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「まんまこと」畠中恵

まんまことタイトル:まんまこと
著者  :畠中恵
出版社 :文藝春秋
読書期間:2007/11/03 - 2007/11/05
お勧め度:★★★★

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女好きの悪友が念者のふりをしろと言いだした!?嫁入り前の娘にできた子供の父親は一体誰なのか。玄関で揉めごとの裁定をする町名主の息子として生まれた麻之助。これが、たいそうなお気楽もので、周囲は気がもめるのだが。ふうわり胸が温まる畠中恵ワールド新シリーズ。

町名主の息子・麻之助が町中で起こる事件を解決する、畠中さんの新シリーズ。表題作「まんまこと」の他、「柿の実を半分」「万年、青いやつ」「吾が子か、他の子か、誰の子か」「こけ未練」「静心なく」が収録されています。

町奉行が裁くのが刑事事件とすると、町名主が裁くのは民事事件でしょうか。数々舞い込む訴えに対し、やや頼りない町名主の跡取り息子とその悪友二人があの手この手で解決させます。江戸時代の町人の暮らしぶりが生き生きと書かれていて魅力的です。

全体的にはふんわりとした心地よい読後感は、「しゃばけ」シリーズに通じます。しかし、短編を読み進めるうちに麻之助の恋の話も垣間見えてきて少々切ないです。現代社会よりも身分の差や立場の差が与える行動の制約が大きかったんだなと改めて思いました。

ただ、「しゃばけ」シリーズと比較すると、キャラの魅力やインパクトでどうしても負けてしまいます。今後シリーズ展開していくとのこと。「しゃばけ」シリーズとの違いを明確化しないと、"妖が出ないだけの似たようなシリーズ"ということで終わってしまうのではないかと感じます。次作が正念場ではないでしょうか。


「ちんぷんかん」畠中恵

ちんぷんかんタイトル:ちんぷんかん
著者  :畠中恵
出版社 :新潮社
読書期間:2007/10/23 - 2007/10/24
お勧め度:★★★★

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江戸有数の大店の若だんな・一太郎は、摩訶不思議な妖怪に守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいたが、日本橋を焼き尽くす大火に巻かれ、とうとう三途の川縁を彷徨う羽目に…。若だんなと鳴家の三途の川縁冒険譚に、若き日のおっかさんの恋物語、兄・松之助の縁談に気になるあのキャラも再登場で、本作も面白さ盛りだくさん! 大好評「しゃばけ」シリーズ第六弾。

映像化も決まって勢いに乗る「しゃばけ」シリーズの第六弾。「鬼と小鬼」「ちんぷんかん」「男ぶり」「今昔」「はるがいくよ」の五編が収録されています。

若だんなの優しさ、甘えん坊さが存分に読み取れた一冊でした。箱根の湯治から戻ってきて、若だんなも独り立ちしていくのかと思いきや体の弱さは相変わらず。ただ、三途の川から呼び戻したのはいつも飲み慣れている薬だったのが皮肉です(「鬼と小鬼」)。

このシリーズ、時間の経過があまり感じられずややマンネリ感を感じていたのですが、兄・松之助の縁談話や栄吉の修行話が浮上して、新たな展開が生まれそう。信頼する兄と友達が若だんなから少し距離が置かれることで、若だんなが精神的に成長していくのではと思います。体の弱さはしばらく続くと思いますが・・・。

映像化される際、鳴家はどうなるんでしょうか? CGかな。装丁のようなかわいい鳴家だといいのですが・・・。気になります。


「みぃつけた」畠中恵

みぃつけたタイトル:みぃつけた
著者  :畠中恵, 柴田ゆう
出版社 :新潮社
読書期間:2006/12/10
お勧め度:★★★

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ひとりぼっちで寂しく寝込む幼い一太郎が見つけた「お友だち」は、古いお家に住み着いている小さな小さな小鬼たち。ちゃんと仲良くなれるかな。しゃばけシリーズ番外編。

「しゃばけ」シリーズ新作は、カラーイラスト付きの絵本。お馴染みの若だんな・一太郎がすごく小さかったころの、若だんなと鳴家たちの出会いを描いたお話です。

シリーズで登場する妖の中でも一番人気なのは鳴家でしょうね。そんな鳴家たちが優しい表情でたくさん描かれていて、とってもかわいいです。読んでいてほんわかとした気分になってきます。ストーリーに目新しさはないけれど、この絵を見ているだけで満足です。

個人的にツボにはいったのは、鳴家たちの影絵。小さい鳴家たちが力を合わせて作った影絵は・・・。あっという間に読み終えてしまい、早く次のシリーズ本が出ないかと待ち遠しいです。

+++++

【みなさまのご意見】
ChiekoaLibraryさん
まったり読書日記さん
たりぃの読書三昧な日々さん('06/12/30追加)
苗坊の読書日記さん('07/02/26追加)
粋な提案さん('07/11/04追加)


「うそうそ」畠中恵

うそうそタイトル:うそうそ
著者  :畠中恵
出版社 :新潮社
読書期間:2006/08/17 - 2006/08/20
お勧め度:★★★

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日本橋の大店の若だんな・一太郎は、摩訶不思議な妖怪に守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいた。その上、病だけでは足りず頭に怪我まで負ったため、主に大甘の二人の手代、兄・松之助と箱根へ湯治に行くことに!初めての旅に張り切る若だんなだったが、誘拐事件、天狗の襲撃、謎の少女の出現と、旅の雲行きはどんどん怪しくなっていき…。大好評「しゃばけ」シリーズ第五弾。

若だんなと愉快な妖怪たちシリーズ第五弾。第一弾以来ひさびさの長編です。母親・おたえの提案で、箱根の湯治に行くことになった若だんな一行。ゆっくり温泉につかって養生することが出来るのか・・・。

前作で少々マンネリ感を感じてましたが、今回は目先が変わって新鮮でした。お供をするのは手代の二人・仁吉と佐助、兄・松之助、鳴家が数匹と、シリーズで徐々に性格が見えてきた妖たちが付いていけないのは寂しい気もしますが、いつも若だんなの傍を離れない仁吉と佐助が謎の失踪、いくつかの集団からなぜか命を狙われる若だんななど、"謎"がたくさんあって面白かったです。

自分の身に危険が迫りながらも、他人のことばかり心配する若だんな。育ちがいいというのか世間知らずというのか・・・。でも、そんな若だんなの姿を見ると、何かほっとするんですよねぇ。

いつも通り、読後感はすこぶるよいです。あまり考えなくてもいいし、リラックスしたいときに最適ではないでしょうか。

+++++

【みなさまのご意見】
Ciel Bleuさん
粋な提案さん('06/11/02追加)
時代伝奇夢中道 主水血笑録さん('07/02/13追加)


「おまけのこ」畠中恵

夫婦茶碗タイトル:おまけのこ
著者  :畠中恵
出版社 :新潮社
読書期間:2005/10/19 - 2005/10/20
お勧め度:★★★

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鳴家(やなり)が迷子?そのうえ若だんなが吉原の娘と駆け落ちだって?そりゃ、大変だっ!−−愉快な妖怪人情推理帖。お待ちかね「しゃばけ」シリーズ第四弾!
若だんなと愉快な妖たちシリーズ第四弾。短編5編(こわい、畳紙、動く影、ありんすこく、おまけのこ)からなる連作短編集。前作までメインであった謎解きの要素は薄れ、登場人物の性格を生かすほのぼのとしたお話となっています。

シリーズ四作目ともなると主人公の若だんなをはじめ、幼馴染の菓子職人・栄吉、手代・仁吉と佐助、若だんなの部屋に住む屏風のぞきや鳴家などの登場人物の特徴・性格はほぼ完璧に熟知できています。各編の冒頭にある2,3行の説明が邪魔に感じられるくらい。安心して読み進められます。

ただ、ややマンネリの印象は否めません。既登場人物たちにスポットを当てたもの(畳紙、おまけのこ)や初登場の妖が出てくるもの(こわい、ありんすこく)が配置され、シリーズ当初からの読者を飽きさせない工夫は見られますが。次作以降での大きな展開を期待しています。

表題作「おまけのこ」もよかったのですが、「こわい」と「畳紙」が好編。「こわい」は、孤独な妖・孤者異(こわい)に手を差し伸べる若だんなの優しさがよく読み取れる。「畳紙」は、いつも憎まれ口を叩いている屏風のぞきの新たな一面が見られて得した気分。

まだシリーズ未読の方は、「しゃばけ」→「ぬしさまへ」→「ねこのばば」→「おまけのこ」と刊行順に読むことをオススメします。ところで、畠中さんの「しゃばけ」シリーズ以外の本はどんな感じなんでしょう?

+++++

【みなさまのご意見】
Nodeさん
Ciel Bleuさん
どこまで行ったらお茶の時間さん
のほ本♪さん
+ChiekoaLibrary+さん('05/12/31追加)
ハムりんの読書さん('06/06/21追加)
EncycRopIdiaさん('06/12/08追加)
道草読書のススメさん('07/01/20追加)


「ねこのばば」畠中恵

ねこのばばタイトル:ねこのばば
著者  :畠中恵
出版社 :新潮社
読書期間:2005/05/31 - 2005/06/02
お勧め度:★★★★

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え!? 身体が弱くて、繊細で、正義感いっぱいの、あの若だんながグレちゃった?
犬神や白沢、屏風のぞきに鳴家など、摩訶不思議な妖怪に守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいる日本橋大店の若旦那・一太郎に持ち込まれるは、お江戸を騒がす難事件の数々――。ドキドキ、しんみり、ほんわか、ハラハラ。愛嬌たっぷり、愉快で不思議な人情妖怪推理帖。ファン待望の「しゃばけ」シリーズ第三弾!
シリーズ第三弾は短編5編(茶巾たまご、花かんざし、ねこのばば、産土、たまやたまや)からなる連作短編集。本作も前作「ぬしさまへ」同様、体の弱い廻船問屋長崎屋の若だんなが妖たちを使いながら事件を解決する探偵譚となっている。

事件の謎解き自体は正直どうってことない程度なのだが、若だんなと妖たち、若だんなとそれ取り巻く人間たち(日限の親分や菓子職人栄吉など)のほのぼのとしたやり取りが本シリーズの売りであり、本作でも十分堪能できる。手代たちの監視の目を逃れ、どうにかして自由な時間を作ろうとして奮闘する若だんなの姿が何ともいじらしい。

さすがにシリーズ第三弾ともなると妖の個性も特徴付けられてきており、話の中で重要な役割を担うことが多くなってきた。その分、新しい妖が登場することが少なくなったのが残念ではある。いっそ、冒険譚をやめて妖を中心に話を構成していただければと思うのだが、シリーズの意図とは反するだろうか。

表題作「ねこのばば」よりも最後の2編「産土(うぶすな)」と「たまやたまや」が好編。「産土」は手代佐助の過去についてで、途中どきりとさせられる。「たまやたまや」は、幼馴染に対する若だんなの切ない気持ちがよく伝わってくる。

シリーズ未読の方は途中過去作を思わせる話が入るので、刊行順(しゃばけ、ぬしさまへ、ねこのばば)に読むことをオススメする。

+++++

【みなさまのご意見】
葉兎の本棚さん
Live a Life of Easyさん
Sakura*Blog**さん
*second message*さん
よろず帳さん
b-notesさん
+ChiekoaLibrary+さん('05/12/31追加)
ぞうの耳さん('06/12/06追加)
神楽のお部屋。さん('07/01/10追加)
道草読書のススメさん('07/01/15追加)
書評風-読んだら軒並みブックレビューさん('07/01/20追加)
乱読系。さん('07/08/16追加)


「ぬしさまへ」畠中恵

エイジタイトル:ぬしさまへ
著者  :畠中恵
出版社 :新潮社
読書期間:2005/04/26 - 2005/04/29
お勧め度:★★★★

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身体が弱くて繊細で力もないけど、どんな事件もたちまち解決! それは強い味方がついているから!? 健気な若だんなと妖怪たちが繰り広げる洒落っ気たっぷりの痛快人情推理帖。
しゃばけ」に続く若だんなと愉快な仲間たち(妖怪)シリーズ第二弾。前作は長編だったが、今回は短編集で6編収められており、そのうちの4編は書き下ろし。

しゃばけ」のレビューで"仁吉と佐助の活躍が見たい"、コメントで"栄吉の菓子の腕前が気になる"と書いた。この2点は著者としても格好のネタなのか、期待とはちょっと違うが「仁吉の思い人」「栄吉の菓子」として登場している。相変わらず体の弱い若だんなであるが、今作ではその推理が冴え渡る。動き回れない若だんなの代わりに妖怪たちが情報を収集するというパターンが定着化しそうだ。

新しい妖怪は特に登場しなかったと思うが、前作同様妖怪たちは魅力たっぷりだ。若だんなに褒めてもらいたいと張り切る妖怪たち、やきもちを焼く妖怪たち、我先にとお菓子を頬張る妖怪たち。こんな妖怪たちなら周りにいたら楽しいだろうに。

長編よりも短編のほうが設定のよさをいかせるのではないか。漫画の読みきりのようなテンポのよさが感じられる。どれも良かったが中でも「空のビードロ」「虹を見し事」が好編。若だんなの優しさに癒しを感じる。

+++++

【みなさまのご意見】
Live a Life of Easyさん
葉兎の本棚さん
いつも読書日和さん
のほ本♪さん
幸福論さん
月着陸船さん
天浮船さん
*tangerinezajua*さん('05/06/23追加)
+ChiekoaLibrary+さん('05/12/31追加)しんちゃんの買い物帳さん('07/03/26追加)


「しゃばけ」畠中恵

しゃばけタイトル:しゃばけ
著者  :畠中恵
出版社 :新潮社
読書期間:2005/04/14 - 2005/04/15
お勧め度:★★★★

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江戸の大店の若だんな一太郎は17歳。一粒種で両親から溺愛されているが身体が弱くすぐ寝込んでしまう。そんな一太郎を守るべく、手代に身を替えた犬神・白沢、屏風のぞきや小鬼が身の周りに控えている。ある夜、ひとり歩きをした一太郎は人殺しを目撃してしまう。あやかしたちの力を借りて下手人探しに乗り出すものの…。心優しい若だんなと妖怪たちが繰り広げる愉快で不思議な人情推理帖!第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
どなたかのブログ(かなり前なので失念・・・)で知り面白そうと思っていたのになかなか購入に至らなかった本書だったが、ようやく購入した。

本書はなんといってもまず装丁が目を引く。たくさんの物の怪たち(本書内では妖(あやかし))が、わいわいと楽しそう。4月初旬に見た「情熱大陸」で装丁家・鈴木成一さんが出ていたのだが、鈴木さんに装丁を頼みに来た編集者の方が「部数を伸ばすために鈴木さんの装丁を!」というようなことを言っていた。装丁の力というのは、バカには出来ないほど大きいのだ。

で、本書の内容はというと装丁通り。幼いころから妖に囲まれて暮らす暮らしていた廻船問屋の若だんな・一太郎。ひょんなことから連続殺人事件に巻き込まれてしまう。薬種問屋ばかり襲われていく殺人事件には、つながりなどなさそうに思えるのだが・・・。

体が弱く、両親はおろか妖からも過保護に育てられている若だんなだが、決して世間知らずではなく、機転が利いていざという時の度胸もなかなかのものだ。金銭感覚だけはどうしようもないらしいが。

手代とした働く犬神(人には佐助と呼ばれている)や白沢(仁吉と呼ばれている)を始め、鈴彦姫や鳴家(やなり)など、次々に登場する妖たちがどれも個性的でユーモアたっぷり。すねたり怒ったりなど妙に人間臭かったり、それでいてやっぱり妖なのだと思わせる言葉を発したりと、とても魅力的に書けている。ちゃんと役割が与えられていて、ただ話を盛り上げるだけのキャラクタになっていない。その他登場する和菓子屋の跡取り・栄吉を始めとする人間たちもとても魅力的だ。

調査と推理が実を結び、そして出生の秘密などが徐々に明らかになりながら、ラストは一気に大捕物劇へ。希望に満ちた爽やか読了感を得ることが出来るだろう。

ちょっと物足りなかったのは、江戸という舞台設定ながら時代の空気感が薄い点と重要な妖である犬神(佐助)と白沢(仁吉)の活躍が少ない点。シリーズが2冊出ているようなので、そちらではどうなっているのか期待が高まる。

この本と宮部みゆきさんの時代モノと比較されている方が多かった。いつか宮部さんの時代モノも読んでみようと思う。

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【みなさまのご意見】
あいらブックス!さん
葉兎の本棚さん
のほ本♪さん
Live a Life of Easyさん
東奔西走徒然記さん
幸福論さん
Sakura*Blog**さん
ごったにっきさん
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苗坊の読書日記さん('06/08/21追加)
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乱読系。さん('07/08/07追加)
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COCO2のバスタイム読書さん('07/08/22追加)
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