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「阪急電車」有川浩

阪急電車タイトル:阪急電車
著者  :有川浩
出版社 :幻冬舎
読書期間:2008/10/10 - 2008/10/11
お勧め度:★★★★

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恋の始まり、別れの兆し、そして途中下車……関西のローカル線を舞台に繰り広げられる、片道わずか15分の胸キュン物語。大ベストセ ラー『図書館戦争』シリーズの著者による傑作の連作集。

感想はそのうち・・・。


「クジラの彼」有川浩

クジラの彼タイトル:クジラの彼
著者  :有川浩
出版社 :角川書店
読書期間:2008/06/11- 2008/06/12
お勧め度:★★★★

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「沈む」んじゃなくて「潜る」。潜水艦とクジラと同じだから。
人数あわせのために合コンに呼ばれた聡子。そこで出会った冬原は潜水艦乗りだった。いつ出かけてしまうか、いつ帰ってくるのかわからない。そんな彼とのレンアイには、いつも大きな海が横たわる。恋愛小説作品集。

感想はそのうち・・・。


「図書館革命」有川浩

図書館革命タイトル:図書館革命
著者  :有川浩
出版社 :メディアワークス
読書期間:2008/03/10 - 2008/03/12
お勧め度:★★★★

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正化三十三年十二月十四日、図書隊を創設した稲嶺が勇退。図書隊は新しい時代に突入、そして…。極上のエンターテインメント『図書館戦争』シリーズ、堂々の完結編。

「図書館」シリーズ完結編。稲峰司令勇退後、図書隊、良化委員会はどこへ向かうのか。

「どの本も似たような展開」「読んでいて恥ずかしい」とか著者の本に対する感想を書きながらもほとんどすべての本を読んでいます(未読は「クジラの彼」「阪急電車」)。嵌るきっかけとなったのがこの「図書館」シリーズ。それが完結を迎えるとのことで、ちょっと残念です。

図書館が自警のために戦力を持つという突拍子もない設定や甘々な恋愛話など突っ込みどころ満載な展開、政府が発言の自由、出版の自由を取り締まり情報操作するというありえるかもと思わせる設定にひきつけられてきました。今回は原発テロが過去の出版物(フィクション)に酷似していることから、出版の指し止めや著者の拘束に話が発展していきます。

今回のみの暫定措置を匂わせながら、実際は今後の自由を制限しようという政府の姿勢が透けてみえます。まさに現代も同様のことが繰り返されているのではないでしょうか。自分の身に損害が降りかかって初めて人はアクションを起こすわけですが、もう少しアンテナを広げて世間の物事に対して物申せるよう見聞を広げたいなと思いました。

堂上班の活躍で、今回も寸前のところで最悪な状況は回避できました。そして、気になる恋の行方は・・・。出来れば今後も外伝でいいのでぽつぽつと書き続けていって欲しいものです。

+++++

【みなさまのご意見】
苗坊の読書日記さん('08/04/06追加)


「海の底」有川浩

海の底タイトル:海の底
著者  :有川浩
出版社 :メディアワークス
読書期間:2008/02/01 - 2008/02/05
お勧め度:★★★

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横須賀に巨大甲殻類来襲。食われる市民を救助するため機動隊が横須賀を駆ける。孤立した潜水艦『きりしお』に逃げ込んだ少年少女の運命は!? 海の底から来た『奴ら』から、横須賀を守れるか−。

横須賀に巨大海洋生物が来襲。迎え撃つ海上自衛隊と機動隊。潜水艦「きりしお」に閉じ込められた少年少女と海自隊員は、逃げ出すことが出来るのか!?

「自衛隊」三部作のラスト。前作は謎の飛行物体だったけど、今度の正体はエビ。なんじゃこりゃと思いながら読み進めましたが、突然変異体の細かい説明で納得できました。

前作は物分りのよい飛行物体が相手でしたが、今回は殺戮マシーンと化したエビが相手。物言わぬだけに日本の戦闘力を見せ付けて・・・、とすれば早く終わるものの、海上自衛隊や機動隊の行動規範が邪魔して思ったようにことが進みません。

エビが相手だと笑っている場合じゃなく、もしこれが現実に起こったら・・・、エビじゃなくって他国からの攻撃だったらと考えると、日本って国は法律に雁字搦めで即時の行動が取れないだろうなと思わずにはいられません。だからといって、法律を変えろとはいいませんが・・・。

設定は「空の中」より楽しく思いましたが、主人公と少女の関係はこれまでの著者の作風から代わり映えがなく、正直これだけならもういいかなぁという気が・・・。もうちょっと人数が多くてガヤガヤとしている「図書館」シリーズならいいんですが。

「クジラの彼」に潜水艦乗りが登場すると聞いて、本書を先に読みました。ラストの展開からすると、登場するのは冬原かなと。本書と同じような展開にならないかと、期待と不安が半々です。

+++++

【みなさまのご意見】
苗坊の読書日記さん('08/02/28追加)


「空の中」有川浩

空の中タイトル:空の中
著者  :有川浩
出版社 :メディアワークス
読書期間:2008/01/29 - 2008/01/31
お勧め度:★★★

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200X年、二度の航空機事故が人類を眠れる秘密と接触させた。「変な生き物ゆうたわね? そやね?」−秘密を拾った子供たち。「お前を事故空域に連れて行く。話は現場を見てからだ」−秘密を探す大人たち。秘密に関わるすべての人が集ったその場所で、最後に救われるのは誰か。"電撃"が切り開く新境地。第10回電撃小説大賞大賞受賞作家・有川浩待望の第2作。

自衛隊三部作の第二弾。「図書館」シリーズの最新刊を図書館予約中ですが、なかなか順番が回ってこないので、既刊本をつぶしていくことにしました。

同じ空域で民間旅客機と自衛隊機で事故が発生。現場には謎の生物が・・・。一方、事故現場の地上では、小学生が変な生き物を拾っていた。

二つの事故に関連する人物によって、同時並行に二つの物語が展開します。父親を亡くした子供たち、上官を亡くした部下。共に大切な人を亡くし、不思議な「敵」に対してさまざまな感情が入り乱れます。

本書を通して、間違いを間違いと認める心や人を許す心を持つことの大切さを訴えています。地球が滅亡しかねないほどのスケールの大きな事件でそこを訴えるかという思いも若干しますが・・・。

不思議な生物を「白鯨」と読んだり、子供が小難しい言葉を吐いたりするのが、とても気になりました。あと、著者お決まりの頭をくしゃくしゃっと撫でる仕草も。結局のところ、題材や立場を変えても登場人物のキャラクターは変わっていないのが残念です。

これまでと雰囲気が全く違いそうな「阪急電車」に期待しています。

+++++

【みなさまのご意見】
多趣味が趣味♪さん('08/02/17追加)


「塩の街」有川浩

塩の街タイトル:塩の街
著者  :有川浩
出版社 :メディアワークス
読書期間:2007/09/10 - 2007/09/11
お勧め度:★★★

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塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女。男の名は秋庭、少女の名は真奈。静かに暮らす二人の前を、さまざまな人々が行き過ぎる。あるときは穏やかに、あるときは烈しく、あるときは浅ましく。それを見送りながら、二人の中で何かが変わり始めていた……。
第10回電撃大賞<大賞>受賞作にて有川浩のデビュー作でもある『塩の街』が、本編大幅改稿、番外編短編四篇を加えた大ボリュームでハードカバー単行本として刊行される。

図書館シリーズの有川さんのデビュー作。発売済みの本編に手を入れ、さらに番外編を追加して単行本として刊行されました。

あとがきにありますが、既刊本では読者層を意識して主人公や設定を変えていたそうで、本作の方がよりオリジナルに近いとのことです。既刊本を読んでいないので、どちらが面白いとは言えませんが、図書館シリーズの原点とも言える作品で楽しめました。

主人公の設定が、歳の離れた恋人に一途に思いを寄せる少女とその少女をなんとしても守り通す男、という恋愛小説ではベタとも言える設定ですが、彼らを取り巻く環境が常軌を逸しています。宇宙より飛来した謎の物体のせいで、人間が塩の塊になっていく世界が舞台となっているのです。

略奪や殺人が横行する世界で、行き倒れた少女を助けた男。実は元パイロットでその腕前は一級品ですが、なぜにパイロットをやめてしまったのか。今後世界はどうなっていくのかという謎と共に、徐々に明らかになっていきます。

追加された短編がとてもよかったです。おそらく本編だけでは物足りなく感じたことでしょう。脇を固める人々の目線で書くことで、異常な世界と二人の愛情に厚みと深みが加わっているように思います。

文庫本を既に読了している方も、番外編は十分読む価値があると思うので、手にしてみてはいかがでしょうか。

+++++

【みなさまのご意見】


「図書館危機」有川浩

図書館危機タイトル:図書館危機
著者  :有川浩
出版社 :メディアワークス
読書期間:2007/04/23 - 2007/04/24
お勧め度:★★★★★

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王子様、ついに発覚! 山猿ヒロイン大混乱! 玄田のもとには揉め事相談、出るか伝家の宝刀・反則殺法! そして、山猿ヒロイン故郷へ帰る!? 終始喧嘩腰で「図書館戦争」シリーズ第3弾、またまた推参!

前作が非常に気になるところで終わっていたので、続編を待ち焦がれてました。郁と堂上の関係を中心に、日頃疑問にすら感じていないことについて気付きを与えてくれるなど、本作も大満足でした。

昇進試験を受ける章を読んで、第1弾からの時の流れを感じずにはいられませんでした。筆記はまるでダメ、実技はピカイチというのは変わらないけど、ただ甘えるばかりじゃなく強い意志を見せられて、郁は日々成長しているのだなと何だか感慨深かったです。それに引き換え、自分は成長してるのか・・・。

機械っぽかった手塚や柴崎も郁に影響されて、ずいぶん人間味を帯びてきたなと思います。もともと能力が高いし、人のことを考えられるようになれば怖いものなしですね。薄々感じていたけど、手塚と柴崎って似たもの同士で何だかいい感じでした。

そして、本作のクライマックスは茨城県立図書館・美術館共同で執り行われる美術県展の警備。これまでにない良化特務機関との激しいぶつかり合い。激しい描写も多々あり、ページを捲る手にもついつい力が入りました。保身と腐心。強い心を持って正義を貫くのは非常に大変なことだと痛感させられます。

玄田の怪我、そして章のタイトルになっている稲本司令の勇退。今後図書隊はどのようになっていくのでしょうか。次巻でシリーズは完結。早く読みたい、でも終わって欲しくない。少々複雑な心境です。

+++++

【みなさまのご意見】
こんな一冊さん
a bird shopさん
粋な提案さん
ぼちぼちさん
寝ていられるのになぜ起きる?さん
ChiekoaLibraryさん
今日何読んだ?どうだった??さん
"やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!!さん
ナナメモさん
本のある生活さん
たりぃの読書三昧な日々さん
苗坊の読書日記さん
マロンカフェ〜のんびり読書〜さん
道草読書のススメさん('07/06/13追加)
怪鳥の【ちょ〜『鈍速』飛行日誌】さん('07/06/13追加)
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たこの感想文さん('07/07/06追加)
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駒吉の日記さん('07/10/09追加)
空夢ノートさん('07/10/14追加)
デコ親父はいつも減量中さん('07/12/21追加)


「レインツリーの国」有川浩

レインツリーの国タイトル:レインツリーの国
著者  :有川浩
出版社 :新潮社
読書期間:2007/03/15 - 2007/03/16
お勧め度:★★★★

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きっかけは「忘れられない本」そこから始まったメールの交換。あなたを想う。心が揺れる。でも、会うことはできません。ごめんなさい。かたくなに会うのを拒む彼女には、ある理由があった―。青春恋愛小説に、新スタンダード。

「図書館内乱」からスピンアウトした本書。出版社がメディアワークスから新潮社に変わっているのがちょっと不思議・・・。

昔読んだ思い出の本の感想をネットで検索していた信行は、「レインツリーの国」というサイトでその感想を見つける。内容に好感を持った信行は、サイト管理者「ひとみ」に思い切ってメールを出す。半ば返事は諦めていたが即返信が届き、それから数日を空けずメールのやり取りをすることとなった。何度もやり取りを重ねるうち、「ひとみ」に会いたくなった信行は、そう「ひとみ」に伝えるが・・・。

知り合いにも何人かこういう出会いで結婚した人がいます。今時珍しいことじゃないでしょうね。自分は経験ありませんが。

会うまでの二人のメールのやり取りには、まだ見ぬ相手への「浮つき感」が感じられて、少々くすぐったい気がしながら読みました。でも、メールへの返信で喜んだり、数日返事が返ってこないと不安になったりする気持ち、よくわかります。俺にも昔はそういうことがあったなぁ・・・。

それにしても、自分の納得いかないことにはとことんぶつかっていく信行のパワーはすさまじいなって感じました。自分の主張だけを押し通すようなことをせず、必ず二人で何とかしようと考える信行。これからどのように展開していくか、二人の間にはまだまだ乗り越えなくちゃならない壁がいくつも立ちはだかっているだろうけど、このパワーがあれば乗り越えられるかなって思いました。

障害の種類、障害を持つ方々の生活や苦労など、しっかりリサーチされているのに好感が持てます。これを読んで聴覚障害者のことがわかったというつもりは毛頭ありませんが、障害を特別視するのではなく、その人個人を尊重してあげることが一緒に生活していくうえで必要ではないかと感じました。障害者だって健常者だって、結局はさまざまな悩みを抱えているわけで、別に障害だけを特別視する必要はないのではないか。障害により出来ないことはありますが、代わりにその人でないと出来ないこともあるはずだから、と思いました。

信行が関西弁だったのが、うまくはまったなとちょっと思いました。標準語だったら問い詰められたように感じるだろうなと。関西弁に標準語にはない言葉の温かみを感じました。

+++++

【みなさまのご意見】


「図書館内乱」有川浩

図書館内乱タイトル:図書館内乱
著者  :有川浩
出版社 :メディアワークス
読書期間:2006/12/14 - 2006/12/15
お勧め度:★★★★★

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武蔵野第一図書館の図書隊員・小牧が、耳の悪い少女に難聴者がヒロインの恋愛小説「レインツリーの国」を勧めたとの噂により、メディア良化委員会が検閲に抗う図書館を攻撃しはじめ…。「図書館戦争」に続くシリーズ第2弾。

「図書館戦争」に続くシリーズ第2弾。この本の前に読んだ「ナイチンゲールの沈黙」もシリーズ続編。満足度で残念ながら前作を超えられなかったので、この本はどうかと思いつつ読み進めました。はっきりと言いましょう。この本は、前作以上に面白い!

前作で不満だったのは、善(=図書館)と悪(=良化特務機関)が固定化していたこと。本の選択は読み手に委ねる、というのは至極当然な話ですが、それでも子どもには読ませたくないと思う本があるのも事実。本を規制することが完全な悪として書かれていた前作には、「バランス感」という面でちょっと不満が残りました。

本作は「内乱」と付いているように、図書館内での意見の対立(本の閲覧を規制すべきか否か)をバランスよく書いています。耳の悪い少女に難聴者が広いんの小説を進めるのは悪か、良化特務機関が閲覧を規制する本を調査が入る前に廃棄するのは悪か、などなど。両者の言い分ががっぷり四つに組み合って展開していくので読み応えがありました。

各章の主人公がころころと変わるのも、登場人物たちの人物像を深く知れて興味深かったです。正論しか吐かない小牧教官の意外な一面とか手塚の家族関係とか情報通の柴崎の心理状態とか。こういう人格に成るべくして成ったのだと納得。

堂上と郁の関係は、知らぬは本人ばかりなりって感じで笑えます。お互いの態度が非常に甘くって、読んでるのが恥ずかしい・・・。堂上教官、事あるごとに郁の頭をなですぎです。

次への展開がすごく気になるラストでしたね。もう少しシリーズが続きそうなので、楽しみに待ちたいと思います。その間に「レインツリーの国」を読まねば。

+++++

【みなさまのご意見】
本のある生活さん
おいしい本箱Diaryさん
りょーちの駄文と書評さん
"やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!!さん
ひなたでゆるりさん
寝ていられるのになぜ起きる?さん
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聞いてあげるよ君の話をさん('07/10/09追加)
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「図書館戦争」有川浩

図書館戦争タイトル:図書館戦争
著者  :有川浩
出版社 :メディアワークス
読書期間:2006/10/16 - 2006/10/18
お勧め度:★★★★★

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正義の味方、図書館を駆ける!―公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として『メディア良化法』が成立・施行された現代。超法規的検閲に対抗するため、立てよ図書館!狩られる本を、明日を守れ。

公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律−「メディア良化法」を盾に、実力行使での超法規的検閲を実施する良化特務機関。唯一対抗できるのは「図書館の自由法」を遵守する図書館のみ。図らずも最前線地帯となった図書館は、自前の部隊「図書隊」を組織することになった。本を守るために奔走する図書隊の活躍を描いたお話。

初読みの作家さん。設定がものすごくぶっ飛んでますね。いつもこうなのだろうか・・・。しかし、本を奪い合うための武力行使までするか・・・。まぁ中途半端よりはこれくらいぶっ飛んでてくれた方が、内容にも入っていきやすいです。

主人公は、笠原郁。小さいときに本屋で危ない目にあっていたときに助けてくれた図書隊員に憧れて、自身も図書隊員になったという女の子。頭の中まで筋肉かと思われるほど、感情の趣くまま瞬発的に行動する女の子です。危なっかしい部下を教える教官、同僚との絡んで話は展開しますが、みんなキャラ立ちしててとにかく飽きさせません。憧れる隊員が誰かってことはベタな展開なので早々に知れて、知らぬは本人ばかりなり。周りの反応を見ればわかるでしょ、って感じだけど、それはそれで面白いです。

善(=図書館)vs悪(=良化特務機関)という構図で話に入り込みやすいのだけど、図書館の言い分が全て正しいかというと少々疑問があります。言論や思想を操作するほどの行き過ぎた規制はもちろんだめですが、こどもには読ませたくないなと思える本があるのも事実です。本書は「行き過ぎた規制」を前提として書かれていると思うのだけれど、もう少しバランスよく書けなかったものかと思いました。

文句を書きましたが、エンタメ作品として本書は一級品だと思っています。面白い本としてオススメすることもできるし。続編「図書館内乱」も楽しみです。

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【みなさまのご意見】
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本のある生活さん
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