200605
Monday
江戸時代、奇怪な宗教団体「腹ふり党」が蔓延する藩に現れた牢人・掛十之進。彼は弁舌と剣の実力を発揮して活躍するが…。『鳩よ!』及び『ウフ.』連載を大幅に加筆修正して単行本化。「告白」以来久々に著者の本を読みました。相変わらず弁舌軽やかな世界が展開しています。
200512
Friday
人はなぜ人を殺すのか−−河内音頭のスタンダードナンバーで実際に起きた大量殺人事件<河内十人斬り>をモチーフに、永遠のテーマに迫る渾身の長編小説。殺人者の声なき声を聴け!明治時代に実際にあった「河内十人斬り」がモチーフ。なぜに主人公・城戸熊太郎が弟分・谷弥五郎と組んで殺人を犯し、自決するにいたったかが町田節を持って事細かに記述されています。
200511
Wednesday
金がない、仕事もない、うるおいすらない無為の日々を一発逆転する最後の秘策。それはメルヘン執筆。こんなわたしに人生の茶柱は立つのか?!あまりにも過激な堕落の美学に大反響を呼んだ「夫婦茶碗」。金とドラッグと女に翻弄される元パンクロッカー(愛猫家)の大逃避行「人間の屑」。すべてを失った時にこそ、新世界の福音が鳴り響く!日本文芸最強の堕天使の傑作二編。町田さんの本の感想を書こうとすると、さて何を書いたらよいかと手が止まってしまいます。んー、何が言いたかったのだろうと。でも、ようやく楽しみ方がわかったような気する・・・。
200509
Saturday
『夫婦茶碗』『きれぎれ』等の傑作により、文学の新地平を拓き、熱狂的ファンを獲得した小説家・パンク歌手による伝説の第一詩集が、未発表作品を含む新編集で再生!桜の下、大安売り会場、スラム街、地下鉄の座席、立ち喰い饂飩屋…あらゆる場所に百三十編の言葉の悦び。「くっすん大黒」に引き続き手にした本。短編か長編かと思ってページを開くとなんと詩集でした。「くっすん大黒」の独特な文体はなんとか理解できたものの、この本は・・・。
200507
Saturday
三年前、ふと働くのが嫌になって仕事を辞め、毎日酒を飲んでぶらぶらしていたら妻が家を出て行った。誰もいない部屋に転がる不愉快きわまりない金属の大黒、今日こそ捨ててこます−日本にパンクを実在させた町田康が文学の新世紀を切り拓き、作家としても熱狂的な支持を得た鮮烈のデビュー作、待望の文庫化。落語みたいだ。これが本作に受けた第一印象。それもそのはずで著者はこよなく上方落語を愛しているらしい。ノリよく軽快に進む話、不条理さを感じさせる登場人物の行動、そして笑い。どれもこれも今まで読んだことのない独特な文章。