmさん('07/09/03追加)
月灯りの舞さん('07/09/03追加)


「コールドゲーム」荻原浩

コールドゲームタイトル:コールドゲーム
著者  :荻原浩
出版社 :新潮文庫
読書期間:2006/03/28 - 2006/03/31
お勧め度:★★★

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高3の夏、復讐は突然はじまった。中2時代のクラスメートが、一人また一人と襲われていく…。犯行予告からトロ吉が浮び上がる。4年前クラス中のイジメの標的だったトロ吉こと廣吉。だが、転校したトロ吉の行方は誰も知らなかった。光也たち有志は、「北中防衛隊」をつくり、トロ吉を捜しはじめるのだが−。やるせない真実、驚愕の結末。高3の終らない夏休みを描く青春ミステリ。
久しぶりに読んだ荻原さんの本でしたが、今までの本とはちょっと雰囲気が異なっていました。これまでのコメディ路線から一転、今回扱っているのは「いじめ」です。

高3の夏。中学時代の同級生に次々に奇妙な事件が起る。ホンの些細なものから、悪戯と一言で終わらせることの出来ないものまで。事件の犯人はいじめられていたクラスメート・トロ吉なのか・・・。光也たちは「北中防衛隊」をつくり、トロ吉を捜しはじめる。

テーマがテーマだけに終始重い展開。実際にいじめを行っていた時から4年後ということで、いじめを行っていた当人たちも「当時はなぜあんなことをしたのか」と考えています。しかし、一方で「いじめなければ、自分がいじめられていた」という思いもあって、悪いことをしたという認識は薄いです。そんな中、主人公光也は唯一手を出さなかったのですが、当時助けることが出来なかったことを悔いていて、率先してトロ吉探しを行います。

光也の気持ちはわからないでもないですが、登場人物の誰とも自分の気持ちがはまらなくて、読み進めるのが少々辛かったです。仲間を救いたいという正義感から動いているように見える光也らの行動は、所詮いじめの延長からトロ吉を自分たちより下の存在と扱っているように思えてなりません。いじめられる側にも問題があるという言葉を耳にしたりしますが、やはりいじめる側のほうが悪いのです。

姿を見せない敵に追われる恐怖や最後のあっと驚く展開にミステリの要素を感じたし面白いとも感じましたが、ラストの展開に少々疑問が残ります。いじめる側/いじめられる側に対する世間の反応。手のひらを返したようなマスコミの姿勢。荻原さんはこの作品の読者にどのようなことを感じてほしいと思ったのでしょうか。今でもよくわかりません。

+++++

【みなさまのご意見】
+ChiekoaLibrary+さん
IN MY BOOKさん
たこの感想文さん
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たりぃの読書三昧な日々さん
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「誘拐ラプソディー」荻原浩

誘拐ラプソディータイトル:誘拐ラプソディー
著者  :荻原浩
出版社 :双葉文庫
読書期間:2006/01/24 - 2006/01/27
お勧め度:★★★★

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伊達秀吉は、金ない家ない女いない、あるのは借金と前科だけのダメ人間。金持ちのガキ・伝助との出会いを「人生一発逆転のチャンス?」とばかりに張り切ったものの、誘拐に成功はなし。警察はおろか、ヤクザやチャイニーズマフィアにまで追われる羽目に。しかも伝助との間に友情まで芽生えてしまう−。はたして、史上最低の誘拐犯・秀吉に明日はあるのか?たっぷり笑えてしみじみ泣ける、最高にキュートな誘拐物語。
荻原本は本作で6冊目です。ようやく刊行作品の半数程度を読んだことになります。全て路線は同一で、笑いあり、涙あり、最後に人生のほろ苦さを感じさせる作品ですが、外れがなくってどれも面白いです。そしてこの作品も御多分に漏れず面白かった!

主人公は何をやってもうまくいかない38歳・伊達秀吉。あるのは前科と借金だけ。自殺を決意したもののどうしても踏み切れず、ひょんなことから出会った金持ちの小学生・篠宮伝助を誘拐する。一発逆転身代金誘拐を企てるが、伝助はヤクザの息子だった・・・。逆に命を狙われる立場となった秀吉。さらにはチャイニーズマフィアにも追われる羽目に。果たして秀吉は追っ手を振り切り、身代金をせしめる事が出来るのか・・・。

冒頭延々と続く秀吉の煮え切らない行動を乗り切ると、その後はスピーディな展開が待っています。ちょいダサなんだけど思わずクスっと笑ってしまうユーモアのセンスが素晴しい!! 伊達秀吉なんて名前からして・・・、ダサっ。思い付きから誘拐してしまう割には、刑務所の中で教わった誘拐のポイントを思い出して、意外と上手く立ち回る秀吉。そんな秀吉に右往左往させられてしまう伝助の父と組の構成員たち。本当に捕まえるつもりがあるのかってくらい頭の弱い構成員たちに失笑が漏れます。

捕まった伝助は、世間知らずのボンボン。巧妙な(?)嘘に騙され、秀吉を疑うことすらしません。伝助は無邪気を通り越して、ちょっとあほっぽいかも・・・。そんな純真無垢な心がどこかのタイミングで殺そうとしていた秀吉を改心させ、二人の間には友情が芽生えていきます。ラストシーンには感動・・・。

人生はそう捨てたものじゃない。そう思わせてくれるさわやかな読後感で、気持ちよく本を置くことが出来ました。

+++++

【みなさまのご意見】
たこの感想文さん
Grave of memoryさん
小春日和。さん
のほ本♪さん
IN MY BOOKさん
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本を読む女。改訂版さん('06/06/06追加)
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本を読もうさん('07/05/18追加)


「神様からひと言」荻原浩

神様からひと言タイトル:神様からひと言
著者  :荻原浩
出版社 :光文社文庫
読書期間:2005/11/24 - 2005/11/26
お勧め度:★★★★★

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大手広告代理店を辞め、「珠川食品」に再就職した佐倉凉平。入社早々、販売会議でトラブルを起こし、リストラ要員収容所と恐れられる「お客様相談室」へ異動となった。クレーム処理に奔走する凉平。実は、プライベートでも半年前に女に逃げられていた。ハードな日々を生きる彼の奮闘を、神様は見てくれているやいなや…。サラリーマンに元気をくれる傑作長編小説。
マイベス投票を終えてから、久しぶりに荻原さんの本を読んでみました。荻原さんにははずれがない、と再認識させられた作品。

前職をトラブルで辞めた佐倉凉平、再就職先の珠川食品でも入社早々にトラブルを起こし、閑職「お客様相談室」行きを命ぜられる。日々繰り返される客からのクレーム。その処理に奮闘するうち、珠川食品の抱える重大問題に突き当たる・・・。なんて、シリアスな内容紹介をしましたが、文体は軽妙。どこぞの中小企業で起こっていそうな事柄を、荻原さんお得意の洒落の利いた文章でぐいぐい読ませてくれます。

「オロロ畑〜」「母恋旅烏」でもそうでしたが、荻原さんの作品はキャラが魅力的。ネチネチと部下をいびるが実は気の弱い上司、パソコン・アイドルオタクの同僚、中でもギャンブル狂の上司・篠崎がとてもいい味出してます。篠崎からお客様への接し方(その場しのぎも多いが)を教わったり、ラーメン屋店主とのやりとりをしたりしながら凉平が成長していく姿がほほえましく、自分は仕事で成長できているのかと重ね合わせる部分が多かったです(職種は全く違いますが)。

サイドストーリとして進んだ恋人探しの話も最後には無事決着。今後は二人幸せに暮らしていくことでしょう。読後感もよくお薦めできる作品。

+++++

【みなさまのご意見】
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「母恋旅烏」荻原浩

母恋旅烏タイトル:母恋旅烏
著者  :荻原浩
出版社 :双葉文庫
読書期間:2005/08/22 - 2005/08/23
お勧め度:★★★★★

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元・大衆演劇役者の花菱清太郎が家族全員を巻き込んで始めたのは、レンタル家族派遣業。しかし、失敗に次ぐ失敗に借金はかさみ、いつのまにか火の車に。やがて、かつての義理で旅回りの一座に加わることになったが…。「本の雑誌」が選ぶ2002年上半期ベスト10の3位。著者の最高傑作。
荻原本4冊目。マイベス投票するのに3冊じゃあ格好つかないだろうと思い急遽読み始めましたが、この本が今まで読んだ中でのマイベストとなりました。

元・大衆演劇役者の花菱清太郎。十数年前に所属の一座を辞め、自分の一座を興したものの失敗。その後幾度か会社を興し現在「レンタル家族派遣会社・花菱エンターティナーカンパニー」を経営するも青息吐息。ひょんなことから以前所属していた一座に役者として加わることになり・・・。

前半の「レンタル家族編」と後半の「大衆演劇編」の2部構成です。いいかげんな父親に愛想がつきて、ひとり、またひとりと自分の道を選び、父親から離れていく前半と、清太郎、母、寛二の3人だけになってしまい、かつての義理で大衆演劇の一座に加わる後半。長編と言うより連作短編の印象を受けた前半ですが、それがしっかり後半に生きる展開になっている。んー、絶妙な構成。

物語の語り手は花菱家次男の「ぼく」寛二。花菱一家はみんな個性的だけど、この次男坊がとってもいい味出してます。テーマは崩壊した家族を描いた物語ですが、寛二の語りのおかげでコメディータッチの仕上がりに。年齢の割に幼さを感じる寛二ですが、ラストへ向けての大きな成長もこのお話の大きな読みどころです。

笑いあり、涙あり、そしてほんのりとほろ苦さも…と本書がそのまま大衆演劇のよう。タイトルの意味に気がついたとき、何とも言えない感動がありました。ちなみに「ハハコイタビガラス」と読みます。

+++++

【みなさまのご意見】
Ciel Bleuさん
たつパパの部屋さん('05/09/15追加)
流石奇屋〜書評の間さん('05/10/01追加)
多趣味が趣味♪さん('06/02/21追加)
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