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「今夜、すべてのバーで」中島らも

今夜、すべてのバーでタイトル:今夜、すべてのバーで
著者  :中島らも
出版社 :講談社文庫
読書期間:2006/01/21
お勧め度:★★★

[ Amazon | bk1 | 楽天ブックス ]


薄紫の香腺液の結晶を、澄んだ水に落とす。甘酸っぱく、すがすがしい香りがひろがり、それを一口ふくむと、口の中で冷たい玉がはじけるような…。アルコールにとりつかれた男・小島容が往き来する、幻覚の世界と妙に覚めた日常そして周囲の個性的な人々を描いた傑作長篇小説。吉川英治文学新人賞受賞作。
著者の自伝的小説、と言っていいのでしょうか。主人公・小島容(いるる)と中島らもさんのイメージがぴったり重なってしまって・・・。

気がついていながら辞められない。アルコール中毒とはそのようなものだろうか。主人公・小島容は、何日も何日も酒以外のものを口にせず飲み続けた結果、肝硬変一歩手前となり、即入院を言い渡される。自分の体が病んでいく間、医学書などを読み解き、"いつまで飲めるか"を冷静に判断。もうどうしようもなくなっての通院→即入院であった。入院を言い渡されても、一歩外を歩けば自販機で酒を買ってしまう小島容。意志の弱さ。根本はそこにある。酒が好きで飲むわけでなく、酒に逃げている自分。院内での日常を経て、自分に大切なものとは何かを見つけ出す。

アル中患者の闘病についての詳細が書かれているわけでなく、アルコールとは何か、アル中とは何かを研究例や患者心理などを取り上げて、冷静に分析しています。分析といっても堅苦しくないので、すらすらと読めてしまいます。自宅で晩酌をするわけでもなく、それほどお酒が好きというわけではないですが、なるほどと思うところがありました。

「アルコールを目的ではなくて、手段として使い始めるのがアル中の第一歩」

人間の弱い部分、純粋な部分、汚い部分をストレートに表現した本作。意外にも読後感はさわやかでした。

+++++

【みなさまのご意見】


「ガダラの豚(3)」中島らも

ガダラの豚 (3)タイトル:ガダラの豚(3)
著者  :中島らも
出版社 :集英社文庫
読書期間:2004/08/11
お勧め度:★★★★


+++++

テレビ局スタッフ他6人もの犠牲者を出して大生部は何とか娘を取り戻し、アフリカから日本へ帰国した。帰国して数ヶ月は平穏な生活が続いたが、番組関係者の回りでは次々奇怪な事件が起こり始める。番組司会者の惨殺、清川の変死。呪術師バキリは東京に来ている!元プロデューサー・馬飼は大生部一家と大呪術師バキリが対決する生番組を企画する。

+++++

日本、アフリカときて、最終巻はまた日本。次巻を読み始めるたび気持ちも新たにという感じ。まさかそんなことはないと思うけど、当初から文庫本で分冊することも視野に入れていたのならすばらしい。最終巻は、第二巻の大冒険劇をさらに一回りスケールアップした大大冒険劇となっています。狭い場所で逃げ場が無い圧迫感と、どうなるか先が読めない不安感から、なんか妙にドキドキしてしまいました。あまり無い感覚。

全部読み終えたところで改めて振り返ってみて感じたのは、なんといろいろな話題を詰め込んだ、お得な本なのだろうということ。呪術を芯に据えてはいるけど、超能力とトリックの違いとか新興宗教の暗い部分、広大なアフリカ大陸の情景と野生動物たち、マスメディアの裏側、家族の絆など、話題は枚挙に暇はないです。それが、散漫にならずに、それぞれの話題のスパイスになっています。本当に惜しい方が亡くなってしまった、と今更ながら深く感じます。

単行本を三冊とも買ってきて自分の横に積み上げ、一気に最後まで読むことをお奨めします。おそらくあっという間に読み終えてしまうでしょう。


「ガダラの豚(2)」中島らも

ガダラの豚 (2)タイトル:ガダラの豚(2)
著者  :中島らも
出版社 :集英社文庫
読書期間:2004/08/09 - 2004/08/10
お勧め度:★★★★


+++++

大生部一家はテレビ局の特番取材のため、再びアフリカの地へ。大生部の研究助手・道満、スプーン曲げ青年・清川、大生部の妻・逸実と長男・納、テレビ局のスタッフ6名も同行する。一行はケニアとウガンダの国境沿いを北上し、スワヒリ語で「13」という意味を持つ不吉な村・クミナタトゥに到着する。8年前に同村を訪れたときと異なる雰囲気を感じた大生部は、村の長老・オニャピデと会話、呪術師バキリの存在を知り興味を抱く。

+++++

第一巻とは打って変わり、アフリカ・ケニアを舞台とした大冒険劇。海外には出張で台湾に一度行ったのみなので、ケニアの大地がどんな風景かってことは、テレビで得た程度のほんのちょっとの知識しかありません(アフリカ行ったことある人が稀かな)。広大な大地、生命力あふれる動物達、思っているより近代的な街。一度は行ってみたい気持ちになりました。旅に出たい気持ちになったのは、「深夜特急」を読んで以来かも。

呪術やアフリカの風俗について全く知識なしですが、文章にはすごく説得力とか真実さを感じました。らもさんはケニアに行ったことがあったのかな。そうでなかったとしたら、この本を書くために相当調べたんじゃないかと思います。

呪術や毒物、奇妙な虫とか出てきて、なんとなく胸に圧迫感を感じながら読み進めていきました。特に呪術師バキリと大生部が会った所くらいから巻末まで、一層強くそのように感じました。読了後はさわやかさからほど遠く、夢に何か出てくるんじゃないかと思ったくらいです。読んでる人にそこまで思わせたら、著者の勝ちですね。

大生部達にどんな災難が降りかかってくるのか。そして、どのように解決するのか。読了感が清々しいとはお世辞にも言えないけど、次巻が妙に気になります。


「ガダラの豚(1)」中島らも

ガダラの豚 (1)タイトル:ガダラの豚(1)
著者  :中島らも
出版社 :集英社文庫
読書期間:2004/08/05 - 2004/08/06
お勧め度:★★★★


ちょっと変わったおじさん。それが「タモリ倶楽部」や「爆笑問題のススメ」などテレビでらもさんを見て思った印象。遠くから見ていたい、なんとなく気になる方です。らもさんについて知っていることはほとんどなく(灘高卒ということくらい)、著作はすべて未読。不謹慎かもしれませんが、亡くなられた事で何か著作を読んでみようと思った次第です。何がいいかと迷っていたところ、家づくりや読書などで親交のあるこむぎさんから読むならこれ!と薦めていただきました。Thanks!!

+++++

アフリカにおける呪術医の研究で素晴らしい業績を持つ民族学学者・大生部多一郎。今や著書出版、テレビ出演で人気となっているが、8年前に調査地の東アフリカで長女の志織が気球から落ちて死んで以来、アル中に。また、妻・逸美は神経を病み、奇跡が売りの新興宗教にのめり込んでしまう。大生部は、テレビ出演で知り合った奇術師・ミラクルと共に逸美の奪還を図る。

+++++

プロローグを読んでどうなっちゃうんだろうってちょっと心配だったんだけど、読み始めるとおもしろくて一気に最後まで読んじゃいました。プロローグは第二巻以降の布石だったのかな。なんといっても登場人物がすばらしくよい。それぞれ個性が際立っていて、生き生きと動き回ってます。

自分は新興宗教に興味ないし、こんなセミナーなどに行くこともないだろうから、入信などまずないと思うけど、ひっかからないと思う人ほどあぶない、だますのは簡単ということを興味深く読めました。少し不満をいうとしたら、テレビ番組収録部分ですね。番組内容がやや古臭い。今時あの程度の番組で視聴率を取れるかは疑問。8年前の本だから仕方のないところかな。

まぁ、それはご愛嬌として、次巻で話がガラリと変わり、以降もなかなかに読み応えがありそうです。一巻はいいところで切られちゃってるので、次が気になる〜。実はまだ入手してないんです、、、(^^;。明日、本屋へ行かなくちゃ。

追伸:Amazonでは現在在庫切れです。m(_ _)m

追記('04/08/11)
Amazonに入荷したようです。