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「埋み火 Fire's Out」日明恩

埋み火 Fire's Outタイトル:埋み火 Fire's Out
著者  :日明恩
出版社 :講談社
読書期間:2007/06/12 - 2007/06/17
お勧め度:★★★

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老人世帯で連続する失火による火災。住人は、“不運な偶然が重なって”焼死。赤羽台出張所の若手消防士、大山雄大は出火原因に疑問を持ちはじめていた。「…これは、放火自殺なのか…?」閉塞した世の中を雄大が救う。

著者四作目にして不法滞在外国人ネタから離れました。今度は独居老人と核家族の問題。

主人公の消防士・大山雄大の成長譚に連続火災事件が絡み、その他に細かい話題が散りばめられていますが、展開がブツブツと切れていて、かなり読みにくかったです。どうせなら、連作短編で書いてくれた方がどれほど読み易いことか。

例によって説明がくどいことも読みにくさに拍車を掛けています。主人公の特長とか消防士の仕事とか確かに説明しなきゃならないことはたくさんあると思うけど、もうちょっとさらりと書いてもらえないかなぁ。

扱っている問題のわりに軽く読ませてくれるのは著者の良いところですが、これで四作目なのでパターン化してしまっている印象です。それなりに盛り上がりもみせ、ラストはそこそこ心地よいのですが、途中読むのが辛くなった事を考えると、甘く評価して星三つがせいぜいでした。

これまでの刊行ペースからして新刊が出るのはもう少し先でしょうが、次を手に取るかは少々微妙な感じです・・・。


「鎮火報 Fire's Out」日明恩

鎮火報 Fire's Out タイトル:鎮火報 Fire's Out
著者  :日明恩
出版社 :講談社
読書期間:2007/06/08 - 2007/06/11
お勧め度:★★★

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大山雄大20歳は「楽して給料ガッチリもらいたい」今時な考えの消防士。殉職した親父みたいになりたくないと思っている。そんな雄大が放火事件に巻き込まれ、人間として成長していくビルディングスストーリー。

なりたくてなったわけじゃない消防士。「楽したい」「早く事務職になりたい」というのが口癖の大山雄大。そんな雄大が、外国人が不法滞在している住居で連続して起きる放火事件に巻き込まれ、勘のよさで事件の核心に迫ってゆく。

警官の次は、消防士が主人公。主人公の職種は違えど、在日外国人の問題を扱っているのは同じで、何だか同じシリーズを読んでいるような気がしました。重い題材の割りに軽い語り口ってところも同じなので、これは著者の特徴なのか、それともこういった感じでしか書けないのか、ちょっと判断に悩みます。

消防士の裏の顔というか裏の活動が垣間見れるのは興味深いです。火事が発生すれば急行するのはもちろんですが、水源近くの草刈や火災予防の啓蒙活動など、火災がなくてもする事は盛りだくさんなのが意外でした。奉仕の心がないと出来そうにないです。時間で仕事を終えられるのはうらやましいけど、自分には無理かなぁと。

"消防士"という題材は魅力的で、雄大の周りを固める人物たちも個性的なのだけど、それぞれが抱える悩みやトラウマが共感できるほどではなく、軽い文体で読みやすいはずなのに、同じことを何度も繰り返すしつこさのせいで、途中で少々胸焼けがしました。

ラストに近付くにつれて若干胸焼けが中和されてきて、結局そこそこ読後感はよかったです。最近ではあまりみない、ひねりがなくて純粋で、何だか懐かしいような読後感でした。単純ってこと?

もう少し短くまとめてくれるといい気持ちで読み終われるではないかと感じました。

+++++

【みなさまのご意見】
たこの感想文さん('07/08/16追加)


「そして、警官は奔る」日明恩

そして、警官は奔るタイトル:そして、警官は奔る
著者  :日明恩
出版社 :講談社
読書期間:2007/05/29 - 2007/06/01
お勧め度:★★★

[ Amazon | bk1 | 楽天ブックス ]


蒲田署刑事課に勤務する武本は、不法滞在外国人の子どもが売買される事件を追っていた。潮崎は、武本の力になりたいと思い、独自で事件を調査しはじめるが…? 熱い警察小説。武本・潮崎シリーズ第2弾。

「それでも、警官は微笑う」に続く、武本・潮崎シリーズの第二弾。不法滞在の母親が生んだ戸籍のない子供たちとその周辺で起こる事件を解決するべく二人は奔走します。潮崎は、前作での約束通り国家公務員I種試験に合格して武本の前に現れるのですが、まだ警察には復帰していないため、二人は別の立場から事件に関わっていきます。

前作同様、本作も扱っているテーマ(外国人の不法滞在と私生児)のわりに読みやすいです。考えさせられる面は多々あるのですが、語り口が軽いため、すらすらと読めてしまいます。

ただ、読みやすいことは読みやすいのだけれど、登場人物の人物像や気持ちをこと細かに説明しすぎに感じました。著者の他の本でも感じたことなので、"作風"なのかもしれませんが、シリーズ本なのだから主要人物二人のことはある程度わかっているのだし、わざわざ本作で武本のクソ真面目さや潮崎の素直さを事細かに説明する必要はないのにと感じます。まぁ、僕が立て続けに読んだからかもしれませんが。

これから再び警察官になるというのに、潮崎の脇の甘さというか考えの甘さには少々呆れました。何かをしたい、役に立ちたいという気持ちはわからないでもないですが、自分の立場を考えていない行動のように思えてなりません。そこがお坊ちゃま刑事の良い面なのかもしれませんけど・・・。

本作が出てから三年半。未だ次回作が出たという話は聞きませんが、次は潮崎が警察に戻ってきて、また武本と事件を追うという展開になるのでしょう。もう少し切れのある警察小説を読みたいです。


「それでも、警官は微笑う」日明恩

それでも、警官は微笑うタイトル:それでも、警官は微笑う
著者  :日明恩
出版社 :講談社
読書期間:2007/05/16 - 2007/05/19
お勧め度:★★★★

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硬派のタフガイと軟弱なお坊っちゃま。一見ミスマッチなこの刑事コンビこそ「踊る大捜査線」が呈示した警察改革の継承者に他なるまい。内外の敵を向こうに回し、渾身の捜査を繰り広げる“現場”の戦士たち。第25回メフィスト賞受賞作。

「キチク」というあだ名を持つ刑事・武本、年下の上司・潮崎のコンビが密造拳銃の謎を追う。そこに義父の汚名を晴らそうと意気込む麻薬取締官・宮田が絡んできて、話が大きく膨らんで行きます。

メフィスト賞受賞=超個性的作品と思っていましたが、割とオーソドックスな警察モノ。登場人物の魅力で読者を惹きつけます。お坊ちゃま刑事・潮崎は、ただのお調子者かと思いきや、頭は切れるし、人一倍の努力もしていて、ただ警察にいないタイプなだけに、周りから浮いてしまっています。武本は、「後で悔やむくらいなら、今行動する」「どんな小さなことでも悪は悪」という生真面目タイプ。自分の中に揺らぎない信念を持っています。

そんな二人がコンビを組み、最初は打ち解けてなかった二人が徐々にいいコンビとなり、事件は解決へ・・・、というのがメインですが、その中に潮崎の葛藤や宮田が麻薬取締官となった背景などがあって、サイドストーリーも十分楽しめました。

本作は、サスペンスフルな展開、そして渋みと苦みのある内容から、読者を選ばない良質のハードボイルドと言える作品でした。ただ、やや説教臭いこと、同じ言い回しが繰り返し登場することが引っかかりました。今後の作品でも似たような感じなら、ちょっと疲れてしまうかもしれません。