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「生命(いのち)燃ゆ」高杉良

生命(いのち)燃ゆタイトル:生命(いのち)燃ゆ
著者  :高杉良
出版社 :集英社文庫
読書期間:2004/07/13 - 2004/07/16
お勧め度:★★★


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1990年10月、文庫本刊行。「未練はあるが、悔いはない」という言葉を残し、45歳という若さで病に倒れた昭栄化学工業の柿崎仁にスポットを当てた企業小説。化学コンビナートの制御システム開発担当となった柿崎は、全世界でも例を見ないコンピュータによる完全制御システムを寝る間も惜しみ作り上げるがその代償大きく、病魔に襲われ視力を失う。体を蝕む病魔、それでも柿崎は仕事への意欲を失うことなく、限られた時間の中で中国大慶との技術交流、後進の指導に全力を尽くす。

+++++

この本で描いているのはちょうどあおちゃんが生まれた前後の時期ですが、このころのサラリーマンは自分自身の仕事に誇りとプライドを持っていたのだろうか、それともこの柿崎が特別な存在だったのか。いずれにしてもこの本を読んで痛烈に感じたこと、それは「今の仕事に誇りがあるか。」ということです。

今の世の中、自分の命を懸けてまで仕事に打ち込んでいる人はそうそういないと思います。少なくとも、自分を含め周りを見渡してもそのような人は見当たらないです。仕事が好きだ〜、と言う人はいます。でもそれは、仕事に打ち込んでその結果を早く見たい、とか、周りから評価されたい、とか、仕事をすることによって自分の存在価値を見出したいということからであって、本書の柿崎のように広い視野に立ったものではないと思うんだなぁ。

あおちゃんはドライに割り切って仕事をしているかな。しかし、このままでホントにいいのか、とも日々思ってます。こんな人いないよ〜って思う反面、これだけ仕事に打ち込めてとてもうらやましくも感じますね。うらやましいが一歩前に踏み出せるかは・・・、ですが。

柿崎が死ぬ間際の描写には特に力が入ってます。著者も相当感情移入したようで、なかなか読み応えあり。「小説・日本興業銀行」よりどちらかというとこちらの方が好みです。「小説・日本興業銀行」はノンフィクション、「生命燃え」はフィクション(ただし、モデルは存在するとの事)。


「小説・日本興業銀行(第5部)」高杉良

小説 日本興業銀行〈第5部〉タイトル:小説・日本興業銀行(第5部)
著者  :高杉良
出版社 :講談社文庫
読書期間:2004/06/24 - 2004/06/28
お勧め度:★★★


ブックコンテンツ・データベース」より
本格的な高度成長にむけて、胎動をはじめた日本経済―その中で活躍する興銀大阪支店をはじめ、日産・プリンス自動車の合併、新日本製鉄の誕生など、“産業金融の雄”が果した重要な役割を生き生きと描く。実名で活写した波乱万丈のドラマは、圧巻の戦後経済・産業通史として、ここに堂々の完結。

最終部は、中山素平が頭取→会長となるまでの出来事、日産とプリンス自動車の合併や新大協和石油化学の設立、そして富士製鉄と八幡製鉄の合併による新日本製鉄の設立を描いています。何れの合併・設立も今までの4部で書かれていたようにスムースに進まず、粘り強く交渉しています。
この本を読むまで恥ずかしながら興銀の存在を知りませんでした。企業への融資が主な仕事であり、一個人には見えにくいからです。しかし、戦前戦後を通じて日本の産業をリードし、進むべき道を示してきたすばらしい銀行のように(少なくとも本書を読む限り)思えます。この本を読み、興銀に入社したという方がいても不思議じゃないです。第二の中山素平が現れて、不況打開のため策を講じてくれないかなぁと思いました。

ちなみにですが、1999年12月、興銀は富士銀行、第一勧銀と合併しみずほ銀行となりました。


「小説・日本興業銀行(第4部)」高杉良

小説 日本興業銀行〈第4部〉タイトル:小説・日本興業銀行(第4部)
著者  :高杉良
出版社 :講談社文庫
読書期間:2004/06/18 - 2004/06/23
お勧め度:★★★


ブックコンテンツ・データベース」より
中山素平は将来を見通した人材育成にむけ、国際的にも国内的にも大胆な試みを展開する。さらに外国に負けない海運業界にすべく再編成にとりかかる。三年にわたった証券不況も、山一再建と新日本証券の誕生という、鋭い手腕で克服する。奇跡の経済復興に導く興銀の活躍は、最大の場面を迎える。

第四弾は高コストの船を乱造し不況にあえぐ海運業と投信の解約による株価暴落の危機にある証券業の建て直しを中心となって推し進めた興銀の姿を描いています。海運業再建では合併の仲介をしたり、証券業再建では秘密裏に日本共同証券株式会社(過剰株式のプール機関)の設立準備をしたりと銀行の業務は幅広いのだなと感じました。それにしても、どの巻でも思うのですが、興銀というところは下のものが上に対して好きに物を言える「風通しのよい会社」だったのだなと思います。証券業再編は、山一證券救済=日銀特融(第1部)につながります。
結局、山一證券はこの時点では立ち直るわけですが、ご存知の通り1997年にバブル崩壊後の収益悪化や総会屋事件等の不祥事で破綻しています。興銀の力で生きながらえた企業が、現在どうなっているかに興味が沸いています。


「小説・日本興業銀行(第3部)」高杉良

小説 日本興業銀行〈第3部〉タイトル:小説・日本興業銀行(第3部)
著者  :高杉良
出版社 :講談社文庫
読書期間:2004/06/16 - 2004/06/18
お勧め度:★★★


ブックコンテンツ・データベース」より
中山素平は日本興業銀行副頭取の就任した。思えば日本開発銀行へ転出し、設立後の仕事、過労入院、造船疑獄と多難続きだった。輿望を担っての復帰とはいえ、製鉄、油田開発など産業基盤の整備という大仕事が待っていた。しかも師と仰ぐ元総裁河上弘一の訃報。興銀と中山素平の責務は、ますます重い。

第三弾は中山素平の動向に合わせ、日本開発銀行(以下開銀)及び日本興業銀行(以下興銀)の苦心を描いています。開銀での苦心は"造船疑獄"=「計画造船融資に伴う贈収賄事件」、興銀での苦心は「アラビア石油への油田開発融資」です。中山素平の動向を追っているのは、今後興銀の中心人物となっていくため。開銀では理事、復帰した興銀では副頭取→頭取となっています。
5部構成の第3部ですが、ここから話が再スタートという雰囲気も持っていて、川上元興銀総裁の死という大きな出来事がありながら淡々と話は進んでいきます。やや落ち着いたので、今後の盛り上がりに期待します。


「小説・日本興業銀行(第2部)」高杉良

小説 日本興業銀行〈第2部〉タイトル:小説・日本興業銀行(第2部)
著者  :高杉良
出版社 :講談社文庫
読書期間:2004/06/14 - 2004/06/15
お勧め度:★★★


ブックコンテンツ・データベース」より
GHQに厳しい選択を迫られる日本興業銀行首脳部、そして思わぬ“昭電疑獄”にまきこまれ、芦田内閣の倒閣という激動の政治の嵐の中で、英知を集めて再建整備への道をすすむ。営業再開への長く苦しい三年余の交渉を描く。復興の飛躍台に向う日本経済。戦後産業通史いよいよ佳境に。大河経済小説第二弾。

第二弾は”昭電疑獄”=「昭和電工贈収賄事件」を話を中心にすえ、本事件と興業銀行のか係わりということで話を進めています。GHQは一方的に戦後復興案を銀行を始めた企業に押し付け、自分達の好きなように政策を推し進めた印象があったのですが、実際はそうではなく言うべきことは言っていたようです。会社のため、日本のために寝る間を惜しんで働いたバンカーの姿を生き生きと描いています。ただ、あまりにうまく事が進むので少々疑問も感じますが・・・。


「小説・日本興業銀行(第1部)」高杉良

小説 日本興業銀行〈第1部〉タイトル:小説・日本興業銀行(第1部)
著者  :高杉良
出版社 :講談社文庫
読書期間:2004/06/04 - 2004/06/08
お勧め度:★★★


ブックコンテンツ・データベース」より
産業金融の雄、日本興業銀行が辿った波乱万丈のドラマを描く。戦後の日本経済界を彩る幾多の人材を輩出し、日銀特融をはじめ、さまざまな危機の局面にあって、回避にむけての打開策を全力でとってきたトップ銀行。その実像を、豊かな構想力と綿密な取材の下に、実名で活写する五部構成大河小説の第1弾。

あまりに知識のない分野、知らない人物が登場してくる(すべて実名)のため、読むのに一苦労しています。出てくる一語一語に気をつけながら読み進めているので読むペースが上がりません。たまに名前の聞いたことがある人(田中角栄とか池田勇人とか)が出てくるととっても安心します。ただ、内容は著者の「取材力」の賜物か人物像、そうなるに至った背景が詳細に描かれており、とても面白いです。

本書は全5部の第1部で、盛り上がりはこれからと思います。今後に期待をこめつつ、★三つです。