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「ジーン・ワルツ」海堂尊

ジーン・ワルツタイトル:ジーン・ワルツ
著者  :海堂尊
出版社 :新潮社
読書期間:2008/06/23 - 2008/06/24
お勧め度:★★★★

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桜宮市・東城大学医学部を卒業、東京・帝華大学に入局した32歳の美貌の産婦人科医、曾根崎理恵―人呼んで冷徹な魔女(クール・ウィッチ)。顕微鏡下人工授精のエキスパートである彼女のもとに、事情を抱えた五人の妊婦がおとずれる。一方、先輩の清川医師は理恵が代理母出産に手を染めたとの噂を聞きつけ、真相を追うが…。

感想はそのうち・・・。


「ブラックペアン1988」海堂尊

ブラックペアン1988タイトル:ブラックペアン1988
著者  :海堂尊
出版社 :講談社
読書期間:2007/12/26 - 2007/12/28
お勧め度:★★★★★

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外科研修医世良が飛び込んだのは君臨する“神の手”教授に新兵器導入の講師、技術偏重の医局員ら、策謀渦巻く大学病院…大出血の手術現場で世良が見た医師たちの凄絶で高貴な覚悟。

「チームバチスタ」シリーズからさかのぼること20年。高階病院長が東城大学医学部付属病院にやってきた時代を描いています。

これまでのシリーズ本で登場する主要人物がフルキャストで登場します。白鳥は登場しませんが、田口に速水、島津といった医師や猫田、藤原、花房といった看護士の若かりし時代が描かれていてにんまり。これから読む人はシリーズを読破してから読むことをオススメします。みんな、若いときから変わっていないなぁ。

今回初登場は主人公である世良、外科部長・佐伯、そして講師・渡海。この三人が物語を構成します。なかでも渡海の存在がGood。天才的な外科技術を持ちながら、佐伯に対し只ならぬ恨みを抱いており、この恨みが最後の大事件を引き起こすのですが・・・。

タイトルになっているペアンとは、手術の時に止血のため使う鉗子のこと。これがなぜ"ブラック"なのか。それは読んでもらうとして、こういう展開になろうとはかなり驚きました。

「チームバチスタの栄光」以降、ミステリー色は弱まっていたのですが、本書は久々にミステリーと言ってもよい出来だと思えます。また、世良や渡海の成長物語として読んでも楽しめると思います。

当たり外れが大きい著者の作品ですが、こういう本があるからやめられません。次は本書でも登場した「夢見る黄金地球儀」を読みたいと思います。

+++++

【みなさまのご意見】
higeruの大活字読書録さん('08/01/17追加)


「ジェネラル・ルージュの凱旋」海堂尊

ジェネラル・ルージュの凱旋 タイトル:ジェネラル・ルージュの凱旋
著者  :海堂尊
出版社 :宝島社
読書期間:2007/05/25 - 2007/05/28
お勧め度:★★★★★

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不定愁訴外来の万年講師・田口公平の元に届いた怪文書は、救命救急センター部長の速水晃一が特定業者と癒着しているという匿名の内部告発文書だった。田口は事実の調査に乗り出すが…。田口・白鳥コンビシリーズ第3弾。

田口・白鳥コンビシリーズの第3弾。「螺鈿迷宮」と合わせ時系列に並べると、「チームバチスタ〜」→「ナイチンゲール〜」と本書→「螺鈿迷宮」となります。「チームバチスタ〜」は一番最初に読んだ方が良いけど、その他はどの順番でも楽しめると思います。

東城大学医学部付属病院に伝説の歌姫が緊急入院した頃、不定愁訴外来講師・田口の元には、一枚の怪文書が届いていた。救命救急センター部長・速水が特定業者と癒着しているという、匿名の内部告発文書だった。病院長・高階から依頼を受けた田口は事実の調査に乗り出すが、倫理問題審査会(エシックス・コミティ)委員長・沼田による介入、ドジな新人看護師・姫宮と厚生労働省の"火喰い鳥"白鳥の登場で、さらに複雑な事態に・・・。将軍(ジェネラル・ルージュ)の異名をとる速水の悲願、桜宮市へのドクター・ヘリ導入を目前にして速水は病院を追われてしまうのか…。

これまでのシリーズ最高傑作ではないでしょうか。正直、「ナイチンゲール〜」「螺鈿迷宮」では、その言い回しが鼻に付き、楽しむまでには至りませんでしたが、本書では大いに楽しませてもらいました。

何といっても速水と沼田の人物像がすばらしい。将軍(ジェネラル)と異名を持つ速水の的確で俊敏な判断は、まさに天才といっていいと思います。才能が秀でたものにありがちな不遜さ、傲慢さは多少ありますが、ラストで部下が一本立ちした姿を見ると、決して嫌味でやっていた訳ではなく、医師を育てる責務を感じてのことだったと思われます。次々に舞い込む怪我人たちをばっさばっさと裁いていく姿に鳥肌が立ちました。

一方の沼田は、官僚的医者の典型をいく人物像に苛々させられながらも、ここまで嫌味が言えるものかと何度も感心させられました。極力自分の手を煩わせないようにしながら、相手にどんどんプレッシャーを掛けていく。速水の方が一枚上手でしたが、自分は何でもほいほいと仕事を請けてしまう(請けさせてられてしまう)ので、多少見習いたいと感じました。

田口は重要な役を担っていましたが、その分白鳥の活躍があまりなかったような。その点は少々残念でしたが、何かと問題が多い東城大学医学部付属病院ですから、また活躍の場はあるでしょう。シリーズ次巻にも期待です。

+++++

【みなさまのご意見】


「螺鈿迷宮」海堂尊

螺鈿迷宮タイトル:螺鈿迷宮
著者  :海堂尊
出版社 :角川書店
読書期間:2007/03/13 - 2007/03/15
お勧め度:★★★★

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医療界を震撼させたバチスタ・スキャンダルから1年半。東城大学の医学生・天馬は、留年を繰り返し医学の道をリタイア寸前だった。ある日、幼なじみの記者・葉子から「碧翠院桜宮病院に潜入できないか」と依頼を受ける。桜宮病院は、老人介護センター、ホスピス施設と寺院を一体化した複合型病院で、終末期医療の先端施設として注目を集めていた。しかし、その経営には黒い噂が絶えないという。天馬は看護ボランティアとして桜宮病院に通い始めるが、ある時から疑念を感じる。「この病院、あまりにも人が死にすぎる」と…。『このミス』大賞受賞『チーム・バチスタの栄光』の新鋭が贈る最新メディカル・エンターテインメント。白鳥の最強の部下“氷姫”、ついに登場。

シリーズ三作目。いよいよ白鳥の部下「氷姫」の登場です。抜群に切れるクール・ビューティを想像していたのですが・・・。

東城大学の医学生・天馬大吉は、幼馴染の記者・別宮葉子から依頼を受けて、桜宮病院に潜入取材を試みる。終末期医療の最先端施設として注目を集める桜宮病院ではあるが、その経営は不透明。看護ボランティアとして桜宮病院に潜入した天馬は、あまりに人が死にすぎる状況に疑問を覚える。

三作目ともなるとストーリー展開にも慣れたもので、安心感を感じてしまいます。それと共に若干のマンネリ感も。何かにつけ「例え」を乱用するのでいちいち引っ掛かり、読む速度があがりません。

「氷姫」こと姫宮はイメージは全く違い、やけに不器用な女性だったのにはガッカリしましたが、口から先に生まれたような白鳥とはいいコンビかもしれませんね。姫宮の膨大な知識量で、白鳥の行動に論理付けを施す。こういう展開が待っているのかな。

面白さは衝撃的だった「チーム・バチスタの栄光」には及ばないものの、(ライトな)医療ミステリとしては十分に及第点を与えられると思います。病院長桜宮巌雄が語る医学界の問題、双子の桜宮姉妹の死生観については深く考えさせられるところがありました。当人や周りの家族にとって、何が幸せなのか。ゆっくりと考えていくことにします・・・。

ラストにはっきりと続編の存在を示していましたね。白鳥と田口のコンビでの新刊も発売されたようですし、このシリーズはどのくらい刊行されるのか。なんだかんだと文句を言いながらも、全部読んでしまいそうです。

+++++

【みなさまのご意見】


「ナイチンゲールの沈黙」海堂尊

ナイチンゲールの沈黙タイトル:ナイチンゲールの沈黙
著者  :海堂尊
出版社 :宝島社
読書期間:2006/12/10 - 2006/12/13
お勧め度:★★★★

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東城大学医学部付属病院・小児科病棟に勤務する浜田小夜。担当は、眼球に発生する癌―網膜芽腫(レティノブラストーマ)の子供たち。眼球を摘出されてしまう彼らの運命に心を痛めた小夜は、子供たちのメンタルサポートを不定愁訴外来・田口公平に依頼する。その渦中に、患児の父親が殺され、警察庁から派遣された加納警視正は院内捜査を開始する。小児科病棟や救急センターのスタッフ、大量吐血で緊急入院した伝説の歌姫、そこに厚生労働省の変人・白鳥圭輔も加わり、事件は思いもかけない展開を見せていく…。

「チームバチスタの栄光」の続編。不定愁訴外来に舞い込んだのは、眼球に発生する癌−網膜芽腫(レティノブラストーマ)に侵されている子供たちのメンタルサポート。そんな中で、患児の父親が殺されるという事件が発生する。病院には警視庁から派遣された刑事が乗り込み、そこに病院長を初めとしたスタッフ、入院中の伝説の歌姫、厚生労働省の白鳥が関わって・・・。

前作同様、登場人物のキャラ立ちがすごかったのですが、今回はやや行き過ぎかなと感じました。少々胸焼け気味。登場人物を丁寧に書き込まれているのはよいのですが、今ひとつ的が外れている(と僕には思えた)比喩表現が連発されていて、拍子抜けすること多数でした。ぐいぐいと読ませる展開を期待していただけに残念。

ただ、作中登場する特撮ヒーロー物ドラマの設定など所々に著者の感性を感じることが出来たので、読んで損をしたとは思いません。キャラが濃いことを貶しましたが、これからその登場人物たちがそれぞれ主役となった作品へと展開していくのかなぁと楽しみな面もあります。

事件についてはそれしかないだろうという結末なので、ミステリーとして読むと肩透かしを食います。病院の裏側や聞いたこともない病名などについて知的興味をくすぐる娯楽小説として読むのがよいと思います。前作よりは落ちるけど、それでも十分に楽しめる作品です。

+++++

【みなさまのご意見】


「チーム・バチスタの栄光」海堂尊

チーム・バチスタの栄光タイトル:チーム・バチスタの栄光
著者  :海堂尊
出版社 :宝島社
読書期間:2006/07/19 - 2006/07/20
お勧め度:★★★★★★

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東城大学医学部付属病院は、米国の心臓専門病院から心臓移植の権威、桐生恭一を臓器制御外科助教授として招聘した。彼が構築した外科チームは、心臓移植の代替手術であるバチスタ手術の専門の、通称“チーム・バチスタ”として、成功率100%を誇り、その勇名を轟かせている。ところが、3例立て続けに術中死が発生。原因不明の術中死と、メディアの注目を集める手術が重なる事態に危機感を抱いた病院長・高階は、神経内科教室の万年講師で、不定愁訴外来責任者・田口公平に内部調査を依頼しようと動いていた。壊滅寸前の大学病院の現状。医療現場の危機的状況。そしてチーム・バチスタ・メンバーの相克と因縁。医療過誤か、殺人か。遺体は何を語るのか…。栄光のチーム・バチスタの裏側に隠されたもう一つの顔とは。第4回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。

これは面白い! 五つ星を越えて六つ星あげちゃう!

これが処女作とは思えないほど巧みな筆致と現役医師ならではの細かな描写。内容が専門的であればあるほど独自色は高まるけれど、読者に理解させるのは困難になるはず。しかし、物語の語り手に医師でありながら畑違いの医師・田口を持ってくることで、登場人物たちに易しい言葉で医学用語を説明させ、簡単に壁をクリアしています。

で、このまま田口を探偵役として問題が解決するのかと思いきや、あっさり次の事件が起こり、強烈な個性を持つ白鳥の登場。やや鼻につくキャラクターながら、田口とのコンビが絶妙です。やっぱりキャラクタ設定って大事だなぁと感じずにはいられません。白鳥の計算済みの発言と奇行に、笑わせられたり、そういうことかと納得させられたりで、ぐいぐいと最後まで読ませられます。

トリックは、医師の心理の裏をついた巧みなモノ。犯人の心情、動機などの書き込みが薄いように感じますが、全体的な出来の前には重箱の隅をつついているようなものでしょう。犯人の刑が意外と軽く終わりそうな結末に、医療裁判の難しさも感じさせてくれました。

今年読んだ本の中では間違いなくNo.1。誰にでも自信を持ってオススメできる一冊です。未読の方は、早く読んでください!

+++++

【みなさまのご意見】
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